アルガス、雪の砦で堕つ!~全裸で~
アルガスは、FFTの中でも最も印象的なキャラクターである。
彼は、大貴族と呼ばれる家の出である。が、50年戦争の際、祖父が大変信用を落とす振る舞いをして死んだとかで、権威は失墜、彼はプライドだけは人一倍高く、お家再興への意欲に凝り固まって成長したようだ。
上昇志向はよろしい。気概もあってよろしい。また、言っていることもそう間違ってはいない。
が、祖父の失敗もなるほどとも思える人格だ。「家畜に神はいない」という名せりふに表れるように、目の前にいる人を人とも思わないような、相手を貶めることで自分を優位に立たせようとするような、そんな性格である。正直、敵は多いだろう。
さて、そんな彼がボスキャラとして前に立ちはだかった。非道なことに、平民出でありながら主人公ラムザと一緒に育てられ、家族同様であるディリータの目の前で、たった一人の妹・ティータを射殺して。
これは、ディリータにアルガスを倒させてあげるべきであろう。
というわけで、一度は地烈斬に巻き込んで倒しちゃったディリータだが、他のナイトや黒魔道士を片付けた後、アレイズかけて復活させ、ゴーレムも呼んで全面サポート。がんばれ、ディリータ!
が、よく見るとアルガス、いい装備を持っているではないか。そこで盗むモンクのアネットちゃんが、二人のバトルを邪魔しない程度に、少しずついただいていくことにした。まずは鎧から。続いて兜、盾、武器…順調に盗んでいく。おお、残るは「パワーリスト」のみ。全裸にリストのアルガスを、高みの見物としゃれこむラムザご一行。美人召喚士のヒルダさんにいたっては、アイテムを探しながら火薬庫の上から見物している。
さて、パワーリストもいただいた。完璧、全裸のアルガス。あとはアネットがギルを盗みながらディリータが戦うだけだ。3人、同じところをくるくる回りながら同じ作業を繰り返している。
さて、ここで困ったことが起きた。アルガスはダメージを受けると勝手にポーションを使うという「オートポーション」をセットしている。こういうリアクションアビリティは、そのキャラクターのBRAVE値に依存する。能力値の高いラムザなどはほぼ毎回「リジェネーター」とかを発生させるのだが。
なぜかアルガス、一緒に戦っているときはそれほどでもなかったのだが、敵として出てきたときにはいっちょまえにナイトに転職、いろいろアビリティを覚えているのに、BRAVEが33と、極端に低くなっている。
思うのだが、口だけはたいそうであるが、彼は本来小心者で虚栄心が強く、実はこのとき、一応は面識も有る美少女を殺害して、ラムザやディリータを前に、内心びくびくしているのではないか。弱き心ゆえの、暴言ではないのか。
というような考察はともかく、もしも「おどす」を使いまくればすぐにチキン状態になるような臆病者のアルガス、それほど「オートポーション」は気にするほどでもないと思ったのだが、もともとほとんどレベルも上がらず、初期装備で放置していたようなディリータだ。全裸のアルガスを斬っても、斬っても、ようやく瀕死に追い込むところで回復されてしまう。
盗むモンクアネットは考えた。もう、何千ギルも盗んだわ。このままあたしだけが成長しても仕方が無いし、少しくらい支援してもいいわよね。
もう十分戦ったディリータ。止めだけを刺させればよいではないか。アネットは、アルガスが瀕死になるように、波動撃をかけた。
で、
なんでそこでクリティカルするんだああああああ。
アルガスは、倒れた。雪のジークデン砦に。全裸で。
家畜に神はいないのか。平民には、妹の敵を討つことさえできないというのか。
最愛の妹のなきがらを抱えながら炎に消えたディリータは、きっと、野心の炎を胸にともしたことだろう。そうそう、ここで本懐を遂げちゃだめなのよ、ここで辛酸をなめて立ち上がり、英雄王を目指すのよ、と急に脳内ストーリーをめぐらせる。
それにしても、アルガス、たっぷりお金を持っていたなあ。ディリータからは当然だけど盗めなかった。本気でお金が無かったか、けっこうがっちりしていたか。後の英雄王の伝説に、ぜひ書き加えたい情報である。
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