成長する娘・孤立する息子~磯野家とは逆の我が家~
歌は世につれ世は歌につれ。アニメサザエさんも、長い放映期間の間に、ずいぶん様変わりしてきた。放送当初は、「いたずらをするタラちゃんを物置に閉じ込めてお仕置き」なんていう、今は考えられないようなエピソードも普通にあったようだが、タラちゃんはすっかり良い子の典型になってしまったし、明治男風だった波平さんもすっかり現代風甘いおじじになってしまった。今日の放送では「声が変わった頃からか、ワカメちゃんの性格変わったかも?」なんて思った。いや、声優さんはもともと子供の声の巧みな人。「あのワカメちゃん」の2代目を演じるという大変な役割を担っているだけなので、責任はない。
昔のワカメちゃん(アニメ)は、年の割りに分別があって、破天荒な兄・カツオのブレーキ役も担っていたように思う。ある意味面白みのない優等生だった。しかしこのところ、原作に近い幼女の無邪気さをもってきたように思う。今日の放送では、父に可愛いイルカさんのネクタイを勧め、「あたしのセンスって素敵でしょ」と自慢げなワカメにふりまわされる大人たちを描いていた。一緒に見ていたうちの娘は「このワカメは痛い!」とあきれていたが、何、娘もちょっと前まではこんなものだったさw そして、サザエやカツオには厳しくても、幼く無邪気なワカメにはちょっと弱い波平。ほのぼのとしたファミリードラマだ。
が一方で、娘と同じように「この娘を甘やかすな~!」などと思ってしまう私もいる。愛娘の意見をむげにしてもいけないが、姉のサザエなり、母のフネなり兄のカツオなりが、それとなく「そのネクタイは子供っぽくてお父さんには恥ずかしいよ」と教えてやらないと、怖い。このままワカメが増長して大人になったら、子供にとんでもなくカワイイ名前をつける母親になりそうだ。参考サイト
「コンブとか?w」と娘。「いや、海産物系はむしろこの家では普通。李図夢(りずむ)とか歩穂羅(ぽぽら)とか、わけわかんない名前つけたら怖いねw」
以下妄想~~~~~~
一児の母となったワカメ。かわいい女の子の誕生に磯野家、フグタ家は大喜びで、子供の名前を考える。
波平「ワカメの子だからコンブだろう」
フネ「いやですよ、お父さん。そんなの流行りませんよ。海草つながりなら、テングサが一番でしょう」
フネは、なんだかんだいいながら「みのもんた」や「あるある」をチェックしていた。
「そんなの、女の子らしくないわよ!」サザエが強く反対した。
「アワビちゃんなんかどうかしら。高級な感じだし、ねェあなた」サザエは、マスオをちらりと見た。
マスオは、サザエに遠慮がちに「いやあ、磯のアワビの片思いっていうしねぇ、女の子としては、良縁に恵まれてほしいし、女の子らしいといえばイガイちゃんなんか…」なぜか顔を赤らめるマスオ。
「ウニちゃんはどうだろう。シンプルで、かわいいと思うけど」最近、花沢さんとの間に「ミノカサゴちゃん」をもうけたカツオが叫ぶ。この華やかで個性的な名前に、何か後悔するところがあるようだ。
「ノリちゃんがいいですぅ~」タラちゃんが無邪気に言った。タラちゃん、永遠の3歳児か。
「もう、みんな、海の生き物ばっかりなんだから~」
当のワカメが憮然とした。
「私、うちの家族が海に関係する名前なのは大好きなんだけど、お寿司屋さんのお品書きみたいなのはイヤなの。可愛くないし。だから、海にこだわりながら、う~んと素敵な名前をつけたのよ!
海の月、と書いてみづき。海月ちゃん、かわいいでしょう!」
「みづきちゃんかあ、ロマンティックね!」とサザエ。「さすがはワカメちゃんだね」とマスオ。
波平が、さらさらと毛筆で「命名 海月」と書き、赤ちゃんとワカメを中心に一族で記念撮影。
このハッピーな展開に、一億視聴者は突っ込んだ。
くらげちゃん、お誕生おめでとう!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
不登校息子はこのところリズムが崩れっぱなし。昼夜逆転と言ってもおかしくない。今日は一緒に買物と映画に行こうね、と声をかけていたのだが、起きられない。仕方なく娘とショッピング。娘はここぞとばかりにおねだり攻撃し、ことごとく勝利を収めた。この娘、実に計算高い。一応私も対抗してああだこうだというのだが、それを上回るトークができるように、娘が育っている。
こういうタイプが「勝ち組」になるのだろう。
「勉強したくない~~」とか言いながら、英語検定や漢字検定などに意欲満々。友人たちとの情報交換で、着々と将来を見据えているようだ。
そうしてほしい。ずっと、父、母、兄のダメっぷりに巻き込まれてきた唯一まともな(自称腐だけど)娘だ。
幼稚園の頃、パパの事をお友達に聞かれて固まってしまった。
悲惨な家庭の状況に、泣きながら110番をかけた。
結局、父を完全に見捨て、母と兄とは仲が良いながらも、祖父母の家に籍を置くことによって距離を置いた娘。
10歳前後でも、ちゃんと生きる力を持っている娘に、私はせいぜい暖かい冬服を買ったり、検定の受験料を払うことしかできないけど、まだ、そのために働いていくことに喜びを感じる。
一方息子だが。
てっきり夕方にでも起きて出かけているかと思いきや、最近彼の周辺にも変化があるようだ。
「最近、俺には電話をかけてくれる遊び相手がいない」
不登校組でなんとなくつるんでいるようだったが、最近はおそらく「受験で忙しくて」お誘いがないらしい。
「ネトゲで超忙しい」なんていう息子とは、縁を切ったほうが、たしかにみんなのためであろう。
はあ、12月か。私の仕事も忙しいが、息子は本当に、ネットゲームなんかしている場合ではないはずだ。
ずっと、私立校、公立校、通信制高校、見学しようよ、と声をかけた。
進学できなければ、働いて家賃入れてね、ともずーっと言ってきた。
でも、何も変わらない。
息子をいじめて追い出した子らどころか、一緒に不登校の苦しみを味わってきた子らからも
見捨てられたのか、うちの息子。
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