娘の「傷」が、体に現れてきた
以前見た傷は、ほとんどそれとはわからないもので、うっすらとかすかに茶色い線になって残っている、一本の線だった。
「あれ?何それ、なんかリスカみたいだねw」と軽い気持ちで話しかけたら「そうだよ」と娘は言った。どぉん、と心に衝撃が走ったが「そんな中二くさいことはやめな」と私は答えた。古い傷のようだし、それで終わったと思った。
担任の先生から連絡があった。「お母さん、お忙しいとは思いますがお時間をいただけませんか」むしろ私の方からぜひお時間をくださいと告げ、かなり厳しい状況ではあるけれど、会社にも了解をとり、私は学校に向かった。
娘の傷は、無数に増えているという。
両腕に何本も、縦にも横にも。足にも。
ぞっとした。幼い頃から慈しんできた娘の肌に、あの美しい手足にそんな傷が。それを、いつも明るく強く正しい心の持ち主の娘が。
「つらいでしょうが、ぜひ見てください。よく、話してください」
と言われた。前のときには私の胸と、ブログだけにしまっておいたがさすがにこれは、1人で抱えるわけにはいかない、と思った。夫にメール。娘を養育している両親にも一応話した。ただし、「そのことに触れないで、でも一応気をつけてやって」と。息子ももう、かなり頼れる存在だ。年齢が近い分だけ、またいろいろやっちゃった分だけ理解してやることもできるだろう。娘がこういう状態だ、と告げた。
「馬鹿だ!あいつ」
なんだかまるで「父親」のように怒っていた。
☆
娘が「『エクソシスト』を見たい」と言っていたとここにも書いた。きっかけは、とある人気少年漫画だろう。エクソシストという言葉を日本に広め、今も話題になる映画で、漫画やアニメなどからいろいろなことに興味を持つのはそれなりに良いことだと思うので私はあまり否定もしなかった。
その時も書いたかなと思うが、洋の東西を問わず子ども、若い女性などにはしばしば態度が豹変したり、奇行に走ったり、荒れ狂うことがある。それを日本ではきつねつきなどといい、キリスト教圏では悪魔つきといい、精神医学ではまたいろいろと病名をつける。
人類が月に行く時代でも(笑)きつねつきや悪魔祓いで、たしか日本でも何度か事件が起きたと思う。実は知人もそれで死んでいる。痛ましいことだ。
だがわかるのはそういう状態になった時、親族なりエクソシストなりが真剣に、「悪魔」や「きつね」と立ち向かわなくてはならないということだ。命を懸けて。
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