不登校息子、亀田興毅の試合を見る!~絶望先生ありがとう~
「ボクシング見ようよ」
今夜のトリビアのつまらなさに業を煮やし、他に何かおもしろい番組はないかと家族会議が始まった直後、息子が言い出した。
息子は不登校の、絵に描いたようなオタクだ。ほうっとくと、ケーブルテレビのアニメ専門チャンネルや、録りためた、ぱにぽにだのまほらばだのましまろだのなるたるだのとか言うひらがなだらけのタイトルの番組を見ようとか言い出す子。この子が、生まれてこの方、スポーツ番組を見ようと言った事があるだろうか。息子よ。これは天下一武闘会ではないのだぞ。三次元の世界だぞ。美少女も出ないぞ!
国民的関心事のスポーツネタを仕入れていなければ、「さよなら絶望先生」を存分に楽しめないということだろうか。動機はともかく、自閉症の疑いのあるこの息子にとっては、こんなに自分の関心の幅を広げるのは大変なことなのだ。絶望先生のご指導の賜物である。ありがとう、絶望先生!
…で。ほぼ終盤の試合を観戦。昔はゴールデンタイムにボクシングやプロレス中継がよくあったように思うが、今はそういうこともなく、まして私もあまりそういうものを見ることが無いほうなので、子どもたちはボクシングを見るのがほとんど初めてだったようだ。だが、画面を見れば亀田興毅選手が劣勢であるのは誰の目にもわかる。
「こりゃあ、まずいかなあ」と私。
「こいつ、負けられないでしょ、弱い相手ばかりと対戦して、と叩かれてるのに、世界チャンピオンにあっさり負けたらまずいでしょ」と息子。一応時事ネタを抑えてるようだ。大成長。
「血が出てる~…」と娘。グロ好き娘だが、こういう真剣な流血は、この子にもショッキングだったようだ。
「1ラウンドでダウンしてるって」「そりゃあ、もう…でも、ガードは完璧だな」と息子。「ガードうまいのは、ここまで来ている以上当たり前だけど、もう最終ラウンドになるところで守ってばかりもいられないよ。ここは思い切って攻めに行って、KOするかされるか、でいいんじゃない?判定負けなんていうキャラじゃないし、かえってKO負けして、再起をめざす、っていうストーリーの方がいい気がする」
しかし、素人の目ほどいいかげんなものはない。我々が「絶対勝ち目なし」と思った亀田興毅選手は、なんと判定勝ちで、世界チャンピオンの座についてしまったのである。まったく、素人がかじったようなことを言っていてお恥ずかしい。まったく呼吸も乱さず最後までリズミカルに打ち続けるチャンピオンよりも、足元はふらふら、目に涙と血がにじみ、必死で守りながら時折反撃に出るしかない亀田選手の方に軍配があがるという、何かのルールがあるようなのだ。いや、スポオツの世界は実に奥が深い。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
今日の親子漫才
息子は「もしも俺が女だったら歌いたい曲」というコレクションを作り、料理中の私に聞かせてくれた。いずれ劣らぬアニメ声オンパレード。が、どれも名曲には違いないので「いいじゃん、男でも歌いなさいよ」と言った。
息子「だめだよ~~こんな声出ないって」
私「同じ声は、女だって出せるもんじゃないし、あえてデス声で歌えばそれも味があっていいんじゃない?男女平等の世の中だし」
息子「やああだよお~俺は妥協したくないの。あ、ワンダーモモーイ」
モモーイとは、声優の桃井はるこさんのことだろう。彼女のデビュー時は、ひそかに応援していた私。今は押しも押されぬ人気声優&歌手になっているらしい。
息子「この声なんか、絶対真似できねえ~~(うっとり)」
私「いいじゃん、堂々とむさくるしい声で歌えば。キモーイって感じで」
息子「(σ・∀・)σワンダーキモーイ!!OK!
(# ゚Д゚) OKじゃねえ!!!!」
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