不登校って携帯買うのも大変です!
進学を機に、息子に携帯を買ってやろうと街中に呼び出した私。さすがに息子も喜んで出てきた。
それにしても、世の中携帯電話屋さんだらけ。50メートルくらいのところに3軒あったりして大変だ。私など、子供との連絡用にと5年くらい前に0円で購入したのをまだ使っているのであまりこういうところを覗くことも気にすることも無かったが、見て回るのはそれなりに楽しかった。
息子も最初は「0円で、何でもいい」と言っていたが、見本を見たり、手に取ったりしていくと好みがわかってくる。薄いのよりも、重厚なの。開けた時、ガチャ!とかっこいい音がする方が良い、といい始める。そこでほれ込んでしまった機種が、ドコモのN902iX HIGH-SPEEDだ。あとで調べてみたのだが、この機種、発売当時は4万円もして、そのメカニックぽいデザインから「ガンダム携帯」の異名をとっていたそうだ。さすが。
「これください」と店員さんに声をかける。「新規ですか。身分証明書は、お持ちですか」あらかじめ息子には保険証を持ってくるように言ってあった。が、「保険証だけでは…他にお持ちではありませんか」
金融機関もそうだが、携帯電話も本人確認がものすごく厳しくなっている。私の名義で追加するのならまだ良いのだが、できれば運転免許証かパスポート、それがなければ保険証以外にもうひとつ、クレジットカード、公共料金の払い込み票(本人名義)が必要になるという。未成年はほとんどダメだろう。
「学生証は?」「ねえよ」
そう、息子は不登校生活がたたり、年度初めの学生証の撮影日を欠席したため、2年生の頃から学生証無しの生活なのである。中学生料金で映画を見ることも出来ない。
「となると、あとは住民票しか…」店員さん、ないないづくしの我々を、鼻で笑うように案内してくれた。今回は私の名義にして…ということも考えたが(若者割引が無くてもタダ同然価格だし)、なんとなくイヤな気分になり「じゃあ今回はいいです」と、店を後にした。
息子はまだ、今中学に籍を置いているし、一応春から通う場所もある。しかし、本当に引きこもりになっちゃったりしたら、自分を証明することもできない。銀行に口座を持つことも、携帯を持つことも。いや、私だって今はパスポートも失効しているし、運転免許もない。事実上私が払っていたとしても、公共料金の名義は夫のものだ。
これからの時代、自分であることを証明するのが大変だ……
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