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2006年10月 7日 (土)

米澤氏の告別式に参列してきました~伝説を見た~

息子を伴い、古い友人(あちらもご子息連れ)とともに麻布山善福寺へ。「混むと大変だから」と早めに行動していたら、13時半からの予定なのに13時前に到着。

いきなり迎えてくれたのがモロー氏の漫画。また片側にはずらり、米澤氏の写真パネルを抱えた人が並んでいて、ギャラリー状態。…涙が出てきた。

さすが世界一人ごみを捌くといわれるコミックマーケットの主催者の葬儀というべきか、すでに訪れた人々は手際よく捌かれ、いきなり焼香台へ。えええええっ…と、数珠を出す間もなかった。壇上並び脇には本当に多くの方の名札が。コミックマーケット代表であり、漫画評論家であり、幅広い活動をされた方の親交の広さがうかがえた。…あまりに手際よく「お帰りはこちらです」と誘導され、見る余裕も無かったが…

13時にはお寺を出ることになり、あっけにとられた私たち。せっかくだから、麻布十番や六本木ヒルズを観光。友人とは麻布十番でよく仕事をした仲であり、図らずも子供たちに私たちの青春めぐりをさせることになった。

14時半頃、様子が気になり再び善福寺へ。もう、出棺を待つ人が列をなし、ちょうど霊柩車が寺に到着した。出棺を見送ることにしようと、15時からの出棺を待った。昨夜の嵐が去り、台風一過のような澄み切った青空、日差しは予想以上にきつかったが、かなり多くの人が参道を埋めていた。

会場の様子は見えなかったが、上のほうで棺が運び出されたのだな、と、上のほうにいる人たちがいっせいに合掌したので察し、合掌。氏を悼み、重い空気が流れる。が、そこで大音量で流れた音楽。

♪オ~レ~ オ~レ~~~~~♪♪

って、マツケンサンバ??????????

一瞬、どよめきと爆笑。

異例続きの出棺であった。

拍手はしょっちゅう起こるし、爆笑する。おそらく喪主である奥様のご挨拶であろうが、ここでも笑いをとるし、普通10分以上熱く語るだろうか。遠くてほとんど聞き取れなかったのだが、奥様は本当に熱く熱く、故人を語ったのだ。

私はご夫妻と少しだけお話させていただいたことがあるのだが、うらやましいくらい仲のよい、素敵なご夫婦だった。今回のご逝去、発病して間もない別れに、どれだけ心を痛めておられるだろうかと思うのだが、それでも気丈に喪主を務められ、場を湿らせることなく、通常はありえない表現だが「多くの参加者でにぎやかに執り行われ」「盛大に見送られた」としかいいようのない告別式を、見事に演出された。参列者は、皆同じ思いであったに違いない。

「米澤さんらしいお葬式だった」

出棺のクラクションが鳴り(荘厳)、またマツケンサンバが流れ(爆笑)私たち参列者は、静かに進む霊柩車と、ご親族の乗られるマイクロバス2台を見送った。「ありがとう!」「よねや~~~~~ん!」「おつかれさま!」「よねやん萌え~~~~!」「冬コミには帰ってこいよーーーーーーーーー!」などと口々に叫び、拍手と歓声と泣き笑いで、このひとつの文化を創り出し、守り、まだまだこれからというときに逝かざるを得なかった偉人を見送ったのである。

☆  ☆  ☆

参列者の会話を拾ったのだが、焼香に1時間半待ちということもあったらしい。一体どれだけの人が訪れたのだろう。こちらのお寺はかなり大きな名刹であるが、それでも本当に狭く感じられてしまった。また、コミックマーケットというと偏見を持たれがちだが、どの方も皆、痛い行動をとれば(それが報道でもされれば)米澤氏の恥と心得、世界一お行儀の良い群集として、きわめて常識的に振舞おうとしていた。そのうえで「ありえないよねw」とは言いながらも、故人の御遺志を汲み、最後の最後、お祭りのように氏を絶賛、華やかに見送ったのだ。ついでに霊柩車が去った後、スタッフの方が「これにて撤収!反省会を始めまーす!」でまた爆笑と拍手。「あ~パイプ椅子片付けなくちゃw」などと冗談を言い合い、また世界一有能な混雑対策スタッフに誘導されながら帰途についたのである。

しかし、ご近所の方々も、大きな葬儀は見慣れていても、こんな葬儀は何事かと思われただろうな…(苦笑)

友人の息子さんは宗教大好き少年で、今日は終始お数珠を持っており、親族などで多くのお葬式を見慣れていたが「数珠持ったまま拍手したのは初めてです」と笑っていた。うちの不登校暴力息子も、出棺待ちのあまりの長さに倒れそうになっていたが、それでも「伝説を見た。来てよかった」と、感動していた。

参列者はコミケ初期~黎明期世代中心。子供連れの参列者も少なくなかったが、米澤氏がどれだけすごい仕事をされたか、語り継げる若い世代を育てることに、ちょっと貢献しちゃったかも…と思えた。

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