おかしいのは目か脳か~眼科で、美人実験を敢行してみました
仕事をしていたら、急に目の前にキラキラ光る物体が現れた。せいぜい6ミリくらいだったそれは、徐々に大きくなり、20分ほどで12センチくらいのものになった。最初はキラキラしているだけだったが、膨れると輪郭だけが違和感があるものになる。SFXで描く透明人間のような…ゲーム「キングダムハーツ」の序盤、ターザンのステージのボスキャラのような感じだ。
ただし、動くわけではなく形は固定で、どんどん広がっている。前が見えないわけではないが、怖いので慌てて近所の眼科に行かせて欲しいと頼み、飛び込んだ。
実は、この不思議なものは1年ほど前から何度か見ている。前の時もやはり就業中で、同じように飛び込んだのだ。そのときは大きく膨れるのでなく、ずっと同じものが見えているという感じだったのだが。
で、いろいろ調べてもらったが、前回同様今回も「異常なし」。20年くらい飛蚊症らしい症状に悩んでいるのだがそれも発見できず、視力も原始人なみに良好だという。私もうっかりしていて、どっちの目が異常なのかを確認してなかった。片方の目がおかしかったら目の異常。両方おかしかったら脳の異常だということで、「次はどっちの目がおかしいのか確認して、あるいは脳外科にかかること」を薦められた。
脳かも。しかし、私のようなアニメやマンガやテレビゲームが大好きで、活字中毒でもある人間にとって、原因が脳だろうが目だろうが、視覚に異常、または視覚が失われるかもしれないというのは恐怖だ。診察料も検査も痛いが、慎重でありたい。
さて、その検査方法なのだが、眼圧とか視力とかを調べた後、必要となれば眼底を医師に診てもらうようだ。そのためには瞳孔をぱっちり開ける必要があって、薬品を目に注ぎ、30分かけて瞳孔を最大まで開けるのだ。
この目薬を差されていつも思い出すのはやはり「アルカサル~王城」の1シーンだ。
主人公のカスティリア王、ドン・ペドロが毒を盛られる。ベラドンナという猛毒で、服用すると激しい幻覚に襲われ、死に至る。作品中の解説では、これを目に入れると瞳孔が開き、ぱっちり目の美人になれると、その方面での利用もあったらしい。
その成分についての説明は無かったが、最初にその目薬を差されるとき「瞳孔を開く薬??てもしや」と私は勝手にそのくだりを思い出し、はるか中世に、危険と知りながらベラドンナに手を出した、もーちょっとで美人!な女性たちに思いを馳せ、ちょっとワクワクしながらその処置を受けたのである。(今も、瞳孔を開く薬品として利用されているらしいので、私も実際ベラドンナを使われたかも)
…美女への道は険しい。
最初の時は初夏か盛夏で、さんさんと太陽が照っていた日。日陰でも「うわあ」というくらいまぶしく、ひなたの横断歩道など、日傘差してても光線が痛くてとても目を開けてはいられない。目をつぶって横断なんて、良い子はまねしちゃいけません。室内でも、あまりの光線量に目がかすみ、営業トークもくらくらしがち。と言っても、社内ワークやろうとしたって、目がかすんで文字も読めないのだから、いっそ、外に出て歩いたほうが仕事としてはまし…。
陽光まぶしいスペインで、これを昼間に使う女性もいなかっただろうな、と実感。夜だけ美女であればいい…ということだろう。今日は冬で、しかも曇天だったが、それでも明るいところはちょっと辛いくらいだ。
で、私も今日は「瞳孔が開くと、本当に美人?」と、鏡を覗く心の余裕もできた。
鏡の中の私は、そりゃあ顔の造形こそ変わらないが、たしかに黒目がぱっちりくっきりし、ハイライトもきらきらつやつやとしていた。いつも「何を考えているのかわからない」と言われる三白眼が、たしかにいつもよりは「可愛い」などと錯覚できるくらい。
人間、光の増減だけでなく、関心のあるものを見ると瞳孔が開くと、昔「知られざる世界」という科学番組でやっていた。たとえば女性は赤ちゃんなど、可愛いものを見ると瞳孔が開き、男性はセクシーなグラビアを見ると開く。逆に言えば、瞳孔が開いていれば、相手は「自分に関心や好意を持たれている」と感じ、好感を持つのだ。よっしゃあ!今日は後先考えず、瞳孔全開で、男性クライアントに会うどー!
結果……偶然かもしれないけれど、いつもつれない男性方が、気持ち積極的に雑談してくれ、こちらが下がろうとすると、なんとなく名残惜しそう。契約に至るほどでは無いのだけど、好感触でよかったぁ!
しかし、本当に光が痛いくらいつらいので、瞳孔ぱっちり作戦はかなり厳しい。今は黒目を大きく見せるコンタクトも出ているので、こちらのほうが安全でしょうね。
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