我が家の生態系3~なんか今年、おかしくないですか?~
来るものは基本的に拒まず、でやっている我が家のベランダ。昔種を捨てた記憶があるあけびが、今年はにょろにょろとつるを伸ばす。蕗も生えている。いつの間にか、朝顔まで生えてきている。植えた覚えの無い、白いペチュニアが毎年出てくるのは何故なんだろう。カキドオシはいつも元気だ。美しいな。リュウキュウツキミソウは今年元気が無い。見るとかたつむりがいる。これに食われたか?どっから来たんだろう、このかたつむり。アブラムシは、申し訳ないがテントウムシをご招待してお相手してもらっている。
我が家には、歓迎したいような歓迎したくないような客人がこの季節に訪れる。山椒の木につく、アゲハチョウさんだ。山椒が、まだ手のひらに乗るような小さな木の頃から、アゲハはこんな空中に飛んできて、卵を産んだ。小さな木に、複数の幼虫を養う力は無く、木を丸裸にされたうえに、幼虫を他の木に移しにまわる面倒まで抱えるのが、我が家の「夏」であった。秋には精一杯新芽を出し、芳香を楽しませてくれる山椒さん。その山椒ちゃんも、熱帯魚の古い水を与えるようになってからはめきめきと育ち、アゲハの5、6匹くらい養えるようになった。昨年はアゲハチョウがよく訪れた。「もう、やめてよ~」と追い払おうとしたのに、私の目の前で卵を産んでいかれた。……ああ、また山椒さんにがんばってもらうか…生みたての、とくにつやつやした卵をつぶす事もできず、せめて栄養満点の水を与える私。
アゲハチョウって、妙だ。さなぎになる直前、ふいに身を隠す。最初の頃は、いよいよ最終齢だし、さなぎが見られるかも~~と、楽しみにしたもの。でも、どの幼虫もふいに姿を消してしまう。鳥に食われた?えさが乏しくて逃げた??など、いろいろ思いをめぐらせた。だが、大きく育ち、まだまだ葉を茂らせている山椒からも、最終齢幼虫は離れていく。で、去年になって初めてわかった。
アゲハチョウは、食木から離れてさなぎになるのだ。
これは、山椒からちょっと離れた雑草でさなぎになった例。他にも、ベランダの壁、プランターの影などをさなぎになる場として選び、巣立っていった子を確認。ただ、普通の子は、朝、さなぎの抜け殻を見て「ああ、無事巣立ったのだなあ」と思うばかりだったのだが、この写真の子は、ちょっと思い入れがあるのだった。
ある台風の夜のこと。私は、夜中の3時、暴風が吹き荒れる中突然目を覚まし、「あのさなぎを、部屋に入れなくては!」と思ったのだ。ねぼすけの娘もこのときはしゃっきりと起き、ベランダに生えた雑草ごと、さなぎを部屋に入れた。そして、ぐっすりと眠った。
朝、ひどい暴風雨からうそのように晴れ間がさすなか、部屋の中にアゲハチョウがひらひらと舞っていた。…夢かと思った。
どんなに美しくても、アゲハチョウは害虫である。虫好きの私にとっても、招かれざる客でしかない。当時娘は観察日記を書こうかなあなどと言っていたがその実何もせず、別になんということもない存在だったのだ。
なのに、あの時、暴風雨を避けてやろうと思った。今、羽化したら、命が無い!と、なんとなく思ってしまった。文字通りの「虫の知らせ」だ。
で、この子はひらひらと私たちの目を楽しませたあと、窓辺にとまり、我々に窓を開けさせ、台風一過の朝日の中を飛んでいった。不思議な体験だった。
で、今年。もうすぐ8月だというのに、アゲハの幼虫がうちに来ない。せみの声も、いつもより少ない。というか、今年私は、アブラゼミの前に、ヒグラシを聞いてしまった。うちって、どこの高原だ?ヨーロッパで熱波。日本でも異常な大雨。お天道さまは、ゴールデンウィーク明け以来、あまり見ていない。長梅雨にもほどがある。
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