同級生女装計画~不登校息子の憂鬱~
「コスプレ衣装の作り方を教えて欲しいんだけど」
母親と言うものすべてが、料理や裁縫に長けているという幻想は、いい加減廃れたと思っていたのだが。自慢ではないが、私は子供の幼稚園バッグをひとつ作るのに、ミシン針を3本折った女である。それでもまあ、なんだかんだで子ども二人の通園・通学手提げや、上履き入れ、ランチョンマットなど、それなりに作り、そこそこできるようにもなったのだが、コスプレ衣装とは大変だ。そんなものが作れるくらいなら、君は「コスプレイヤーの息子」になっていただろう。
「コスプレするの?」と聞くと、「いや、俺じゃない。Qに、女装させたくて」Q君は、息子の不登校仲間だ。かわいらしい顔立ちで、坊主頭にしても女の子と間違われるほどだという。
「朝比奈みくるみたいなのでも着せる気か」と聞くと「そうだ」という。
私は冗談で言ったつもりだが。
しかし、Q君はたしか、息子よりも重症の不登校で、最近はほぼ引きこもっていると聞いた。そういう子に、みくるちゃんの衣装などを着せるというのはいかがなものか。場合によってはいじめである。もしも、それで元気になって登校するように…なんていうすごいストーリーが展開したとしても、それはそれで怖い。何かを目覚めさせてしまうかもしれないのだし。
とりあえず、中学で家庭科をやっておけば今は男子でもお裁縫のイロハを習うはずだし、基礎なら教えてやってもよいが、と言ったが、するとふにゃ~~~ん、と息子は興味を失った。私に作らせるつもりだったのか?
そういえば去年の今頃だったか、不登校組がアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンディングのダンスを練習していたはずだが、こちらはいつ披露されるのだろう。
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