夕食でイメージプレイ~オタクな子どもに嫌いなものを食べさせる法~
このところ、猛烈に忙しいいぃぃぃ。
もはや安い食材を手間隙かけて…なんて言ってられず、出来合いの惣菜や持ち帰り寿司なんかを使うこともしばしば。そんなときに買った、恐らくあまったひき肉でも使ったであろう、お肉屋さんの「焼くだけ」手作り生ハンバーグ。安いし、「ハンバーグ食べたい」という息子に今手作りしてやることが困難な状況なので、迷わず買い、今日それを焼いた。
今日の夕食は、ママじゃない人の手作りハンバーグと、にんじんのグラッセ、ほうれん草とブナピーのソテー…これは、肉を焼いた油で同時に仕上げる。そして、実のところ今日のメインと言えるのは、こんなに忙しくなってなんとか子供の好物を確保できるように…とあらかじめ買っておいた、冷凍皮付きフライドポテトである。
なに、このファミレスみたいなメニュー。
しかし、息子はたちまちその真意を理解した。「……う…俺、食欲無いんだけど…」「黙って早くお食べ」時刻は「何でも鑑定団」を過ぎ、「報道ステーション」の時間に突入。渋谷でおきた凄惨な事故、新宿で起きた事故を語りながら、食事は進む。「なんかイタトマの専務が痛いこと言ったらしいね」「とりあえず平身低頭のユニマットは、同情できるね」などとたあいない話をして。
私は順調に食事を終え、入浴の準備に取り掛かる。息子は大好物であろう「付け合せのフライドポテト」だけを残し、嫌いなキノコもほうれん草もしっかり食べている。そしてそわそわする息子の背後から、
「これ、お下げしますね♪」
と、アニメ声で手を出した。
「やめてえええぇぇぇぇぇ!」
息子、渾身の絶叫。
真・豪血寺一族の、謎のBGMの1シーンだ。
いかにも幸薄そうな独身女が、毎日通うレストラン。頼むのはハンバーグ定食だが、本当に彼女が食べたいのは、付け合せのフライドポテト。それをいとおしげに最後の楽しみにとっておいたのに、店員がかわいらしい声で
「これ、お下げしますね♪」と皿を下げる。「やめてええぇぇぇ」
山崎ハコか中島みゆきかという70年代暗い女のフォークソング調で、この小さなシアワセを奪った店員に「一生恨みます」と歌い上げる。この歌に、息子はほれ込んでいるのだ。
「あ~良かった。俺ずっと、待ってたんだぜ」
ほう、待ったか。さぞポテトに肉汁やソースがしみてうまかろう。
まあ、いつも絶対残すような緑黄色野菜やブナピーも残さず食べて、私はご機嫌だ。
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