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2007年2月 9日 (金)

硝子を割る少年~まだまだ息子はこんなですわ~

不登校息子のミュージックプレイヤーが壊れたそうだ。「やべ、本当にダメかも」息子は、あせっている。

一方私は、あーやれやれ、くらいに思っている。息子に、この手のひらに納まるようでいて、相当量の音楽が再生できるプレイヤーを買ってやったのを、今は後悔しているからだ。

私自身、ソニーの「ウォークマン」世代だが、当時も「コミュニケーション断絶だ」「難聴のもとだ」と非難が絶えなかった。友人も、これを使いすぎて難聴になったし、コミュニケーションが不得手なアスペルガーっぽい自分にも、街の中でさえヘッドフォンをはずさないのは失礼なことだろうと思った。

息子は、これを買ってやって以来、ほとんどヘッドフォンをはずさない毎日だ。

夜、寝るときもだ。むしろ、本人に言わせると、「音楽を聴かないと眠れない。怖い夢を見る」と、眠るときほどヘッドフォンをはずさず、にぎやかなアニメソングをかけていた。ひどいときは、明け方、本人は意識してなかったというが、アニメソングを大声で歌っていた。おかげで私は目を覚まし、慌ててとめに入ったし、近所にもこの異様な歌声が響いたと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいである。私は眠れないし、仕事にも差し支える。それは、家庭の崩壊、ひいては破滅を意味するので、ミュージックプレイヤーについては通学を条件になどといって買い与えたのを後悔、いっそのことなくなってしまえ!くらいの気分だ。息子も娘も進学と言う、何かと物入りのときだし。「それは自分でなんとかして」私に言えることはそれだけだ。

すると息子は、手当たり次第にそこらの壊れそうなモノを、まだ割れていて、修理も出来ない(いや、しない!まだまだ割られそうだもの!)窓ガラスに投げつけ、割りまくった。ああ、私の朝のコーヒー用のマグカップ…キャンディーボトル…買ったばかりの小皿… どれも、無残に砕け散り、ざっくりと誰かの足を裂こうとばかり、広がった。

人にモノを頼んで断られたからといって、その態度は何だ。

ヘボ営業の私なら、このくらいしたいことはいくらでもあるが(ええ、本当にひどい会社はいくらでもありますよ)、そうしてしまったら、いろいろ終わりだ。あたりまえだろう。お願いする立場の人間が暴力を振るうなんてもってのほかだ。またこれにしたがっては、日本は終わり。こうまでされては、いよいよ融資のお話はこれまでに。よそにあたってくださいね、としか、言いようが無い。それが世の中と言うものだ。

しかし息子はよそにいくこともなく、ひたすら私をなじり続ける。あ~時間の無駄だ。だって、私には、一度は買ってあげたものの、根本的にミュージックプレイヤーって、あまり良いものではなさそうだもの。いつもいつも、息子がかけつづけて、会話もできやしないし、当然、朝起きるわけではない。朝、しゃかしゃか音楽が鳴るヘッドフォンをはずして、なんとかやってきた。普通に、目覚ましで起きろよ!

さて、まだまだ息子はこんなんだ。

私に出来ることって、あとどれくらいあるだろうか。

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