ひとりぼっちの卒業式~その2~
だめな男に惚れると、あとで痛い目に遭う。
息子、何かというとしんどい、いたい、きもちわるい、と布団をかぶる。
見てるはずは無いのに、パパ(行方不明)そっくり。口調やポーズまで、そのまんまだ。
さて大切な卒業式をなんのかんのと布団をかぶってキャンセルした息子。「私が出席して、証書を受け取りましょうか…」と担任に相談したが「いや、あくまでも本人に手渡ししたいと思います」と言われた。カウンセラーの先生にも「これを受け取らないと卒業できないし、新しい学校にも行けないよ!て、言ってください」と。
一応これは親の務めと卒業式に出たし、急いで帰ってたたき起こし、お昼を食べさせ、「先生、今日待ってるから」と学校に急がせた。「やっぱ制服かなあ~~」とかいいながら、最後の中学制服を着る息子。
ほぼ不登校、出ても私が出勤してだいぶ立ってからという息子の、この姿を見るのは久しい。しかも最後だ。「写真撮ろう」と声をかけたが、拒否された。「命を吸い取られる」という。
やっぱり教えてないんだけど…私もパパも、このくらいの年頃の頃、そういってカメラを避けてきたのだ。ああ、親の因果が子に報い!
私は出勤。夜帰ってきて聞いてみた。「どうだった?」
「俺一人の卒業式をしてもらった…」えええええええええええ。
校長室で先生方に囲まれ、校歌を歌い、祝辞を受け、証書などを受け取ったそうだ。なんと贅沢な。
「何、その超VIP待遇」「うん、ちょっと普通できないような体験だった」「よかったね」
歌えるとは思わなかったのに、校歌が歌えた、と本人は感激していた。ただ、歌いだしのキーとかタイミングが合わなかったとか先生方がキー合ってなくて驚いたとか、どうでもいいようなことにこだわりまくるのだけど。
「でも俺、すげえ。『ひとり卒業式』やっちゃったよ」
前にも書いたが、息子は一人上手。普通やらないひとり遊びをすることに要らない情熱を注いでいる。「まだまだ。本気のひとり卒業式は、祝辞も送辞も答辞も一人でやるんだよ」と言うと、なんだか笑っていたけれど。
あと残った息子の希望は、バレンタインやクリスマスのディズニーシーをおひとりさまでお泊り(ミラコスタ)遊びをすることだ。
じゃない、新たな学校で、活路を拓くことである。
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