おねがいマイメロディ~グッズを使えたらイイナ~
「プールバック買ってほしいんだけど」小学生の娘が言う。前に買い与えたものは、取っ手が破けてしまったらしい。しかし「でもママが勝手に選んだらクロミさまになるからイヤ」
先日、娘と買い物に行ったときのこと。私は吸い込まれるようにサンリオショップに入り、クロミグッズを眺めた。最近は、クロミのレディース時代のクロミーズ5までグッズ化されて、サンリオも大異変だ。キティやマイメロが誕生した頃のサンリオショップも記憶しているが、アニメオリジナルの、しかもこんな過激なデザインと性格のキャラクターがサンリオショップに並ぶなんて、考えられない。ちょうどその時、クロミのプールバックが、早くも値下げされて並んでいた。「あんた、プールバック壊れてきたって言ってたね♪これは渡りに舟」と私が言うと「そんなのは恥ずかしくてイヤ」とか言ったのだ。
ついこの間まで、(私が好きでないというのに)ディズニーやサンリオなどのキャラクターものをほしがったり、ピンクのフリルがついたものじゃないと着ないとか言ったりしていたのに、娘は最近、無印良品とかユニクロとか、すっかりシンプル好きになってしまった。フリルやレースがはやっているのに、「そんなギャルっぽいものは着ない!」と見向きもしない。まあ、子供向けの化粧品が出回る昨今、娼婦のようなデザインの子供服や、華美なブランド服を好まれるよりは、無地やチェックの、トラッドなものを子どもが好むのは良いことなのだけど。
しかし。自分もキャラクター物やファンシー物は好まないというのに、キングダムハーツやマイメロ効果により、ちょっと変わってきた。「ねえ、お兄ちゃん、どう思う~?ママがクロミのバックをうちに押し付けたがるんよ」と、娘が言う。息子、話をすっかり聞いて目を潤ませた。
「…いいなあ…クロミさまのプールバックなら、俺も使いたいよ…けど、使えないよ!畜生!うらやましい!」と熱く、羨望のまなざしを向けながら、私の横にぴったりつく。「そうだよ、私だって使えるものなら使いたいよ。いいなあ~ああいうのが堂々と使えるマリン(仮名)って。いいなあ~」「いいなあ~ いいなあ~」
二人してうるうると「いいなあ~」を連発する恐ろしさに、娘は蒼白。(こいつら、マジおかしい…)とか思っているのだろうな。「と、とにかくうちはシンプルなのがいいから!」と叫んで、近いうちに単身で出かけるキャンプの準備を始めてしまった。
娘の気持ちもわかるのだが、もったいないな、とも思う。ファンシーなものを身につけられるのは、娘だってあと数年だ。いくら携帯のストラップに、ファンシーなものをつけるのが珍しくない昨今と言っても、また、「おねがいマイメロディ」のクロミが、いろいろな既存の枠を超えたすごいキャラクターだといっても、おまけに私と息子の親子が、相当にいかれているオタクだといっても(泣)やはり、あのプールバックを堂々と持てるのは、我が家では娘だけだ。ゴスロリで、ファンシー。キュートで、セクシーで、それでいてせつない。アニメの卓越した出来に感動し、続々登場するクロミグッズに大うけしたり、サンリオの心意気に感服したりしながら、それに報いたいと思うのに、いざこれを買い、身に着けるのは…自分は良くても、周囲に恐怖を与えるだろう。せめて、自分もアニメは楽しんでいる娘が使ってくれればよいのだけれど。うまくいかないものだ。
まあ、私は「化粧惑星」のおまけのクロミやバクグッズを、「女に生まれてよかったわ」とゲットしてこっそり愛用しているわけだが。
不登校息子は、「N・H・Kにようこそ」を楽しみにしながら、絶対に妹の前では鑑賞しないと心に決めているらしい。おかげで私も見られない…。で、息子が「N・H・Kにようこそ」DVDのネガティブパックに「引きこもり星人」なりきり全身タイツがおまけにつくと知って、「ほしい!着たい!みんなで着て『踊る赤ちゃん星人』を踊り狂いたい!!!!!!!!」と興奮している。
N・H・Kにようこそ! ネガティブパック<オリジナル無修正版> 第1巻 販売元:角川エンタテインメント |
さて、クロミちゃんグッズをぶらさげながら街を歩くのと、引きこもり星人のコスプレをして踊り狂うのと、どっちがまともなのだろうか。
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