また新しい障害の疑いがもててしまった~カツオ君にはなれない私たち~
今日の「サザエさん」でこんなシーンがあった。カツオと同じくらいの男の子を連れて、ちょっと気取ったお母さんがいう。「うちの子、一番好きなことは勉強ざますの」それをうけてカツオ、「はあ、それはお医者にかかったほうがいいですね」
カツオくん、さらっと、「勉強しかできない」子の人格を完全否定!w
昔から、私は自分と正反対のタイプのカツオが苦手だった。親が「結局はああいう子が出世して大物になるのよ」とベタほめしたのがさらに劣等感を育てた。
私は世渡りがうまくない。適当にさぼって、口八丁でのりきる技なんか持ってない。ガリ勉ではないが、しいて言えば勉強は大好きだった。幼稚園のころから友達と外で遊ぶよりも百科事典を眺めたり、虫を観察するほうが好きだったし、授業やテストは好きだが、休み時間や給食の時間は苦痛だった。周りの子どもたちが、自分と同じ生物とは思えなかった。まるで話や興味の対象が合わないし、周りもそうだったことだろう。いじめにも遭ったし、一生懸命グループに溶け込もうと神経を使ったこともあったが、結局、休み時間には国語辞書でも読んでいるほうがよほど楽しいと思えた。努力としての勉強は、したことがない。辞書をすみずみまで読むのは純粋におもしろかったし、新学年にあがった時には、教科書を1日で読んでしまい、ほとんど頭に入った。努力と言うなら、少しでも他の人と話題を共有するよう、歌番組などを見たり、苦手だった体育や家庭科にすべてを注いだりしたのだが、まったく成果に現れず、いわゆる5教科だけ異常に成績のよい私に、学校の先生方や同級生たちは「勉強ばかりでほかの教科や人間関係をおろそかにし、見下しているいやなやつ」というレッテルを貼った。
公然と、学校全体から人格を否定されたのだ。
当時人気だった熱血先生のドラマでも、「勉強が本当に好きな子どもなんて、いないんです!」というようなせりふがあったような記憶があり、その時もつらかった。
勉強が大好きな子だっている!
どんなにがんばっても、勉強しかできない子だって、生きている!
外に出たらスポーツ??はあ?せっかく山の中にハイキングに来て、なんでみんなでボール遊びをしなくちゃいけないんだ!動植物や昆虫や、地質や、菌糸や、気象なんかを調べるほうが有意義じゃないかって、私だけか??なんだよ、「は~あ、山の中まで来てお勉強?優等生は違うわねプゲラ」って目で見るなあ!別に受験のためなんかじゃない、いい子ぶってるんでもない、一番「おもしろい」からやりたいの!ボール遊びなんか、校庭でやればいいじゃ(トラウマスイッチONにつき、以下省略)
しかしまあ、そういう子が「お医者にかかったほうがいい」というのは、ある意味真実だった。カツオに言われたくは無いが。アスペルガー症候群などの高機能障害を持つ子には、たしかにそういう傾向もある。小さい時から文字を覚えるのが早く、駅の名前や円周率を記憶したり、難しい数学や物理を理解するので、「神童」扱いされるが、博士にはなれても、大臣は難しい。まして営業マンとか、「普通」の仕事ほど難しいだろう。「この子は頭がいい、天才だ、勉強好きだ」と喜び、自慢する前に、一応自閉症を疑い、診断してもらって適切な育児をしたほうがよい。
私は、親が実にのんびりしていて、天才だなどとうかれもしなかったが、娘が異常だとも思わず、あるがままにした。おかげで私もいまや「一見普通」に見えるように演じられるようになったが、全然根本的な解決になってない。こんなにがんばって「普通」になったつもりでも、今も周囲から異常扱い。異常くらいならまだしも、とうとう「悪意を持って会社に害悪をもたらそうとする極悪人」呼ばわりされた。自分としては、こんなに一生懸命やってる人間もほかにないだろうというくらい、真剣に、大好きな会社に貢献しようと思っているくらいなのだが、それがまったく伝わらない人もいる。私にそこまで妄想を抱き、苦しんでいる人には、まことに申し訳なく思うが、そういう私を「理解できない人」が、まさしく「健常者」と呼ばれ、大多数なら、私や息子、アスペを含む自閉傾向の人間には、生きる場所が無いではないか。
今、私を追い詰める人と、その人のお気に入りタイプは、私には「カツオ」君タイプに見える。実に要領がいい。手際よく商談をまとめるが、電話を切ると平気で相手の悪口だ。こつこつ研究なんかはしない。が、上手に人から情報を得る。自分でできないなあ、と思ったら、ほいほい他人に頼る。でも愛嬌があるから、かえって愛される。本当に、自分より年が上でも、かわいい。力になりたい、という魅力がある。私だって、それを見習いたいのだが、やはりキャラクターが違うのだろう。人の陰口(まして仕事でお世話になる方の!?)なんて絶対に、ネットでさえ言えないし、無知無能であるからと、人に頼れない。自分で勉強しなくてはと思いつめる。で、必死で見習った結果が、これだ。いっそ、子どものころから自分がアスペ(もちろん当時はそんな概念さえなかったので、親の不見識はしかたがないと思うが)で、学究や芸術の場くらいしか使い道がないと、自分も周囲もわかっていれば、今頃「学問馬鹿」と嗤われてても、居場所くらいあったものを。
永遠に、私はカツオ君にはなれない。
でも、自分にそっくりな息子が苦しんでいるから、少しでも道を切り開こうと無駄を承知でがんばっている。
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息子が常日頃訴えていたことが記事に。
中学生の約1割に見られ、不登校の原因にもなっている「起立性調節障害」の診療指針を日本小児心身医学会が作成した。
同障害は思春期特有の自律神経失調症で、朝は立ちくらみや頭痛で起きられないが、午後には回復することから「怠け病」ととられることも多い。
学会では「身体疾患であることを教師や親に正しく理解してもらうきっかけになれば」としている。
指針の作成にあたった田中英高・大阪医大助教授によると、起立性調節障害の子供は優等生タイプが多く、親らの要求に応えすぎてストレスをためやすい。ストレスが自律神経の働きを鈍らせ、特に立ち上がった時に脳や身体への血流が低下して「朝起きられない」「脈拍が速くなる」などの症状が現れ、約4割に不登校が見られるという。
(読売新聞) - 9月7日14時49分更新
私も、息子がまさに朝起きられず、めまいや腹痛、頭痛などを訴えるのに午後には元気に遊びに出るのを甘え?病気?と悩んでいたが、そういうものもあるのか。ていうか、もう、病名つけられたもん勝ち?
今、自分に「病名」がはっきりつけられたほうが救いになるのか、考え中。でも、「自閉」とか「アスペ」とかって、理解できない人にとっては「首にする」理由にしかならないんじゃ?
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コメント
記憶力が良かったり、数学出来ても、別に天才とも思わねーわwwwwwww
投稿: 匿名 | 2015年2月 7日 (土) 11時54分
ええそうですよ、昔はそれで天才などと祀り上げられたけど、現代では障害を疑われる…そういう話を書いてます。
投稿: 闇鍋奉行 | 2015年2月 9日 (月) 00時14分