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2007年10月 9日 (火)

娘に悪魔が憑いたという

うちはいろいろ問題のある家庭だが、それでも母子、兄妹間で何かしらコミュニケーションがとれているのが救いである。

一時期は完全に壊れたと思った私も、不登校と暴力でむちゃくちゃだった息子もうそのように笑顔を取り戻してきたが、我が家で唯一まともと思われてきた愛娘が、いろいろ訴えてきた。

「私は、悪魔憑きなの」という。

かつて「街の灯りがとてもきれいねよこしま♪ブルーライトよこ~しま~」と自分の欲深いところを自嘲し、歌って笑っていたころとは何かが違う。

どす黒い感情が湧いてきて、親兄弟はもちろん、友人や祖父母にも毒づいてしまう。近頃血なまぐさい事件が多いのだが、彼女の心の中にも同じようにスプラッタな妄想がはびこっているらしい。

「エクソシストとエイリアンが見たいわ」

と娘。まあ、そんな懐かしい映画を。そんなの見ちゃいけません、と叱ったところでしょうがないだろう。「あら、懐かしい。ママがあんたくらいの頃の映画ね。エイリアンは恐怖心を上手に引き出す傑作だわ。このくらいの子って、そういうのが好きなのよね~w」と、軽くいなしながら、結構膨大なその手の映画ほかの豆知識を披露してやった。ふふ、母はこう見えても元オカルト少女だぞ。

誰だって、いつまでも純真無垢ではいられない。知恵の実を口にして、知りたくも無かった世界を知り、汚れてしまった自分を見る。衝動に駆られたり、悪の世界に焦がれたり、とてつもなく恥ずかしい失敗をしてしまうのが思春期。

「エクソシスト」は実話を基にしていると言われるが、日本でも「狐つき」という現象が昔から伝わる。「悪魔憑き」と「狐憑き」はとても似ていて、その解釈も対処法も、その風土や宗教による部分もあるが、ほぼ同じだ。

昔「きつねつきの科学」という本(高橋紳吾著・ブルーバックス)を読んでおもしろかったので、少し落ち着いたら娘にも読ませてやりたいと思う。精神医学ではこういう解釈と対処をするのか~と、感じ入った。現代日本人にとっては、土着宗教や仏教などよりも、西洋医学と言う考え方の方がわかりやすいかもしれない。この本では「きつねつき」の概念をむやみに否定せず、とても冷静に解説していて、今も時々読み返すくらいだ。

娘も今は少し、少女らしいオカルトな妄想に苦しんでもいいかと思う。それも経験。お兄ちゃんだって、いつ誰を殺すか、自分が死ぬかくらいに荒れまくったが今は日本一慈愛に満ちた少年になれた(と思う親ばかモード)。傷ついたり傷つけたりを経験しないでは大人になれない。抑鬱を克服しないでは大人になれない。

恥ずかしながら私も何度も何度も、それこそ大人になってからも「きつねつき」状態にあったが、妄想におぼれすぎることなく、新聞ネタになることもなくここまで生きてこられたのは、それなりにいろんな知識や経験があってのことだ。

娘は、突然心に住み着いた悪魔と、適当に付き合えるようになってほしい。

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