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2006年9月 6日 (水)

さすがはテレプシコーラ~まさかの最終回延期~

「最終回が延びるなんて、そんなことあるわけ?」

先月号で「次号第一部最終回」と予告された「テレプシコーラ」(山岸凉子著)が、なんとまさに最終話のはずの連載最後で最終回の延期を発表。冒頭は、テレプシコーラを読んでいない息子の言葉だ。

「さあ、聞いたことは無い。が、山岸先生ならあっても驚いちゃいけない気がするww」と、私は答えた。

作者がたっぷり伏線を敷き、大風呂敷を広げたところで打ち切りが決まったとか、作者が連載をやめたがっているのに終わらせてもらえないとか、さらに無理やり連載をやめちゃったとか、やりたいのかやりたくないのかわからないのに真っ白に近い原稿が連載されてるとか…素人の私でもいろんな話を聞くが、「次号、最終回!」と銘打って、その号で「やっぱ来月」というのは、珍しいと思う。雑誌というのは、一人の著者の自由にどうとでもなるものではないのだから。

が、山岸凉子なら、そんな常識も軽く越えてしまいそうな気が、なんとなくしていた。代表作のひとつである「日出処天子」のラストがああで、その続編で真の終わりである「馬屋子媛子」が途中で終了、別の雑誌の目玉としてああいう形で登場してしまったというすご技をやってしまったお人だから…素人の想像だが、なんとなく「いろいろな出版の決まりや、タブーでさえ乗り越えさせてしまうほど、心酔した編集者とかファンがいるんだろうな」と思った。「鬼」では、食人描写をものすごく嫌うコミック界でも、何のお咎めもないし、本来漫画雑誌ではない「ダ・ヴィンチ」誌に連載されていると知ったときも、おそらく「お好きにどうぞ」状態だったのではないかと思う。 彼女の同世代の少女漫画家には大家が多いが、とくにこの人は「格が違う」感がある。

さて、過酷なバレエの道に苦しむ少女たちの物語もいよいよ終盤。ひとみちゃんもやはり、千花ちゃんと同じ死の淵を見つめていたことがわかる。才能があるのに、誰よりも努力しているのに舞台の中央に立てない少女たち。脚光をあびる舞姫の影で、どれだけの人が、努力だけでは報われない現実に涙したのか。千花ちゃんが先に逝ってしまったために、かろうじてこの世にとどまったひとみちゃんだが、これからいい人生を見つけられますように。

六花ちゃんは、大きく羽ばたこうとしている。いつも何かと頼り、甘えてきたしっかりものの千花ちゃんを失い、またいつも気丈で厳しく、完璧だったお母さんをも支え、表現者としてしっかりと道を見据え始めたようだ。あの茜ちゃんに一矢報いたのもすごい!

来月まで、「あの曲」を聴きながら待とうか。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

41年ぶりの親王様ご誕生。めでたいことだがあえて、テレプシコーラ最終回延期を私的トップニュースに。

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