アルカサル~王城~少女マンガの怪奇現象を確認!
プリンセス・ゴールドであの「アルカサル~王城」完結編<前編>一挙100P掲載。
未読の方もいるだろうし、内容について感想をいくらもいいたいのだけど
うわあああああああああああああああ
くらいにしておこう。はあ、しばらく黒い服を着たい…。覚悟はしてたのに。
しかし、ここでちょっと和んだというか、注目すべき見所発見。
オスナ伯爵は、主人公ドン・ペドロの宿敵の一人、アラゴン王の名宰相・カブレラの息子である。
戦闘状態に、時には和平交渉にと、ドン・ペドロとカブレラとの間には多くの関わりがあり、敵対しながらも互いに尊敬しあう部分もあったらしい。ちなみに、カブレラはヒゲでデブのおっさんだ。
ストーリーが進むにつれ、カブレラの息子・オスナ伯爵が使節として登場し始める。黒髪おかっぱの、二重あごの男だ。父よりもちょっとおっとりとしていてどこか頼りなげな男として描かれていた。
オスナ伯がドン・ペドロの捕虜になっているとき、父・カブレラが失脚。エンリケの謀略によってアラゴン王に命を奪われたのだ。エンリケは、ドン・ペドロの宿敵中の宿敵の異母兄である。
敵の敵は味方。かつてのロドリゲスがそうであったように、オスナ伯は父の敵であるエンリケとアラゴン王を見限り、ドン・ペドロに忠誠を誓い、
「美形キャラ化」の恩恵を受けた。
幽閉疲れで痩せた、ということではあるが、はっきり言って別人だ。「あるある大事典」でも、ここまではしないんじゃないかというくらい、別人だ!だが、
これが少女マンガというものである。
戦車がピンクで花をしょって登場する世界、それが青池ワールド。エンリケだって、史料ではヒゲのおっさんなのが、「主人公の生涯の宿敵」の恩恵で超美形! 先に書いたロドリゲスも、どちらかと言えば敵として登場したのが、ドン・ペドロに忠誠を誓うことになってから「長髪の美形」化。この完結編でも登場したのだが、初登場の頃よりも麗しい。あれから何年たってるんだ!
私は単行本未収録分は未読なのだが、いろいろあったらしく、オスナ伯爵は今、エンリケに仕えているらしい。そうなると、こうだ。
リバウンドですかーーーーーーー!
(再び肥満)とかっこづきで注釈されているのが笑える。少女マンガの世界で、ドン・ペドロの恩恵を適当に失ったものに、「美形」はありえないのだ。ドン・ペドロの忠臣として美形で散るか、父カブレラのように狡猾に太って生きるか。
この一コマだけでも「これぞ青池ワールド!」と堪能できた。
著作権の侵害が心配で、あまり漫画をスキャンするのはどうかとためらっていたのだけど、これは現物を出さないと…と、資料として引用させていただいた。上からそれぞれ、秋田書店「アルカサル~王城」9巻25ページ、12巻114ページ(あら126pのほうが超絶美形だったわ)からの引用。
アルカサル、本当の完結編は6月。ここからが、本当の完結なのだろう。こ…ここからが…歴史モノは、本当に大変だ。
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