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2008年1月 8日 (火)

娘がパパのコートを着た~癒えた傷?~

最近の中学生はコートを着ない、と思って子どもにコートを用意していなかったが、娘が突然登校途中に寄ってきて、「お古でもいいからダッフルコート無い?」と聞いてきた。

娘の周囲ではダッフルコートを着る子がいるようで、中にはママのコートをもらってくる子もいるそうだ。しかし、私の中高生時代はダサいスクールコートしか使えず、現存もしていない。しかし。

「パパのならあるけど……ダサいけど」「えええっ!?」

たしかに、パパの古いダッフルコートならある。ずいぶん子供っぽいデザインのものをスーツの上に着ていて不思議だったのだ。あれなら女子中学生にも合いそうだ、とひっぱりだしてきた。

フードの裏が赤いチェック。よくもまあ、こんなのを大の男が着たものであるが、娘は「そういうの着てる子もいるから校則問題ないよ」と試着。袖の長さもあつらえたようにぴったり。そのまま登校してしまった。

一応、娘にコートをあげてもいいかメールで聞いてみた。もう十何年も使っていないけれど。

件名:あんな

お前のキャンドルの火はまだ♪と歌いだしそうな返信が来た。

本文:ものでよかったらどうぞ

そう続くか。

学校で娘は「お父さんのコートなの☆」と自慢し、驚かれたそうだ。「お父さん、こんなの持ってたの……?」という意味でも驚きだが、娘にとってパパの話題はなんとなく禁句、10年以上、ほとんど口にさえしていないんじゃないかと思われるのだ。

幼稚園の頃、仲のよいお友達が深刻な顔をして「おばちゃん、腐児子ちゃんが……」と話しかけてきた。

お友達は娘に何の気なしに「そういえば腐児子ちゃんのパパはどんな人?」と聞いたのだそうだ。娘はいつも明るく元気いっぱいの子であったが、そのとたん押し黙り、しおれるようにうつむいて固まってしまったそうだ。ほとんど家に帰ってこず、運動会や父親参観日にもきてくれないパパに、普段は何も言わなかったのだが当時から彼女の「傷」になっていたのだと思う。

娘に、パパのコートをうれしそうに着、自慢する日がくるなんて。

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