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2006年6月29日 (木)

不登校「救済部」って~スポーツ偏向教育に物申す~

とある中学校の理科部の顧問の先生とお話しする機会があった。
そこの理科部は、とても社会貢献に有効な活動をしていて、実験や研究など、実に有意義そう。部員数を伺うと、この少子化の時代にあってなんと約30名!さぞ先生のご指導が素晴らしいのだろう、科学への関心を伸ばす教育を行っているのだろう、と思い、いろいろ伺うと、意外な答えが返ってきた。

「この部は、『救済部』なんですよ…」

救済部って?といぶかる私。先生、生徒とかには絶対言わないでくださいねと念を押しながら教えてくれた。

「救済部」とは、学校の通常の部活に適応できない、不登校予備軍を「救済」するための部なのだそうだ。「いわゆるオタクっぽい子とかね… そういう子が、学校に魅力を感じてくれる場所が必要なんで…」

私は軽くショックを受けた。まさにオタクっぽい、というかどこに出しても恥ずかしくないような立派なオタクな息子も、一度は運動部に入部したものの、とてもついてゆけず、それが最初の不登校のきっかけになったのだ。息子の中学校には、理系の能力を生かせそうな部は、無い。入学前からそういう情報を得て、親子で残念がったが、息子は前向きにそのとき得意だった某スポーツ部に入部。しかし、本人の運動能力は意外とあるのだが、もともと虚弱体質であり、コミュニケーション能力はかなり劣る(あるいは、『違う』)。おそらく、軽い発達障害かなんかだと思うが、人の顔をおぼえられないし、「普通できる事」がまるでできない。そういう子が、タテ社会の運動部に入ったって、大体結果は見えてるのだが…まあ、それはいずれ、社会に出れば経験する事なので仕方が無いと思っている。

息子は、いろいろ友達を集め、理解してくれそうな先生に、「パソコン部」などを作れないかと運動した。が、結局顧問の先生を確保できず、断念。大きな壁に当たり、息子もいろいろ成長したとは思う。が、失望し、世をはかなんだのも事実だ。

理科部として、あんなすばらしい活動をし、それを、はにかみながらも誇らしげに語ってくれた某中学の生徒たち。それを「救済部」と、まるで恥ずかしい集団活動のように語る先生。それは残念だったが、あえて言う。こんな「救済部」がどこの学校にもあれば、不登校の問題は、かなり解決できるのではないか?

人間、何かしら良いものがあるのだ。また、その良い部分が認めてもらえないと、伸びないもの。運動部は、何かしら大会があり、優劣をつけられて努力すればトロフィを持って帰るので学校側も優遇しがちだが、文科系の部活動に、もっと幅を持たせて欲しい。

今、息子の学校には、美術部と、合唱部がある。どちらも息子の得意分野だが、

美術部には腐女子しかいないんで、俺は入っていけない

……(・о・)  合唱部からは、熱いお誘いもあったらしいが、息子は他人には分からないかもしれないが、実はものすごい「完璧主義者」。変声期で、ちょっとでも声がかすれるとかひっくり返って音程をはずす自分が許せなかったらしく、辞退してしまった。声が落ち着き、前述の腹筋運動の甲斐があって、今はすばらしい歌唱力を持っているので、本当に惜しかった。

しかし、そのすばらしいバリトン(あなごさん風味)で、なぜ登校時間に、窓辺で学校の校歌を高らかに歌うのだろうか。ご近所もびっくりだぞ……

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