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2006年7月26日 (水)

パンチざるを買いました~めぐる親子の因果~

息子のことを調べていて、「親子アスペ」という言葉があるのを発見。そのまんま、親子でアスペルガー症候群、ということ。それならうちもそういうものかもしれない。というか、「先祖代々アスペ」かもとさえ、私は疑っている。ついでにメンヘル系もありそう。父方の血を引く男性で、自殺でない死因を聞いたことがない。ちなみに、今一人は自殺未遂で要介護状態だ。従兄弟も、弟も自殺した。息子を産んだ頃から、母が「この子は死んだあの子に似ている」というのが不安でたまらなかった。そんなところから、私の不安だらけの育児が始まったのだが。…まあ、これは開き直るしかない。むしろ、そういう部分を持った自分と、真正面から向かい合い、自分の生き易いようにしていくしかない。私も、息子も。

で、まったく話は変わるのだが、私は先日、パンチングのざるを購入した。父親とホームセンターなどに買出しに行くことになり、その話をしたのだ。父は、パンチングのざる、というのがわからず、「なんや、それ?」と聞く。
パンチングのざるとは、ステンレスのボウルに、文字通りパンチで細かな穴を開けたようなざるのこと。通常の網目のざると違って目詰まりがなく、またそうめんがもれるようなことも少ない、衛生的で使いやすいものだ。私が今使うのは、結婚当初購入したプラスチック製のボウルとざるのセットで、これを買った後に婦人雑誌でパンチざるの存在を知り、ものすごく後悔したものだった。ああ、これが買いたい。でも買ったばかりのこれ…当時のキッチンのタイルの色と合わせた、ペパーミントグリーンのざる&ボウルセットがあるし。何より、パンチざるはけっこう高い。無駄遣いは禁物だ…と戒めてきたが、18年もののプラスチックざるともなると、もはや洗って漂白してもきれいにはならない。「18年か!プラスチックのを!」父は車を運転しながら大笑いした。「そりゃ、買いなさい、けちけちせずに」と、父は太っ腹にも大小のざるを買ってくれた。

でもお父さん、あなたの奥さんも、新婚当初に買ったプラスチックざるを、やっぱり18年は使ってましたよ?

先祖代々いろいろあるような家系だが、私の半分は別の家系。私自身、いろいろな遺伝子を数多くのご先祖様からもらっているが、運命などは与えられるものではなく、自分で拓くしかないものだ。

私も、自分が「変」なのは子供の頃から気づいていたが、今では件の自閉症ボランティアの方に「全然そうは見えない!健常者でしょう!?」と言われるほど、一見かなり普通に見えるようになれてきた。否、ちょうど息子と同じくらいの頃、「5カ年計画」というのを自分に定め、自分を改造してきたのだ。子供の頃、同じ年の子と遊んだり、笑うことさえできなかった私だが、今は営業スマイルで、いろいろな人と接しているのも、当時、自分なりに「なりたい自分」をイメージし、環境の変化に合わせて自分のキャラクターを変えていったからだろう。本質的には何も変わっておらず、臆病で、なんでもないことにもつまずきがち。たとえば少し私と付き合った人は、すぐに気づいてしまう程度のぼろ隠しなのだが、当時それをしなかったら、私はずっと引きこもっていたに違いない。

で、息子だが。私よりも顕著に「ヘン」な部分と、意外と社交性があり、交友関係を保てる部分がある。これはおそらく、社会全体が私の子供の頃とは変わってきていることにも関係するだろう。息子も、それとは知らず、不登校・ひきこもりを始めた頃からこんな言葉を口にしていた。

人類オタク化計画

息子は、世の中がオタクだらけになってしまえば、自分が生き易くなると考え、実行中なのだ。自分を多少なりとも変えようとした私と、世の中を変えちゃおうとする息子。因果は、おもしろくめぐっている。

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