前歯が折れました~こんな歯医者はイヤだ!のおもひで
前歯が折れた。会社に報告すると、また息子さんが~~~???と心配されてしまったが、全然関係ない。いくらなんでも歯が折れるほど殴られたら顔が腫れあがって出社できない。食事中に、もともと折れては修復していた歯が、取れてしまった、ということだ。
最初に折れたのが、息子の出産あとで、梨をかじったというただそれだけで…だったので、ある意味息子にカルシウムをとられたw(昔の人はそう考えたのだw)かもしれないが。
しかし猛烈に忙しく、ようやく8時までやっているという新しい歯医者さんを見つけて飛び込むこととなった。いやあ、新しい歯医者さんって、設備最新、説明も丁寧……だけど予算は天井知らずネ、って感じでいいですね。
さて私の前歯はかなりひどい状態で、正直営業職では致命的。かなり優先的に診てもらえた。患部に風を当てたりいろいろした先生「痛くないんですか?」「大丈夫です」「……神経、抜いたのかなァ。レントゲンで、調べましょう」
本来、このくらい歯が壊れていたら相当しみたり痛んだりで大変なのに私が飄々としているので不思議らしい。レントゲンを見ても「……おかしいですね…神経、生きてます……」と不思議がる先生。「鈍感、ということでしょうか」と私がつぶやくと「そうですね」と至極まじめに先生がつぶやく。
私は軽いジョークのつもりでいったんですが?
まあ、痛くないものはしょうがないので麻酔なしで治療・修復にかかってもらった。痛くないし、歯医者も嫌いではないけれど気がつくと胸の辺りで手をぎゅっと握り締めている。それなりに緊張するものなのだなあ。長い長い作業をされている間、ちょっと昔のことを思い出した。
それはバブル真っ只中のこと。私がいた会社は、都心の昔ながらのお店が税金対策でおばあちゃん名義で建てた小さな新築ビルに入った。1階には、そこの孫娘が歯科医院を開業するという。
開業して早速、おせわになってみた。若い娘さんで、……恐らく、あまり経験は積んでないのだと思った。何せ、口をあけて削るとかなんとかいう作業の最中、とても不安そうにこう叫ぶのだ。
「い、痛くないですか?痛くないですか?……キャー!……ああ…痛いですよね?」
そんなふうに聞かれましても……。ちゃんと処置してもらえているのなら、どんなにキンキンいやな音がしようと、ぐごごごという音と共にたんぱく質がこげるようなにおいがしてもなんとも思いませんよ。けど、なんでそんなに不安そうなんですか?
「あああーっ……イヤっ……い、痛くないですか、ほ、本当に痛くないですか、ああっ…あああ……んッ」
あのう、あなたにそういわれると不安になりますよ。私、生体解剖でもされているんですか???私が子どもなら、その言葉だけで泣き叫び、歯医者さん嫌いになりそうですよ。というか、今文章にしてみると、微妙にエロいですよ。
それでもちゃんと処置してくれてあーやれやれ。うがいをする私にお嬢さん先生「大丈夫でしたかー。…我慢強いんですねーー」
って、私がアメリカ人なら数億円は告訴でふんだくれそうではないか。
さすがに1年くらいしたらこの先生も落ち着いたが、十数年後訪れてみたら、なんとビルごと消えていた。どこへ行ったの、江戸のお店やさん……
とまあ、昔から私は大変我慢強い…あるいは痛覚に鈍感なところがある。これもアスペのせいなのかは知らないけど、よく「菱沼」などと呼ばれた。
3針縫った傷の周りは、ひじがまるまるありえない色に変色して、他に裸でなければ見えないところに同じような色のアザがあるのだけど、意外とあんまり痛みを感じない。痛み止めを断ってよかった。また、こういう性質の男性(祖父・父・兄弟・息子・孫)に囲まれる家系の女性が受け継いだ体質なのか??
私は、シアワセなのだろうか。
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