どこにでもいる我が家の「隣人」たち~八戸事件にまたこの話題~
父親不在、母はアル中、息子は不登校、3年前に家に火をつけるなどで大騒ぎ、下の子は「お兄ちゃんに殺される」と不安を口にし……
うちのことかと思った。もしかしたら、ここのブログをご覧の方で「あのブログの人が殺されたんじゃ」などと心配して見に来てくれた方もいるかもしれない。能天気にFF4DSのプレイ日記書いてて、すみません。
それにしても、本当に我が家そっくりの家庭だ。というか、ほとんどの少年犯罪のニュースを聞くたび「私そっくり」「オレそっくり」「うちそっくり」と思うことが少なくない我が家だけど。先日の戸越銀座通り魔少年の声なんか、切れて暴れたときの息子の声そっくりだし……。そして今日、八戸少年にたいして新たな情報が流れた。
「起きなさいよ~」
今日は早くからバイトの息子を何度も起こす。むにゃむにゃ言ってて、なかなか起き上がろうとしない息子。しばらくPCをいじりながらその情報を目にした私は、こう叫んだ。
「あらーーー……八戸の子、どうやら『ひぐらし』ファンみたいね」
息子、もやもやしながら起き上がった。「あらーーー……」ただ、それだけつぶやいて。
作品名はニュースで流れていないが、猟奇的な内容で、ゲームから始まり、漫画などにされ、昨年はアニメにもなりながら、少女の実父首切り事件をうけて一部で放送中止、となると私でもそれが大人気の「ひぐらしのなく頃に」だとわかる。
だって、我が家にもその漫画本などがごろごろ転がっているのだもの。ああ、また相似形。
私は未プレイ、ほとんど未読ではあるが、息子が引きこもっていた頃大変にはまっており、(ここはあちらと違うかもしれないが)私も激しく勧められた。当時の息子は興奮気味に「もう、シナリオが完璧なんだよ!」と目を輝かせPCで音楽をリフレインさせながら「この曲、よくね?」などと熱く語っており、これまでさほどオタクでもなかった不登校仲間にも勧めて大ハマリさせていた。私もネットなどを通じてこの子くらいの年頃のファンなどに熱狂的に支えられているのだと知っている。元は同人ゲームから展開しひとつのムーブメントをつくったという特異な作品で、最近のサブカルチャーを語る上でははずせない作品だと思う。
娘にも「あの子、ひぐらしファンだったみたいだね」と言ってみた。「やっぱりね」と、クールな感想が返ってきた。私も「いかにも、厨くさい子っぽいもんね」と答えた。娘はうなずいた。私は続けた。
「ま、馬鹿は漫画読むなってことね」
娘が静かにうなずいた。その瞳は怒りに輝いていた。
私の不治の漫画アニメゲーム好きは、子どもたちにも胎内感染している。難しいお年頃の子どもたちなので、もちろん反抗的であったり、大人が困惑することをしでかしたりといろいろあるが、このようなかたちで「漫画の影響で」「ゲームの影響で」などと興味本位に騒がれる存在になることを、恥ずかしいことだと考えている。いや、そう教えている。
連続幼女殺人のM。彼がコミックマーケットにいたことだけで、どれだけの漫画好きが迷惑を被ったことか。 そんなことなどを子どもに教えてきたばかりではない。同様の事件が起き、犯人が漫画ファンだった、ゲームマニアであったなどと報道されるたびに私も子供たちも一緒にいいようのない恥辱と怒りをおぼえてきた。そうやって煽り立てるマスコミ、刑を軽くするために漫画の影響などとでっちあげる弁護士、そして愚かな犯行に走った当の犯人に、だ。
家庭や身の上、世の中に不満があったとして、それを救ってくれたのは何だ?
ゲームに没頭し、アニメや漫画の世界に耽り、共感したり、励まされたり、最悪の結末に絶望したり、そうして少しでも癒してもらえたのではないのか?
ほとんどの人はそうして生きている。普通に学校に行く人、働いている人も、家から出られない人も、フィクションの世界に触れることで人生を豊かにしている。
それを台無しにするな!
息子もまだまだいろいろあるし、娘の手首は今はきれいになってきたけれどどうなるかはわからない。しかし、いろいろな経験~漫画やアニメ、ゲームも含む~から、「取り返しのつかないこと」だけはしないでいけるんじゃないかな、と私は信じている。
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