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2007年7月 2日 (月)

風と木の詩一気読み~うちの息子はジルベール~

久々に休みが取れたので、「風と木の詩」を一気に読み返した。涙ボロボロ流す私を、娘が驚いて見ていた。

名作って、大人になってから、それも挫折を経験したり子どもを持ったりという人生経験を経てから読むと、子供の頃とは違う読み方や感動があるものだと思う。この「風と木の詩」も、大変衝撃的な、子どもに読ませるのには躊躇するような内容だが、私は中学くらいでこの作品に出会えたのを漫画の神様に感謝しているし、同じ年頃の娘にもさりげなく勧めている。年を経るごとに泣けるシーンが増えてくるとは当時予想できなかったけれど。

若い頃はジルベールとオーギュストの妖しい美しさと、それまで想像もしたことない背徳の愛に酔いまくっていた。1/4pageコーナーでも「アスラン編」の真っ只中、少年オーギュストがちらりと出ただけでお手紙殺到!と書いてあるので、恐らく当時の読者の多くが私同様真っ当な性格のアスラン、セルジュよりもジルベール、オーギュストにときめいていたのだと思う。

しかし、今私は児童性的虐待シーンは正視できず、青年貴族アスランと高級娼婦パイヴァの純愛や、セルジュのまっすぐな性格に感動し、涙をぼろぼろ流すことが多い大人になった。

ついでに……コレは前々から気になっていたのだけど、ジルベールの言動が、うちのアスペ息子にそっくりだ……

極度にわが道をゆき、気に入らないことは絶対にやらず、自分ルールで行動するところ。服装などにも強いこだわりがある一方、寒いときはあたたかく、というような常識的なことができずとても無頓着に見える。きれると何をしでかすかわからないし、他人とつきあうのが難しい。意外と能力がありそうだが、まともな生活ができないので永遠に「やればできる子」。バタをタイでふくシーンなど妙に息子と重なる。

ジルベールの人格形成は、複雑な家庭環境と、これまた複雑な性格の叔父(実は父)オーギュストによるものとして描かれているが、実は「アスペ親子にふりまわされる少年たちの物語」だったりして……( ゚д゚ )

昨日も息子は大暴れし、私も娘もあざだらけだが、これがジルベールのような美少年ではなく、すね毛の生えた、体だけは一人前に鍛えた男なので本当に困る。

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