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2007年3月13日 (火)

ひとりぼっちの卒業式~その1~

三田寛子さんの、ロリコン男からひとりだちしようとする少女の気持ちをつづった、あの名曲ではない。

今日は息子の卒業式。案の定、不登校息子は布団から出ることは無く、私は一人、卒業式に出席した。正直、仕事はとても忙しく休んでる間もないのに、息子の晴れ舞台の無い式に出るのは本当に苦痛。名前を呼ばれても声は無く、空しい。

ふと隣の在校生席を見ると、「おお、Sくんだ」と気づいた。Sくんは、幼稚園の頃、息子のひとつ下の子で、よく娘と遊んでくれたのだ。

ひとめで、発達の遅れがあるとわかる子だった。よちよちの娘に興味を持ち、何かとかまってきた。先生が慌てて飛んできて、「気をつけてください。何をするかわからない子なので…」でもまあ、うちの息子もどっこいどっこいだ。息子はまだしゃべれたのでぎりぎり健常というレベル。あまりむげにするよりは仲よく遊んでもらったほうがいいだろう、と私も気をつけながら何日か過ごした。

しかし、あるとき、娘と意思が通じない、何かを拒否されたことに腹をたてて、Sくんは娘に殴りかかってしまった。慌てて飛んでくる先生方や他のお母さんたち。泣き出す娘。幼いながらも口だけはものすごく達者だった娘は「あの子がいるから幼稚園に(おにいちゃんのおむかえに)いかない!」とか言い出すし。

たぶん、Sくんは娘を可愛いお人形のように思ってたんだろうけど、結構弁は立つし、意思をはっきり表現できる。たぶんそれが、気に障ったのだろう。気のせいか、それからしばらくSくんの姿を見かけなくなってしまった。小学校で、介助の先生に付き添われ、運動会などの行事に参加してるのを見たけれど。

そのS君も、他の子よりちょっとだけ落ち着きが無いとはいうものの、今日は介助もなくちゃんといかめしい卒業式に出席している。何度も練習したのだろう、一同礼のところではちゃんとできてるし、歌も歌ってる。退屈な来賓のお話にも、ちゃんと座っている。

なのにうちの子ときたら…(つД`)

S君とうちの不登校息子は、意外と差は無いと思う。言葉が遅れていたか、むしろ進んで一見賢そうに見えたかくらいだ。S君はきちんと周囲の理解と保護を受け、適切な指導を受けて、ここまできた。息子はそうでなかったから、ここにこられなかったのか…

同じように赤ちゃんや幼稚園の頃から知っている子がほとんどなのに、息子の姿がない卒業式。みんな立派になって、と他のお母さん方と同じように感動し、涙も浮かべた。大変良い式であった。

義務教育なので、出席日数が足りなかろうが、明らかに学業その他を受けていなかろうが、息子は本日を持って卒業する。

同時に、このブログでの「不登校息子」名称も卒業しなくてはならない。

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