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2006年8月21日 (月)

N・H・Kにようこそ~第7回親子鑑賞会~

さわやかな月曜の朝。娘も朝練に出るので早起きし、よし、今日は気持ちよく家族で朝を過ごせるぞと息子を起こしに部屋の前に行った。まさに声をかけようとしたその時。玄関の鍵が開き、息子が入ってきた。

「うわ、びびったーーーー」

それは、こっちのせりふだ。息子、また「朝のお散歩」に行ったらしく、朝は良いなあ、などとご機嫌。しかし、早起きで出かけるのならともかく、昨日昼ごろ起きて徹夜して、朝放浪するのは微妙にさわやかな青少年の行動ではないぞ。

娘が部活に出かけたとたん、息子が「よぉーし、NHKにようこそ見ようぜ~~」と準備をし始めた息子。そんなに妹に見せたくないか。いろいろ自分の痛い部分を突かれるからかな。

今日の内容は、まるで先週、私が抱いた素朴な疑問に答えるかのような内容。佐藤の母親は、一応息子の東京生活に見切りをつけ、いっそ手元において就職させようとしていたらしく、上京を機に、そういう話をしようと電話してきたのだ。

佐藤は、見栄っ張りだ。

中身が伴わないのにプライドだけは高く、頭も悪くないが、問題解決能力に欠けるところがある。無気力や幻聴など、放っておくと危険な兆候があるのだから、ここは親などの元で、周囲に目をかけてもらったほうが良いと思うのだが、どうやら故郷は佐藤の最後の砦らしい。今、こんな悲惨な状況だって、田舎じゃあ「東京でがんばっている佐藤クン」でいられる。おめおめと家に帰り、親の助けで仕事に就くくらいなら死んだほうがマシ、とでも思っているのだろう。でも、今の佐藤クンって、馬鹿にしている田舎のどの仕事のひとつも、きっと満足にこなせないんじゃないかと思う。小さな商社だろうが、町工場だろうが、菓子屋の売り子だろうが。今ならまだ若さでカバーできるけど。

息子を案ずる親を 撃退 安心させるため、会社を興し、結婚を考えている彼女を捏造する佐藤。典型的なラブコメ的展開。こんな可愛い子が自ら「私が彼女役やったげる」と押しかけ、デートをし、腕を組む(ぷにゅ)なんておいしい展開、あるわけないだろ!wと、甘さを突っ込みつつ、次回へ。

この番組を見始めたとき、息子がエンディングの「踊る赤ちゃん人間」にものすごく感動していたのが印象に残った。大槻ケンジなんて、私の世代のミュージシャンだと思っていたのだが、息子は「踊るダメ人間か!ピーターパン症候群よりひでえ、赤ちゃん人間かwww大槻ケンジやっぱすげえ」と大いに受けた。息子、「踊るダメ人間」知っていたのか。「ピーターパン症候群」なんてのも、20年位前の流行語的なものだと私は思っていたのだが、ダメ中学生の息子が口にするとは。この大槻ケンジ氏を起用するあたり、このアニメ、さすがに「引きこもり」世代をしっかり鷲掴みするつくりだ。
「引きこもり世代」というのは、まさに下は息子、上は私の世代なのだ。

最近、息子はこれを見ながらも、うっかりブログに書かれちゃかなわんとばかり、不用意な発言を避けている。が、それなりに同じように佐藤や山崎、一番年の近い岬ちゃんの心理を分析し、自分に投影しながらいろいろ考えてるんじゃないかなあと、期待している。

今日書いた佐藤像は、どこか「私」自身だ。

Music 踊る赤ちゃん人間

アーティスト:大槻ケンヂと橘高文彦,小泉豊
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2006/07/20
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