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2006年6月27日 (火)

七夕~短冊には絶対かけない本音の願い事~

この時期になると、スーパーの中庭に、七夕飾りが飾られる。近所の農家から竹を切り出させてもらい、ボランティアと地元の子どもたちが短冊などを飾りつけて立てる行事で、コミュニケーションや、地域の活性化を図るのだ。

うちの子供たちはとうに卒業したのだが、何年前だったか、幼い娘がこれに参加した事を思い出す。

娘は、覚えたてのつたない字ながら、赤い短冊に願い事を書いていた。私も娘につきそいながら、七夕のひとときを楽しんでいた。娘は、大勢人がいる中で、こう書いた。

パ パ が か え っ て き ま す よ う に

…たしかに当時、パパはすっかり家に帰らなくなっていた。普段はあまり寂しさや不安を口にすることがなかった娘だが、その心中を思うと胸が痛い。

が、それはそれ。

ご丁寧におなまえまで書いたその短冊を、ご近所の目に晒すのは、あまりにも世間体が悪い。かといって、「そんなこと書くの、やめなさい」などと言って、幼い娘にわかるわけがない。彼女の真摯な「願い」を無にするわけにもいかないし。

娘は神妙な面持ちで、横たわる竹の葉に短冊を結びつけた。私は少しほっとした。竹は、どう見ても4~5メートルはある大きなもの。娘はちょうどてっぺんあたりに短冊を結んだのだ。この竹を立てれば、人の目に触れることなく、天の神様だけに願いが届く寸法。あ~よかった。

…と考えた私は甘かった。その竹は、2階へ続く階段に取り付けられたのだ。ちょうど2階から、

パパがかえってきますように  ○○○子

の短冊は見事に丸見え。  ああ、そんなところで笑いをとってどうするよ娘!!!!

ご近所の笹飾りなどに、本音の願い事を書くのはとても危険だ。 たとえば

仕事がうまくいきますように

なんていうのならまだいいのだが

息子が学校に行けますように

とか

息子の暴力がおさまりますように

とか

今年こそ、割れたガラス窓や壊れた壁を修理できますように

とか、そういうのはちょっと書けない。せいぜい「ダイエットが成功しますように」とか「子どもたちがすくすく健康に育ちますように」とか当たり障りの無い事だろう。どこの家庭にもいろいろ悩みがあると思うが、そんな本音が書かれることはなく、同じように書かれた当たり障りの無い願い事を身にまとって全国で笹が立つ。神様の方もあーはいはい、人の夢と書いて「儚い(はかない)」と読むんだよ、と、適当にあしらっているのでそのくらいでちょうどよい。「パパがかえってきますように」なんて、重いお願いは…実は少しだけ適ったけど、その時娘はかえってつらい思いをした。

今日、娘が教えてくれた。「あの七夕の短冊を見てたらさあ、
夫の浮気が治まりますように』って書いてあるのがあったよ」

実名入りなら勇者だな。

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