こだわりの息子のお買い物~オタクは自らに制服を課す~
息子と久しぶりに買い物に出かけた。息子の靴に穴が開いているというのと、お気に入りのズボンにこだわり、何日も穿き続け、隙を見て洗ったりすると怒って暴れだす状態。見かねて私が仕事の合間に購入しても、サイズや好みが合わないなどでまったく問題が解決しないのを、ようやく一緒に外出することに成功した形だ。
まずは靴。息子は極端な甲高足で、ひもはイヤだのなんのとうるさい。しかし幸い今日はすぐにぴったりの靴を見つけた。ところがレジの方が、お会計の途中「失礼しました。中があまりに汚いのでお取替えします」と、売り場に走っていってしまった。二人は顔を見合わせた。「…あんたの足が汚いせいじゃないの…?」「…そうかも…」
なんせ、片足の親指付近は完全に地べたを歩いているというのだ。試着で汚してしまったのなら、むしろそれを買わせていただくのが筋だろう。が、よく中を見ると、息子が試着したのは右足だが、左のほうも同じように汚れていたので、一応新しいほうにしてもらったが。今度からはもっと気持ちよく買い物をしたい。穴が開く前に、買いに行こうよ、息子よ。ていうか、なんでそんなにすぐに穴があく?
そして問題のズボンだ。ただでさえ、子供服を買おうか大人服を買おうかと迷うお年頃。おまけに息子はちょっと変わった体型をしている。ウエストが恐ろしく細く、一方尻がかなり大きい。息子のウエストの紳士ものはなく、子供服の170センチなどでは尻が入らない。とはいえ、おばさん服というわけにもいかない! そのうえ、色、柄、素材、価格にものすごくこだわるので、一筋縄ではいかない。「でけー」「尻入らねー」「色イヤー」「ブランドが入っててイヤー」「たけー」
ブランド物しか着ない子などよりははるかにましかもしれないが、とにかくうるさい。幼稚園くらいの頃だったか、あの頃から本当にこだわりが強く、やはりくたびれたシャツが気になってスーパーに行ったのだが、ワゴンの中に、ちょっと変わった感じのTシャツを見つけ、勧めたことがあった。息子はたちまちそれを気に入り、なんとワゴンにある同じ柄のものをすべて集め始めた。「何やってんの」「これ、全部買って!」…とにかく、極端なのである。
「パジャマも買おうよ。外ではお気に入りのを着ても、部屋でくつろぐときや寝るときにはそういうのがいるでしょ」「いや、いらない。寝てると俺、汗かくし」「…だから、汗をパジャマに吸わせるの。でないと布団が汚れるでしょう?」「要らない」「……」
息子には、まったく常識が通用しないので、あたりまえのことをわからせるのが大変だ。…よく考えたら、この子の父親もまったく同じだった。お義母さんも苦労していたらしい。こりゃ一生モノかもしれない。
「あ」
ジョークトランクスコーナーの前で息子が立ち止まる。ほしいのでもあるのか?
「あせった~『ホコリをとらえてはなさない』かあ」
「なに?」折られてて全部は見えないが、フローリング床専用モップの広告みたいなトランクスがぶら下がっている。
「つい、『ロリをとらえてはなさない』って読んじゃったよ」
「終わってるなw」
「うん、終わってるんだ、オレ」
いかん、これ、親子の会話じゃない。
「あ」また、息子が何かを見て言う。「どうした?」「あそこにいる人だけど…」
レジに向かった男性をそっと指す息子。長い髪にバンダナ、リュック、Tシャツには「アキバ系」のプリントの、40くらいの男性。あのシャツ、前に見かけて買ってやろうかと思ったことがあるなあ。
「あの人、前にこの街に来たときも見かけたんだけど、あの日とまったく同じかっこうしている」息子は友達と、1週間くらい前にこのあたりに遊びに来ているのだ。
「ふうん。で、あんたもそのときと同じかっこうしてるってことはない?」
「あ」
図星だったようだ。
ようやくジャージ1本とズボン1本購入。息子のファッションセンスと、衛生観念がレベルアップしますように。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
今週のマイメロディは「(スタッフが)のんびりできたらイイナ!」だったようだが、手抜き総集編をやるにもキレと毒があってさすが。また、いずれおとらぬ名場面集。わかっているのに裸サンタクロースで吹いてしまった。クルミ・ヌイの可愛さは犯罪。
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