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2007年9月 1日 (土)

アスペ母子の「よかった探し」

息子が怒り暴れる「スイッチ」が、私がオタク友達でなく、「母親」ぶることだとは気づいていたが、もうひとつあることに気づいた。

期限ぎりぎりの映画鑑賞券をもらった私。夏休みの思い出になるだろうと、息子に2枚与えた。「ちゃんと、上映作品とか時間とか新聞かネットで調べていくのよ」そのチケットは複数の映画館で平日使えるものだ。都内の繁華街でも作品や時間を確認していくのは当然だと思うが、田舎なのでヘタをすると朝1回の上映とか、夜だけとかありえる。時間と交通費を無駄にしないよう、私は助言したつもりだった。ついでに、A街ではこれはやってない、B街ではやってるよ、とも言った。

しかし息子はその助言を無視し、友人と近いA街に出かけて肩透かしを食らい、もういちど電車に乗ってB街に出かけ、「トランスフォーマー」を見た。

「おもしろかったよぉ」
「よかったね。あれは大画面で見たいわよね。ストーリーは?」
「うん、ストーリーはふつー」
「それは良かった。あれはメカがかっこよくてなんぼだから、ストーリーは単純明快の方がいいと思うわ」……私が帰宅後、そんな他愛の無い会話を楽しんでいたのだが、あれほど私が助言したのにも関わらず~というかそんなものはどうでもよく、友達とA街やB街を遊び歩きたかったのだろうが~息子たちはA街の映画館に行ってここではやってないことを確認、B街に行ったことを知り、私は呆れ、「だから言ったでしょ?A街の映画館ではやってないって。せっかく教えてあげたのに、なんでわざわざ行くの。電車賃と時間がもったいない!」と言ってしまったのである。

そうなると息子は激高。

息子としては本当に母の助言などどうでもよく、楽しい1日を友人と過ごしたかったわけで、無駄足を踏んだけどA街ではこんな楽しいことが、そしてB街でもこんないいことが、とうれしそうに語ったのに、母はそれを認めてくれず、なじる。それがひどく心外で怒り出した。ぼくの楽しかった気持ちはどうでもいいの?と。

息子は被害妄想も大変強いが、一方で失敗や不幸も自分の都合の良いようにプラスに考えられる思考の持ち主だ。

ネットゲームで中学生活棒に振っちゃったけど、外国の人も含めていろんな人とお話できちゃった。よかった♪  とか

むかつく音楽の先生のせいで引きこもっちゃったけど、学校に行かずお部屋でネットで音楽集めと腹筋ばかりやってたから歌がうまくなっちゃった。よかった♪ 

などと「愛少女ポリアンナ」のごとく次々「よかった」を探し、自分を肯定していく。…実のところ、私もそのようなシアワセな思考の持ち主で、

夫の裏切りのせいで、自分の視野が広がったわ。よかった♪ とか

こういう息子をもったおかげで、人生が豊かになったわ。よかった♪ とか

能天気なことを考えられる。

なのに、子どもにはなんだか失敗させたくなくてああだこうだと言う愚かさ。

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コメント

随分前に来て以来です。
偉そうに言いますけど、なんでも前向きに考えるのは嫌いです。失敗を失敗と認識するのが怖くて、無理矢理(?)現実を美化しているとしか思えない。
失敗を認める強さ。それを持たないと人は成長しない。人は反省して変わっていく。良いことをしていると思いこんでいる人間は成長しない。それが社会的に立派であっても。
美化している内は、成長しない自分への大義名分を与えているだけです。
勝手な言い分なのは承知ですが、息子さんには自分自身への嘘だけはついて欲しくない。引きこもってもいい。人を傷つけてもいい(もちろんそれらのことをしないのがベストですが)。でも自分への嘘だけはダメです。それは成長を妨げる。

投稿: 保護指定動物ニート | 2007年9月 3日 (月) 21時49分

保護指定動物ニートさんようこそ、お久しぶりです!
息子は大丈夫だと思います。たしかに何でも正当化するクセには困っていますが、引きこもりの過去を持っていても明るく楽観的なのはそれなりに良いのだと思います。
私が腹立つだけでw
この映画の件でも、自分に嘘をついているのではなく、本当に寄り道したかったのだろうと思います。A街の映画館ではやっていないと私が言ったのに、一緒に行った友人が「やっている」と断言したのを、顔をたてたという面もあるようです。
私の「よかった探し」はもう、嘘でも何でもいいやという感じですけれどね……w

投稿: 闇鍋奉行 | 2007年9月 4日 (火) 21時08分

申し訳ありませんでした。人には違う経験があり、自分とは感性も違うとわかっているのに、価値観を押しつけてしまったようです。
僕自身は肌に合いませんが(楽観論でイジメや病気もスルーされて苦しんだので)オプティミスムが道を拓くのであれば、それは大変結構なことだと思います。・・・常に暗さを抱えていても様になるのは超絶イケメンだけ、という現実的な問題もありますし。
あ、そういえば随分前に描かれていたジョニー・デップの似顔絵はなかなか良く似ていたと思います。

投稿: 保護指定動物ニート | 2007年9月 6日 (木) 01時08分

保護指定動物ニートさん、ようこそ!
いえいえこちらこそ失礼しました~。お話を伺うと、周囲が楽観的すぎてニートさんのつらさを理解できない、という状況だったのかなと思います。異常にポジティブなものの考え方って、自分自身を救うためにするものなのに、他の人に言われると腹が立ちますよね。
絵はお恥ずかしい限りですw

投稿: 闇鍋奉行 | 2007年9月 6日 (木) 20時15分

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