上野でハモが安い……
サクラ大戦の帰りに、アメ横に寄ってみた。
何か珍しいものは無いのかしら……近所のスーパーも安くてよいのだけど、あまり毛色の変わったものが手に入らない。うちの予算で買えるものとなるといよいよ幅が狭いので、ちょっと出かけたらスーパーなどを覗くクセがあるのだ。
かといって、豚の鼻とか、かえるとか、活きすっぽんとか、アメ横センター地下の珍しい食材に手を出す勇気も無いのだけど…
しかし、その日はとある食材に目が向いた。
ハモ。
漢字で書くと鱧。ちょっと前まで「関西でしか売ってない」というイメージのあの魚が、あっちでもこっちでも激安で売られているではないか。それも丸ごと。
丸モノ好きな私。ついついあちこちの店を見比べ、ついに結構大きいのを3尾500円で売っているのを求めてしまった。最近何かと話題の中国人がやっているような店だったけどw
一応日本語は通じるようなので「これ、ハモ?」と聞くと「そう、ハモ」という。「捌いてくれますか?」と聞くと、身振り手振りで「ぶつぎり?3枚おろし?」と聞いてくる。日本では3枚におろして骨切りするしかないようなイメージだが、海外ではぶつ切りにするのか。ロンドンではウナギのぶつ切りを煮て煮凝りにしたのを、とある旅番組で大女優が口にして吐いていたっけ。外国の調理法もおもしろそうだが、何せ私もハモ初心者。自分で裂くのはやめて、とりあえず裂いて貰う事に。
さて、骨切りに挑戦。ったって、素人がうまくいくわけはない。この機会に包丁をしっかり研ぎ、細かく切り目を入れ始める。「意外と簡単じゃん♪」一口大に切り分け、昆布茶を溶かして沸かした鍋で湯がく。「氷水には晒さないほうがよい」らしいので、ボールに氷を入れ、その上に乗せて冷ましていくことにする。
う~ん、やっぱり素人の骨切りだわ。ふんわりと花開くはずが、やっぱり粗い。しかし味見すると…そこらのスーパーで売っている「湯引きハモ」より、ずっとずっとおいしい。骨もさほど気にならない。
重いと思ったら、肝の入っている部分をぶつ切りにして、頭以外のアラもちゃんと入れてくれていた。すごい分量だ。とても食べきれないので、アラは煮込んで煮凝りの材料にした。もちろん、湯引きの湯も捨てないあたりが庶民の私。
湯引きしたハモは、梅干を叩いてポン酢で伸ばしたものに大葉の刻んだのをあわせたので食べたり、冷やし中華のゴマだれに合わせてみた。贅沢だ。
しかし娘は、この独特の風味が気に入らないようだ。
「…なんか車の味がする……」
おまえは車を食べたことがあるのか、と兄にも突っ込まれていた。鯉の洗いなんかもこういう風味があるので私は気にならないどころか、これがクセになるのだけど……
以下、山岡士郎が「やれやれ、こんなものをありがたがっているようじゃ」「本当のハモをご覧に入れますよ」などと難癖つけてきそうな妄想にとらわれた…。
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