帰らない子どもたち
昨日は子どもたちに振り回された。
朝から遊びに行く、もちつき大会だからお昼はいらないと言って出た13歳の娘が、塾に行くはずの6時になっても帰らない。心当たりに電話をしても見つからず、困り果てたところでようやく6時半に「トイレトイレ」と言いながら帰ってきた。大急ぎで塾に行かせたが、断片的に話した言い訳によると、近くのスーパーにあるゲーセンで遊び、お菓子の山をくずしてとる……というアレにはまりこんでいたらしい。「お兄さんは、2,3回で取れるよといったのにさあ……」買えば2、30円の菓子に、いったいいくらの金と貴重な時間を費やしたのか。
息子はバイトに出たまま、夜12時を過ぎた。さすがに遅い、と携帯にメールを入れた。応答無し。もう一度、どこにいるのかとメールを入れた。1時を過ぎてもまた、応答なし。「すぐに帰宅もしくは返事をしろ」とメール。これにも応答無し。1時半を過ぎた。
息子の服装はまたしても学校の制服姿。ズボンは夏用だ。カーディガンは着ているが、私が買ってやったマフラーも持っていっていない。一見普通の良い子に見えるが、著しく発達に偏りがあり、普通の判断をしないことがよくある。「寒い」と言いながら適切な行動をしないのはいつものことだし、木の上で寝ていたり、コンビニの駐車場で寝ていた前科もある。私の想像もつかないことでへらへら遊んでいるのかもしれないし、何らかの理由で動けなくなっているかもしれない。
「…交番に行こうか……」
この寒空、未成年が帰宅しないのに寝てもいられない。風呂上りで髪はまだ濡れているが、着替えて交番に相談しよう、と思った。おまわりさんにまたまた迷惑をかけて恥をかくか、取り返しのつかない結果になって後悔するか、どっちかといわれれば私は恥を選ぶ。
すると1時40分になって息子がへらへら帰宅した。「ただいま♪」全然、なんとも思っていない様子である。私は安堵したがこれを普通に「おかえり♪」ですますわけにはいかない。
「今、警察に相談しようと思っていたところだ。なんで、こんなに遅い?なんで、メールしない?」
「は?馬鹿じゃね?両手がふさがってるんだから、メールなんかできねーよ!」
息子の話では、バイト先を出たのが9時45分。手には大量のカップ麺があった。自転車の後輪が壊れてしまい、今まで友達の家の前で修理していたという。
矛盾だらけである。こんな真夜中まで人の玄関先で修理?この寒い夜、とても耐えられるものではない。どんな故障かと聞けば「なんかかちゃかちゃ音がした。いじっていたら直った」チェーンでも外れたかと「歩いても30分かからないんだし、とにかく自転車押してでも帰りなさい」というと激昂。
「はあ???馬鹿じゃネエの??? 後輪動かないのに動かせってかよ。死ね!」
語尾に「死ね!」をつけるのはおじいちゃんそっくりだ。私も母も、長年そういわれてきているので、「これは終助詞」程度に受け流している。他人はものすごく驚くのだけど。
「少なくとも、遅くなるって連絡くらいできるでしょう」と言えば
「だーかーらーもー!!!アンタ頭悪いよ!両手がふさがってるんだよ!メールが来てたのもシラネーよ!」
あらこんな夜中、携帯が光るのも音が鳴るのもバイブレーションするのも気づかないとでも?
よほどうるさくて明るいところにいたのかしら。
バイト先のすぐそばに、ゲームセンターがある。
しかしそんなことに触れるとますます息子は大声になる。もう丑三つ時、また近所迷惑だ。「とにかく早くご飯を食べてお風呂入って寝なさい。今はあんたが起きていていい時間じゃない」
「関係ねー」
息子はとっととPCに電源を入れ、テレビをつけ、煌々と灯りをともし、いつも以上にがちゃがちゃ音を立てながらキーを叩いた。用意した夕食には目もくれず、お湯を沸かしてずるずるとカップ麺を食べた。私は眠れない。
☆ ☆ ☆
帰らない息子を待って1本、眠れないので「睡眠薬代わりに」とやって1本、「ピンクのしっぽ」を手に入れた。貴重な2つのアダマンアーマーを女の子たちに着せてにんまり。息子が寝床に入った4時頃ようやく私も眠れた。
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