舌ったらずでごめんなさい~日本ふるさと沈没~
食事時にローカルニュースを見ていたら、「話題のアンソロジー」というコーナーがあった。「アンソロジー??」不登校息子と二人、つい吹き出す。が、私は一応「まったくもう。あんたの想像しているようなのばかりがアンソロジーじゃないんだからね」と言った。実際、息子のイメージするのとは違う、文芸系のアンソロジー本が次々と紹介された。その中で唯一、コミックアンソロジーで紹介されたのが「日本ふるさと沈没」だ。
日本ふるさと沈没 著者:鶴田 謙二 他 |
もちろん、この本は発売してすぐに購入。あの名作がイヤなかたちでよみがえる!豪華執筆陣による、漫画家自らの故郷・所在地沈没記。私も、吾妻ひでおさん、あさりよしとおさん、トニーたけざきさん等々好みの作家さんが大勢参加して思い思いにわが国土を沈めているので「豪華だわ~」と喜んでいるが、果たして世間一般的に、この執筆陣が豪華なのかはわからない。正直、それなりのマニア以外の方には「知ってる漫画家が一人も居ない」恐れがある。でも、いわゆる同人系アンソロとかよりは、こういうところで紹介されるのにふさわしいだろう。系統は、意外とあんまり変わらないのだけど。
「おお、『日本ふる沈』が紹介されたわね」私はさりげなく言った。息子は目と口を、ありえないほど大きく開けて、はあああ?とこちらを向いた。
「……ちょw…その略し方、ありえないから」
「どうして?『日本ふるさと沈没』、略して『日本ふる沈』、きわめてごく普通の略し方だと思うけど」私はまた、きわめて開放的にその言葉を発した。
「いや、それ、『ブラックジャック』を、『ブラジャ』って略すくらい、イヤだから」
そういえば、そんなことを言ったこともあったわね。日本語は正しく、といいたい年頃ではあるが、私はタ行とサ行とラ行そのほかの発音が苦手で、「ふるさとちんぼつ」が言いにくい。「にほんふるちん」なら言いやすいのだ。ブラックジャックを略したのは、単に子どもに受けそうだったからだ。ついでに、大病院のあちこちの病棟で苦悩する若き医者の某漫画を、「ブラックジャックによろめく」といい間違えたりもする。間違えるにもほどがあるが。
親が常に子どもの規範であるよう振る舞い、未熟な子どもを抑えることは必要なことだが、そればかりでもいけない。どこかで、子どもに「自分は親を超えてしまった」「むしろ、これからは親を守り、導かなくてはならない」などと思うようにさせることが、自立への道だろう。正直、あれほど荒れ、暴れていた息子も、こんな感じの会話をしていると、暴れる気が失せてきたようだ。真剣に、進学を考え、よりよい就職を目指さないと、まずいだろう、この親!
という、育児法である。
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