3歳児クンたちの非常識勝負!
「夏休みに、新しい友達の家に泊まりで遊びに行くから」
と、息子が話していた。外泊なんて、としぶる私にその友達の家は遠い、何度も往復すると交通費が大変だから、2泊でみんなで遊ぶんだ、という。そのうち私が猛烈に忙しくなって、とうとうその日が近づいた。泊まらせて貰うとなると、手土産が必要じゃないかと言うので、おとといは残った仕事を他の人に頼み、デパートに走ってようかんを買った。交通費も要るだろうと、5000円ばかし用意した。で、「先方にご挨拶するから電話番号教えて」と言った。すると「俺、そいつの自宅の電話番号シラネ」という。
「じゃあ、今日聞いて教えて。なんていう子?」と聞くと「え~と、鈴木なんたらかんたら…」「まあ、珍しい名前ね」「いや、それ名前じゃなくて」と、しどろもどろの息子。「まあとにかく今日昼までに聞いて、携帯にメールしてよ」と言うと「……てか俺、泊まるのやめようかなと、めんどくせーし」もともと息子は家以外のトイレも使えないくらい神経質で、到底よそさまのごやっかいになれそうなタイプではないのでそれも道理か、と一応思い、「じゃああさって、あれやってくれるのね」と言った。どうしても頼みたい用事なのだが、友達んちに泊まるから、と断られていたのだ。「いや、その日もそいつんちいくし」「交通費が大変なんじゃないの?」「いや…」「で、今日は泊まるの、帰るの?夕食の準備もあるからそんないいかげんなことじゃ困る」「あ~……夕飯はいいわ。俺食って買えるし」
で、私はため息ついて言った。
「これって、ママからお小遣い貰うための狂言?」
「ええっ…そんなこと、なんで」
「そう思われても、仕方が無いくらいのいいかげんさだよ」
一方、今日の会社の3歳児クン。倒れてから社内で簡単な作業を行うことになっている。猛暑の中、1人冷房の効いた部屋で行うその作業は、本当に簡単な新人向けの作業である。わが社には何人も職場体験の中学生が来るが、その子たちもその二つの仕事を行い、さらにもうひとつ仕事を行って、3時には学校に帰るのだ。
しかし、その簡単な仕事が何日たっても出来上がってこない。私も、別の担当者も何度も催促したのに改善されない。大体、仕事があまりに遅いので催促すると「忙しいんで」と逃げる人だ。忙しいって、他の人は皆、たくさん仕事をこなした上でその仕事をやってきたのだ。電話を受ける仕事もせず(というか、させられず)、外回りの仕事もせず(できず)、あの仕事もこの仕事もやれないのでやむなくこんな簡単な仕事だけを任されているのに、一体一日何をしているんだろうか…という状態になっているのに。
さすがに社長が直接、命令を下した。ようやく、1週間分の新聞の切抜きが提出された。こんなにヒマなのにこんなに新聞のスクラップ作業を溜め込むのは、前代未聞のことである。
もうひとつの仕事は、エクセルを使った簡単なお仕事だ。前に、手書きの表に書き込む作業をさせたときは、大事な元原稿に書き込んでしまい仕事を増やしていたが、「ワード、エクセルが使えないと、これからの社会に生きていけないです!」と自信満々に語ったという彼は、中学生の30倍くらいのスピードでようやくそれを仕上げ、持ってきたがチェックするとおかしい。間違いだらけで、昔のデータがそのまま残っていたりする。さすがにこれは残業してでもやり直せ、ということになり、忙しい、本当に忙しい総務の女性が彼の個室に行って指導と手伝いに行くことになった。
それから1時間後。別のスタッフが彼に伝達することがあるからと様子を見に行き、口をぽかんとあけて戻ってきた。
「いない」ええええええ????と、皆驚いた。彼は、ちょっと前に駅に定期を取りに行くとか何とか言って、出かけたという。総務の女性は「一応、本部に声かけて行って」と言い、「はい」と出て行ったというが、本部の我々は誰もその姿を見ていない。「じゃあ、kさんに尻拭いさせて出かけちゃったってこと?」……どんな事情があっても、このタイミングで席をはずせないと思う。また、そう思われないようにと「声をかけて」と助言したkさんの気遣いも空しく、彼はますます無能で嘘つきで怠け者、と思われることになった。
二人とも、世の中を舐めすぎだ。みんな、簡単にだませると思っているのだろう。周囲はわかった上で「こいつはなにいってもだめだな」と呆れているだけかもしれないのに。この調子で行けば、いずれ誰からも相手にされなくなってしまうだろう。
「言ってもわかる相手じゃないだろう、口答えするな、また殴られるぞ」と言われても、絶対に息子を叱るのは、そういう馬鹿者にしないためである。
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