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2007年6月11日 (月)

らきすた萌えドリルのおもひで

いずれの御時にか。じゃないけど、少なくとも息子が不登校大荒れの頃だったと思う。

毎日叱ったり、放置してみたり、話を聞いたり、要求を聞いたり、殴られてみたり。仕事もうまくいかず、プライドはボロボロ、何もかもイヤになりながら、それでも生きることをあきらめずにやっていたときのことだと思うのだが、小さな頃と同様に「今年はサンタさん、来てくれるかなあ。何を持ってきてくれるかなあ」と聞いてみた。

さすがに子どもらもいいかげんサンタさんのカラクリを理解しているが、そのときたしか不登校暴力息子はこう言ったのだ。「らき☆すた 萌えドリル」がほしい、と。

さあ。そんなのママ、わかんないわ。とにかくもう、息子の好きな漫画やアニメなんて、なるたるだのぱにぽにだの、なんだかどれも一見同じように思えて。え~と、あの「にょ」とか言うアニメとも違うのよね?でも、学校行かない、勉強もしない息子にとって、それが少しでも有意義なことになるなら、買わなくちゃ……

という状態で、ママは仕事の合間にそのゲームソフトを探して歩いたのだ。

量販店のゲーム売り場、スーパーのゲーム売り場…どこにも、それはなかった。昔はあちこちにあったゲームショップも、ほとんど潰れてしまっている。昔のように、ありとあらゆるゲームが売れた時代は終わってしまったのだろう。

町外れにあったちょっとマニアックなお店に寄る機会があり、探すとそこに、そのソフトはあった。しかも、通常版はないけれどなんかいろいろついている限定版が1本。迷わずそれを手にレジに行った。「これください」「かしこまりました」「あの…クリスマスプレゼントの包装とか、してもらえますか?」「かしこまりました。お呼びしますのでお待ちください」

私は、そのマニアックなお店をぷらぷらしながら待った。まあ、声優さんのCDって、こんなにあるのね、キャラソン、山のようにあるのね、娘の好きなアリプロって、これね…

で、ふと不安になった。お呼びしますって、「らき☆すた萌えドリルをお買い上げのお客様~」って呼ばれるのかしら。客観的に見て、そういうソフトを買う層には見えないだろう、私は。子どもに買うんですのよ、というような雰囲気ですまされるのか、「萌えドリル」が。

というような私の心を読んでか、店員さんは「お…お客様~ラッピングをお待ちのお客様~」と呼んでくれた。つまらな…いえ、ありがとう。

なんでそんな昔話をし始めたかと言うと、息子がこんなことを最近言い出したからだ。

「なあ。あんたが、昔買ってくれた『らき☆すた 萌えドリル』だけどさあ」
「あんたって言うな」
「最近ネットで、5万くらいで取引されているぜ」

ああ。アニメ化して、なんか監督交代なんてこともあったけど、オープニングソングが妙にネットで受けたこともあって、いろいろ見直されているか。限定版の、たしかDSカバーはすっかり垢にまみれた使用済みなんで商品価値なんかないだろうが、たしかにそれは今が旬なんだろうなあ。

息子は、流行先取りできてちょっと浮かれ気味。私はあのときの先行投資が、オークション価格でなく、息子の学力などで帰ってこないかと悶々。

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