久しぶりに餃子を作った~娘の心に火がついた~
我が家の餃子は、皮も手打ちである。
これは超貧乏だった頃の名残だ。とにかくお金は無い。時間だけはたっぷりある。働かない夫はおいといて、子どもたちを呼び寄せ、粘土感覚で皮を作らせた。
20年位前、私は中国の方々の餃子パーティに招かれ、本場中国の餃子をいただいたことがある。これまで食べてきたものとはまるで違う食感と味付けだった。ちょうどそのあと、美味しんぼで同じような本場中国の方の餃子の話題があり、「まさか、この方たちから取材したんでは??」と思ったくらい、そのまんまの状況だった。この方々のお向かいで、某芸能人大スキャンダルがあったのだけど。(最近もその話題が出ましたね…)
本場は水餃子が中心だが、我が家ではそれを焼いた。「羽つき」にしたこともある。最近急騰している粉関係だが、当時は本当に安くてボリューム満点、子どもたちは、一生懸命粉を練り、丸く形作り、少々不ぞろいでも不恰好でも、手のひらにあまるくらい大きくなった餃子に夢中でかぶりついた。皮はもっちり、焼いたところはさくさくしていて、中から肉汁じゅわあ。ニラ嫌いの息子もこれだけは目が無かった。
さて。生活が安定するのと反比例して、私は料理に時間をかけなくなった。煮込みなんかはまだいいが、皮も手打ちの餃子なんて、本当に手間隙かかるもの。打ち粉がとんで、掃除まで大変だし。当時は「高くて買えないわ」と思った市販の皮は今は安く思えるけれど、あの手打ちの美味を体験したら今度は別の意味で買えない……と、このところ餃子は食卓から遠ざかっていた。しかし、娘の一件もあって久しぶりに餃子を作ろうかなと、思った。市販の皮で。
市販の皮、何年ぶりだろう。……しかし、不恰好でもとにかく伸びる手打ちに慣れた身には、「え、これだけしか具が入らないの、え、なんですぐ破けるの……」と悪戦苦闘。そのうち塾から帰った娘が「え?今日餃子???皮、そんなの使うの??やだ!」とか言い出した。
そもそも、子どもたちがお手伝いしてくれなくなったから餃子が食卓から遠ざかったという事情もあるのだが。しかし久々の餃子、おいしそうな具のにおいに娘は文句も言わず手を洗って手伝い始めた。「だめじゃんこれ。皮、うとうよ~」うん、本当にこれは厳しい。そのうち皮がなくなり、具が残った。「皮、作ってくれる?」娘は素直に強力粉をお湯で練り、皮を作り始めた。
「これよ、これ~~」「うわあ、懐かしい。おいしそうね」不ぞろいなので、とても人に見せられたものではないのだけど、本当においしいのでまさに我が家の秘蔵の味。
一口サイズに揃った市販皮餃子もそれなりだったが、手打ち餃子ときたらまさに絶品。娘、たちまち元気になった。
☆
テレビでは、クリスマスやおせちの話題がいっぱいだ。「今年のクリスマスとおせちはどうしようかなあ」と、私は子供たちに声をかけた。娘は言った。
「餃子パーティ~~~~~」
娘はまだ、昨夜の餃子の余韻に浸っているらしい。もっとも、それが通るなどとは思っていない態度だ。
「中国では、餃子は正月料理らしいね」と私が言うと目の色を変え「マジ??じゃ、餃子!餃子!」おいおい。息子よ、愛娘はそういっているが、どうだ。息子はこう答えた。
「一の重餃子、二の重餃子、三の重餃子でいいよ」
なんだ、そのいやなおせち。おまけに息子は言う。
「なんならクリスマスツリーも、餃子でいい。」
どんなだ。
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コメント
こんばんは。はじめまして!
御節の餃子・・・胃がもたれそうですね(;´Д`A ```
本場の餃子って水餃子ですもんね~。会社に中国人が居ますが美味しいらしいです!食べたことはないのですが。。。
皮からの手作り餃子、何だか食べたくなってきちゃいました♪
投稿: みかん | 2007年12月16日 (日) 22時36分
みかんさん、ようこそ~!
そうそう、本場の餃子は水餃子なんですよね。たしかに自分の知ってる餃子とは違う~!というおいしさですよ。あんなふうに上手に皮をうてなくても、みんなでこねこねして皮を作った餃子は、格別です。普段あんまり大きな餃子を食べていたんで、某店で餃子を頼んで運ばれてたとき、「あれ?餃子を頼んだのに、これ『一口餃子』じゃない???」なんて勘違いしたくらいです(苦笑)
強力粉を少な目のお湯でよく練って、小さな玉に丸め、薄力粉などを打ち粉にして、麺棒で伸ばせばそれなりに皮になります。そんな簡単なつくりでもおいしいですよ~お試しあれ!
投稿: 闇鍋奉行 | 2007年12月18日 (火) 00時06分