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2007年12月28日 (金)

アスペもゆっくり「成長」する~発達障害40代~

この日記を始めた頃は「何をやらせても使えない!」と日々会社でののしられ、邪魔者扱いだったのが、ちゃんと動くパソコンを与えられると別人のように働き始め、営業成績もぐんぐんあがり、丁重に扱われるようになった私。

業績超悪化の中、昨日は4件の契約を決め、猛烈に忙しくも充実した。

しかし、仕事納めの今日は1件のドタキャン、1件のトラブルでトーンダウン。ことにトラブルのほうは、また私の心の発達の遅れが露呈したようだ。

息子はアスペルガーなど、発達に偏りがある子。しかし、母親の私自身がそうとは診断されたことさえないけれど、恐らく息子以上に偏りのある子どもであった。小学校の頃、あまりしゃべった記憶が無い。高校の頃、「いらっしゃいませ」と笑顔で接客することがまるでできなかった。人の顔をおぼえるのが極端に苦手で、教室の出入り口のそばに座り、他クラスの子に「○○さんいる?」と声をかけられるとパニックになった。

それが「障害」だとは誰も思わなかった時代だ。幼稚園の頃から本が大好きで、百科事典などを喜んで読んでいた私を、「賢く、扱いやすい子」と親は思っていたし、「大人びている」と先生方はおっしゃった。コミュニケーションが極端にとれず、挨拶ひとつ満足にできない少女になると、さすがに「それではいけない」と言われるようになったが、どうしても、どうしてもそんな当たり前のことができないのだ。電話を取次ぐときに相手が誰かを確認するとか、人の心を察することが。

今回のトラブルもまた、「思っていることを正直に言ってしまう……それが悪意どころか善意のつもりでも、とんでもないトラブルになるのに」という、とっても特徴的な行動を、私はしてしまったのだ。

私も40代。何度かの就職のおかげでかなり、電話の応対ができるようになった。我ながら素晴らしいオペレーターぶりだわ、とうっとりするくらいだ。営業トークだって、それなりにできなければ今の成績は無いと思う。

しかし、どうも私は「複数の相手と付き合う」ということが基本的にできないらしい。1対1、なら落ち着いて話せるし、好感を得ることもできるようになった。しかし、たとえばとても仲の良い顧客Aさんと顧客Bさんの間で、うまく立ち回ることができない。両方に良くしようとは思うのに、かえって損害を与えたり、仲を悪化させるはめになったり。春にも同様のトラブルがあったばかりだ。また、顧客に複数の窓口がある場合も非常に混乱する。

「あなた、今までもそういうことが無かった?」と、上司にきつく言われた。ありまくりだ。相手が自分と同じような趣味などの人1人なら、いいのだ。だけど複数の輪の中には、いるだけで苦痛だった。しゃべることさえできない。仲良し3人グループはふたつあるが、それは奇跡的に私と言う奇妙な人格を許容する人たちばかりだ。

と省みたところで。

普通の人ならできることがさっぱりできない……ということを、私はそれでも倍くらいの時間をかけて、できるようになったのである。病気ではない、完全な障害というほどではない、コミュニケーションなどの能力が著しく劣る私のような人間でも、じっくり時間をかければそれなりに生活できるのだ。

自分の「課題」がわかれば、それに対して考えたり、モデルを探すこともできる。良いモデルを見つけられれば、それを分析し、真似してみたりすれば、私はまだまだ成長できると思う。

娘が、よちよちの3歳くらいに簡単にできていた、「人間関係を把握する」というようなことが、私にできるようになるのは、単純計算で還暦の頃か。

私の人生、「ダメ生涯学習」である。

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