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2006年10月24日 (火)

テレビで話題の「礼法」教育小学校~ご近所の意外な評判~

先日平成某という教育バラエティを見ていると、「礼法」を取り入れたとある私立小学校を取り上げていた。

正しいふすまの開け方、正しいお座布団の座り方、お茶やお菓子の正しい勧め方…小学生が、実に美しい所作で、完璧なお作法を演じており、これには我が家の不登校息子や自称腐女子娘も感動。私も、ああ、こんなお行儀の良い子たちの10分の1でも、うちの子たちがしっかりしてくれないかしらと思いながら、いやその前に私だってこんなに美しく玄関で靴を脱いであがれるものかしらと反省しながら、番組を楽しんだ。

今日、その小学校の近くにお住まいの奥様方とお話しする機会があり、「大変すばらしい学校があるのですね」と、話題を振ってみた。

とんッでもないッ」と、奥様B。「あそこは最悪の学校よ!」と奥様A。お2人のあまりの剣幕に、私は驚いた。

奥様方いわく、たしかに、その小学校には礼法教育があり、近所でも有名なのだ。座布団の敷き方、勧め方、座り方、お茶の勧め方いただき方、さらにはフランス料理のフルコースを、完璧なマナーでいただく…という教育をしている。実にすばらしい。

が、ここの児童たちとバスに乗り合わせたりすると、大変なのだそうだ。騒ぐ、ふざける、一体どうやったらここまでたがが外れるのかというくらい、大暴れする。「危ないからちゃんと座ってなさい!」と、奥様Bも注意したことがあったり、見知らぬ乗客同士も「やれやれ」「困ったもので」と話がはずんでしまうこともしばしば。運転手さんも相当辟易している様子だが、あまり強く注意できない。ここはさらに上の学部があるようだが、全部、評判が悪いという。

「オーケストラを呼んで子どもに聴かせる、ということもしているんだけど、あんまり騒ぐんで、指揮者が怒って帰ったこともあるのよ」「アンコールなんて、ありえない。とにかく聴いちゃいないんだから」「あの生意気な口をつねってやりたい!と何度思ったことか」

念のため、この奥様方は日ごろ「近隣の子どもたちのために」と、いろいろ活動されている方々で、時には厳しく、しかしいつも慈愛に満ちたまなざしで多くの子どもたちに接している。こんなに怒り、「最低だ」とまで子どもをののしるなど、想像もつかなかった。

「あそこは、基本的な生活教育ができていないの」

う~ん、たしかに、完璧にふすまを開けられるのにバスで騒いでは。
お座布団に完璧に座れるのに、演奏会を台無しにするのでは。

もちろん、すべての子がおかしいわけではないと信じたい。テレビでお手本を演じた子たちは、実に賢そうで、美しいふるまいを見せてくれていた。学校にもいろんな子がいるのだと…

うちの息子も、時折はっとするほど賢いのに気づいたり、モラルが高いのに驚いたりするのだけれど、本当に「普通」のことがまったくできない。たとえばきちんと食事を摂るとか、決められた時間を守るとか、清潔にするとか… いわゆる発達障害なのかと悩む日々だが、「普通のしつけ」が難しいと苦しんでいるのは、私だけではないのだろうか。

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