むすめいじり
息子ばかりにかまっていてはいけない。私には、可愛い可愛い娘がいるのである。
先日、愛娘と街に出かけた。自称「腐女子」の娘は、「アニメイト」という店にやたらと行きたがる。
「アニメイト」とは、アニメグッズ専門店の老舗の域に入る店である。なんだかんだでこれだけ息が長く、全国展開ができてるあたり、よほど敏腕の社長と、熱血店長がいるのだろう、と言われる店だ。現実には感じの悪い店員さんが多いなあ……と私は思うのだが。
その日もちょこっと店に入ったものの、娘はそんなにお金を持っているわけでなくいし「さあ、早くお昼にしましょ」と私がたきつけた。
お昼ごはんはその店からちょいと離れた場所で、娘もお気に入りのランチを楽しんだが、娘は未練がましく「まだまだアニメイトに行きたいわ」と言う。少し粘れば、ママにおねだりできる!とふんでのことだろう。お会計を済ませ、娘が再び街に飛び出す。「絶対、アニメイト!」娘は口を尖らせ、すごい勢いで歩き始めた。
アニメイトとは反対の方向に。
以前にも書いたと思うが、娘は負の走光性を持つ、はっきり言って「方向音痴」である。しかし、ここまで鮮やかに間違えるとは……とその、響良牙にも似たすがすがしい方向音痴っぷりを楽しみながら、私は彼女の後を追った。「まったくもう。そんなにアニメイトがいいかしら。ほら、言ったでしょ、最近すごくおしゃれな雑貨屋さんができたって。おしゃれな女子中学生は、そういうところに行きましょうよ~」しかし娘はさらに口を尖らせ「あたし、そんなのに興味ない」と放ち、まさにすごい勢いで「おしゃれな雑貨屋さん」の方向に足を進める。笑いをこらえるのも大変である。
しばらくして、さすがに娘も気づいた。「ここ…どこ…?」「いやあ、もう、可愛いなああんたはw」「やーん><教えてよぉ~」教えるわけないじゃん!
☆ ☆ ☆
娘が、少年漫画雑誌の懸賞に応募しようとしていた。
「ねえ、○○係って、おんちゅうとかつけるの?」
私も昔その手の雑誌の懸賞はがきを仕分ける仕事をしたことがあるが、いきなり「係」の人もいれば、「係様」「係御中」もいる。たまに「係へ。」なんていう読者様もいらしてちょっとおもしろかった。
「まあ、御中が無難じゃないかな」と教えると、「「おんちゅうって、どう書くの?」と聞く。
「ウォンチュー!(want you!)」はやめてね」と、私は言った。いくら英語が得意な娘とはいえ、もはや都市伝説のようなことをやって欲しくない。娘の兄である、元不登校息子も続けた。
「にゃんちゅうも、やめろよ」にゃんちゅうとは、教育テレビでおなじみのキャラクターである。最近、ニコニコ動画あたりでも大人気だ。
娘はケタケタ笑いながら「で、『おん』ってどう書くの?」と聞いた。私は優しく答えた。
「『おみおつけ』の『お』と『み』と『お』よ」
><
ああ、娘、本当に可愛い。
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