声優さんをどう呼ぶ?~息子とちょっと議論~
親子で声優やアニメーターの話をする人って、今どれだけいるんだろう。
相変わらず息子はアイドルよりも声優が好きで、何かにつけてその話をする。しかし、私は少し気になるのだ。まだほんの子どもの息子が「千和が」「三石が」「若本が」などと言うのが。
「子どもの癖に生意気に。呼び捨てはやめなさいよ」と言うが、息子に言わせれば、アニメのスタッフやキャスターを、知り合いでもないのに「さん」付けするほうがよほど痛い、という。
たしかに、私くらいの世代はそれが特徴で、漫画家には「先生」、アニメスタッフには「さん」をつけてしまうのが癖。2ちゃんねるなどを見ると若い人はそれをものすごく嫌がるようだ。そういうものか。「声優だって芸能人だよ。芸能人を呼び捨てしても、普通じゃない?」なるほど。
ところで、私は以前、勤め先で「うちの夫、いい年してガンダムが好きなのよ~」とお嘆きの若い奥様に出会ったことがある。「あら、私も好きよ。30代の人なら、多いんじゃないかしら」と言うと、この可愛い奥様、じっと私を見てこう言った。
「ねえ、ガンダムに出てくる女性の名前、言ってみて?」
「え…?セイラさんとか、マチルダさんとか?」
「やっぱり……」
可愛い奥様は、美しく手入れされた眉をひそめた。「うちのもね、『さん』つけるの」
「…ああ、ミライさんとかね。それでいて、フラウ・ボウはフラウ・ボウなのよね」「そうそう!」彼女の夫は、まったく同じだという。
その話を息子にすると「俺もおんなじだ…」と、雷に打たれたような顔をして感動していた。「視聴者はアムロそのものだからな」「そうだね、アムロ視点で見てるから、呼び名もアムロと同じように言ってしまう。たとえ、セイラの倍くらいの年になっても「セイラさん」は「セイラさん」。身に染み付いてしまっている。
還暦を迎える頃でも「ミライさんがさあ…」とか平気で語っていそうで怖い。
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