紅白OZMAはNHKの陰謀?~ハイビジョンコーナーに人だかり~
昨年の紅白は、小林幸子によるセフィロス最終形態も面白かったが、なんといってもDJ OZMAによる過激パフォーマンスが話題を独占した感がある。
今日、家電量販店に立ち寄った。今、華やかなのは大型テレビコーナーだ。2011年の地上デジタル時代を前に、液晶だ、プラズマだ、ハイビジョンだと各社自慢の超大型テレビがずらりと並び、美しい映像を流している。
毛の一本まで、蘭の花弁の細胞のきらめきまでくっきり映す画面だ。人気のSFX映画や、海の生き物たち、南国の花々や生き物に最新人気テレビゲームなど、使われる映像はさまざま。ところが、今日その店で流していた映像に、なぜか人だかりができている。
問題の、紅白のあのシーンであった。
のりのりの音楽とともに全裸を模したボディスーツをまとった女性ダンサーが乱舞し、OZMAが歌う。飛ぶ。脱ぐ。
これは貴重な。
と、人々は思ったのだろうか。何せ、話題騒然だが番組の視聴率は低かった。その後の海外での放映では、『都合により映像をお見せすることができません』のテロップとともに、美しい海の映像が流されたそうだ(こちら)。つまり、こんなに騒がれているのに意外とそのシーンを見られた人は少なく、悶々と想像したり、「いっそ録画しとけばおもしろかった」と思ったり、と妙に人々の興味を引く画像なのだ。
それが、大邸宅にしか似合わない豪華大画面で、くっきり、鮮やかに映し出されている。
うちの25型ブラウン管では一瞬「ええっ…えええぇっ? まさか裸?」という感じに見え、思わず近寄って目を凝らした。しかしそうしたところでブラウン管は決して細かに映してはくれない。他の、いかにも描いてます、というダンサーを見て、やっと「作り物ね、そりゃそうね」とわかるシロモノだった。
ところが、この大画面では、ボディスーツのしわは愚か、布の風合いまで鮮やかに映し出す。もしもわが国の全ご家庭でこれで紅白を見ていれば、年頃の子のいる家庭が凍りついたり、慌ててお父さんがチャンネルを変えたり、お年寄りが入れ歯を飛ばすことも無かったであろう。
最後の股間きのこもくっきり鮮やかに見えるので、結局NHKに抗議するのは変わらないだろうが。
それにしても、これほど「古いテレビ」と「新しいテレビ」の違いを見せ付けられる画像があろうとは。
「これを機にお買い替えを」「ハイビジョン放送を」と、お店と、家電業界と、NHKが耳元で囁く。
OZMAの出番が終わると、人々は散っていった。美しい画像より、キワモノか。
かつては今上天皇のご成婚がテレビを普及させたという。平成の時代、この画像があちこちの家電屋で流されたら「やっぱり違うもんだねえ」「あら、こんなんだったのね」「こんなの見間違えるなんてwテレビ局に抗議したのってブラウン管使ってるウチじゃないのwww」と、一挙に大型液晶やプラズマが普及することになるかもしれない。
…んなこたーない。
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