息子の夏祭り~あの3年間はなんだったのか~
夏祭り。10代にとって、こんなに甘美な誘惑も無いが、親にとってはいろいろ心配でもある。
比較的安全な祭りと、ちょっといろいろあるうわさの祭りとでは、私も子供に対する接し方が違う。中学生の娘には、門限をきっちり決めて対処した。問題は息子だ。
多少の悪さは、見逃してやらなくてはいけない。が、本当に悪いことを見逃しては親ではない。そのへんを、私は1人で見極めなくてはならないのである。
「今日も祭り行きたいんで、小遣い欲しいんだけど」
知るか。昨日もせっかく用意してやってたのに踏みにじりやがって。と、いろいろ口論。「昨日は、友達の就職祝いしてたんで、ろくに遊べなかったんだよ~ぉ。今日は、みんなで花火するんだ」
あらまあ、ドキュンの大好きな花火をするというの。真夜中にロケット花火なんかあげられたら迷惑だわ。
「線香花火?それなら10本105円くらいね。それじゃあ、30本くらい買えるお金をあげるわ」
「ちょ」という顔の息子。「なあに?不満なの?それじゃ、ヘビ花火もつけてあげる。ほら、525円よ。豪華でしょう」
「俺にとっては、線香花火は凶器だ」
たしかに息子は子供の頃線香花火をやっていて、玉が落ちないように落ちないようにと最後まで遊び、その玉がなんとスニーカーの中に落ちて入り込んでしまい、思わぬ重傷を負ったのだ。息子にかかれば線香花火もスリル満点。
「よ~し、ママ大サービス。お友達の分も、線香花火50本買えるお小遣いをあげちゃうわ。ヘビ花火も含めてお大尽と言える大金よ!」
なんて冗談を言いながら、結局2000円与えた。
息子の交友関係は大体わかっている。男も女も、要はかつての不登校仲間だ。それにしても気になることがある。祭りに行くと、むしろ不登校以外のかつての同級生に会うのではないか。
ところが息子は、祭りに行きたい理由をこう語った。「同じ中学のヤツとか、見られるかもしれないから」……は? あんた卒業まで、あいつらに会いたくない、と絶対登校時間に外に出なかったし、あいつらと同じ空気を吸うのもイヤ、と教室に近づかなかったし、もしも「あいつら」に会ったら殺してやる、許せない、とか言ってたじゃないの。
「でも、元気な姿見たら、うれしいから」……はああ?今までの、自分の人生さえ棒に振るかと言う中学生生活はなんだったの?パパはと~~~っくに逃げてしまったけど、私や娘やじーちゃんばーちゃんがどんだけぇぇぇぇ!
さてお小遣いを握り締め、遊びに行った息子。案の定門限なんか関係なく深夜の帰宅。毎度「遅い!」とメールを出すと、あれやこれや言い訳するけど、その日の言い訳は「自転車盗まれた~」だった。
怒。(……続く……)
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