« ありがとう絶望先生~不登校息子がすごいことに~ | トップページ | 夏風邪ひいてしまいました~一家だら~ん~ »

2006年7月22日 (土)

テレプシコーラ9巻出ました~少女たちの道~

今日発売の「テレプシコーラ」9巻は、いつもより神妙な気分で開くことになった。

なぜだろう、篠原のおばあちゃんが笑顔で、六花たちの大好物の太巻きをこしらえてるシーンだけで、泣けてくる。「この後の展開」がどうしても頭から離れないのだろう。

9巻は「小花」から、初々しくも大きな花に変貌する六花ちゃんを中心に、千花はもちろんのこと、ひとみちゃん、桜子ちゃん、大地君、拓人君など、これまで一緒にバレエを踊ってきた少年少女たちに、過酷な、「バレエ」の道を考えさせる。

「天才だけがバレエを踊ってるんじゃないもの」と帯にあるのに、むしろそれとはうらはら。実力があっても、努力しても、ケガをしたり体型や容姿に恵まれなかったり、華がなかったりでは、良い役には恵まれない。まだ中学生の彼らが自分の限界を知ったり、少しでも可能性を見つけるためにさらなる努力に身をを投じる姿が凄まじい。読者としては、見守るしかないのだが、どの子もいとおしい。

千花に負けず劣らず悲壮なひとみちゃんが、六花ちゃんに対し一瞬でも心に影を落としてしまうのに対し、千花ちゃんが、どんなに辛いことになってもずっとポジティブにものを考え、こんな状態なのに学業の成績は学年トップというのもまた切ない。

茜ちゃん一人勝ちの巻。この子は本当にすごいww

舞姫(テレプシコーラ) 9 (9) Book 舞姫(テレプシコーラ) 9 (9)

著者:山岸 凉子
販売元:メディアファクトリー
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« ありがとう絶望先生~不登校息子がすごいことに~ | トップページ | 夏風邪ひいてしまいました~一家だら~ん~ »

コメント

*茜ちゃんの1人勝ち・・・についての私見

 テレプシ~9巻,茜ちゃんの鮮烈デビューですね。何より,あの容貌と決して褒められない性格描写との対比が効いています!
 
 しかし・・・です。舞台上で自分勝手に演技をレベルアップさせてしまう茜,一方,貝塚先生や富樫先生,金子先生など周囲の大人たちに「踊らせてあげたい」と思わせる六花,長い舞台人生でみるとどうなのでしょうか。
 例えば,舞台袖からクララに注がれる草間&駿ペアの目線です。駿さんは六花のクララを「子どもらしくていいじゃん」と好意的です。一方,子役ながら難度を上げた演技を披露し周囲や観客に大きくアピールする茜を前に,草間は「ヒヨッ子が受けを狙うならどうぞ よ」と,ベテランプリマの意地をしめそうとします。
 観客の反応,新聞評からいえば茜に軍配があがった形ですが,今後が楽しみです。
 ライバル心を前面に出す茜と無心に踊れる六花の競演を作者がどのように展開させていくのか,続きが見逃せません!

投稿: スノードロップ | 2006年7月23日 (日) 06時43分

スノードロップさん、ようこそ!茜ちゃんと六花ちゃんの対比、いろいろおもしろい巻でしたね。圧倒的に性格の違う茜ちゃんが入ってきて、貝塚本部の子たちはみな、何かしら影響を受けるけど、六花ちゃんにも結構良い刺激になるんでは?と思います。鳥山先生の回想のようになると、もしも海外へ留学ともなれば周囲のほとんどが茜ちゃんみたいな世界でがんばらなくちゃいけませんもの。
今のところ敵なしの茜ちゃんだけど、もしも、足りないものがあるとしたら、六花ちゃんのような可愛らしさ、でしょうか。それに気づいて茜ちゃんが敗北感を感じる…なんて展開もあるのでしょうか。欲を言えば、千花ちゃんにも茜ちゃんの鼻を明かしてほしかった…ですが(涙)続きを知っていても、10巻が早く読みたいですね!

投稿: 闇鍋奉行 | 2006年7月23日 (日) 09時35分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: テレプシコーラ9巻出ました~少女たちの道~:

« ありがとう絶望先生~不登校息子がすごいことに~ | トップページ | 夏風邪ひいてしまいました~一家だら~ん~ »