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2007年10月29日 (月)

息子の弁当作りを拒否してみた

たしか入学前「俺、自分で弁当作る!」とか言っていたのにぎりぎりまで寝ていて、いつしか私が弁当を作っている。

しかも腹が立つことに、それを残している。

部屋のあちこちに隠してある大量のおにぎり。いくつ買っても無くなる弁当箱も、ちょっと探すと中身がたっぷり入った状態で見事に醸されている。

食べ物を粗末にするか。忙しい母の心遣いを足蹴にするか。

呆れるやら情けないやらで涙が出る。問い詰めると「食いきれなくて」とか「時間が無くて」とか言う。一方、夥しいカップ麺やスナック菓子も出てくる。これも半分くらい食べて放置なんていうのが珍しくない。冗談じゃない。

「じゃあ、やっぱり自分で弁当作って。自分の食べられる量が作れて、無駄が無くて良いでしょう」と宣言。私が本気なのに、少し驚いていたようだ。いつものように寝ていれば、私があせっておにぎりくらい作ってくれると踏んでいたようだ。

親戚に、こういう人がいる。

本人は経済観念と生活能力が無い。そのくせ虚言癖があり、何かと見栄をはって金をばらまく。金の出所は、かつては母親、今は兄弟たちだ。

その母親は、彼が顔を出すと数十万単位で小遣いを与えていたそうだ。その頃は羽振りもよく、優秀で可愛い息子に惜しみなく金を与えていた。だからその人もそれが当然だと思って生きてきて、今古稀を越えている。

当然のような顔をして、兄弟から数十万単位の援助を求める。「借用書を書け」とせまられると「兄弟なのに、水臭い」と不思議なことを言う。それでも仕方なく援助をしているのだが、家にその人が来ると家電や車を見て「なんだ、安っぽいのを使っているな。うちのはもっと良いものだぞ」と自慢をする。うちが安っぽいものを使って倹約しているから、何とかおまえが生きていけるはずなんだが????と首をかしげることになるのだ。

体が不自由になった弟の面倒も見ているため、これまた仕方なく兄弟が援助し、公的な援助も入るはずなのだが、その弟の病院や介護に使われるはずの金はすぐに消える。風俗やら、夜の遊びにも使っているようだ。援助している家もしたことのないような豪遊で、十分一月生活できて弟を養うべき金が一晩で消える。そして金が無い、とさらにせびりにくる。

その母親は、とうに亡くなった。かつては羽振りが良かったが、その後たちまち凋落し、かなり惨めな…人によると餓死に近いものだったらしい。それでもその人はたかり続けたし、「もう、金が無い」とぼやきながら、食事を拒否して死んだのだ。親が亡くなったため、その人は兄弟にたかる。それを迷惑とも、感謝すべきものとも思っていない。

それが当たり前だと、結果的に親に教えられたから。

というわけで、私は虐待だといわれようと、弁当つくりを拒否する。毎度毎度食事ができることのありがたみを知れ。自由にやりたければ責任を負え。飢えて困れ。困りたくなければ、働け。

……これで息子が無銭飲食とか万引きでもすれば、きっと私は「十分に食事を与えなかった鬼母」として困ったことになるのだろうが、それを恐れて甘やかしていれば、前述の親戚のようなモンスターになる。

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