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2007年2月 6日 (火)

眠らない少女~ダ・ヴィンチでテレプシコーラ特集

「ヴィリ」目当てにダ・ヴィンチを読んだ。おお、表紙にでかでかと「テレプシコーラ」大特集とある。熊川哲也、上野水香など豪華ゲストがテレプシコーラを語る!山岸センセが裏側を語る!はあ。重いのに、ついつい購入してしまった。

「大」と銘打つのは伊達ではない、濃い内容だった。各界の著名人がそれぞれに熱く、作品を語るのには、うんうんとうなずきながら、この感動を共有する喜びに震えた。そして著者インタビュー! 千花ちゃんがああいう結果になったのは、当初の予定外だったとは。著者の想像以上に良い子になってしまった、と言うことらしいが、それもまたすごい。

読者が身近に、まるで実際に存在しているかのように感じたのと同じように、著者の心の中でも千花ちゃんは自分で動き始めたのだ。

また興味深いのが「事件の後、千花ちゃんが眠る顔は描かれていない」というくだりだ。

事件、というのはくるみ割り人形の舞台で足を痛めたときのことだろうか。気づいてはいなかったが、たしかに彼女はベッドにいるシーンが多いのにも関わらず、安眠している様子はなかったかもしれない。早く治して踊りたい、と希望に目を輝かせていたり、バレエも学校も後れをとるまいとひたすら努力していたり。そして徐々にあせったり、六花ちゃんたちをうらやんだり。「あいつ」に闘志を燃やしたり、自暴自棄になりながら布団をかぶってしまったり…だ。

六花ちゃんも千花ちゃんも、足のトラブルは、日常生活を送るうえでは問題ないのに、バレエの世界では命を絶たれたのも同然のことになる。ほんのちょっとの紙ふぶきが、彼女から安らかな寝顔を奪ったと思うと痛々しい。

そしてビルから飛んだあとも、千花ちゃんは眠ることなく、踊り続けている。

永遠に、彼女は眠れないのだろうか。

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