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2008年2月14日 (木)

お好み焼きでさんすう~娘の学力に不安

日曜の昼食は、久しぶりにお好み焼きであった。

たまたま山芋と豚肉と冷凍していたスルメイカが余ってて、息子が暴れてぶん投げて袋に穴の開いた小麦粉があって、ウスターソースも早く使い切らないといけないわ、というご都合だけの献立だが、子どもらには好評であった。キャベツは無いが、山のように貰った親の畑産白菜を刻んで代わりに。なかなかおいしい!

さてどかっとこんがり、分厚くフライパンで焼いたお好み焼きを大皿に盛りつけたあと、私はスープなどを仕上げていた。そこで娘に、あつあつのお好み焼きを3等分するようにと命じた。初めての指令に、娘はとまどった。

「どうやって」

「こうやって」

私は、フライ返しを逆手に持ち、ぐりぐり切るマネをした。納得したようだ。

娘は言われたとおりフライ返しを逆手に持ち、ぐりぐり巨大お好み焼きを切り始めた。まずはまっすぐ2等分。うん、そこから6等分すると食べやすいわね、いつもお誕生日ケーキをそうして切ってあげてるしね(包丁を逆手に持ってはいないケド)…と振り向くと、娘は円の中心から、半円を90度の角度でざくざく切っている。

それ、3等分じゃねえ!

たしかに3つには分けられたが、私は3等分しろと言ったのだ。分度器をもってこい、とまでは言わないが、180度、90度、90度の3つに分けたのでは、さんすうのテストじゃ丸はもらえないだろう。

「え~と、余った分は適当に食べればいいと思って…」

「あのさあ、ピザをかぞく3人でわけました、1人ぶんの角度は何度ですか?という問題で、そういう答えでいいと思う?」娘はけらけら笑った。

90度がぼくで、もうひとつの90度はパパで、おかあさんは180度食べますとか、おかあさんはダイエットしているから30度でいいわというけど、最終的にはぼくの150度のほとんどをたべつくします、とかそういう家庭の事情はどうでもよろしい。3等分しろというのだから、とりあえずそれなりの角度で切ってほしい。

「あのさあ、まず、円は何度?」

念のため、聞いてみた。

「えっと…450度……?」

お好み焼きを勝手に増量するな

「はあ?」私は柳眉を立てた。美人じゃないけど、立てた。娘は慌てて「あーちがうちがう、360度。3等分すると、120度ね」と言う。

娘は小さい頃からお金の計算(だけ)は得意、学校でも一見優等生と言われているが、ところどころあやしい。

「ちょっとお兄ちゃん!教えてやって」

パソコンに夢中の元不登校息子に声をかけた。中学はほとんど授業に出ず、3年間ゲームかネットかPCでお絵かきか、暴れるかしかしていなかったのに、今の学校では英語と数学はほぼ満点で学年トップ。一体どんな学校だよ、という現実より、私は「やっぱりアンタはできる子なのね」と持ち上げてやることを選んでいる。実際、数学的センスは私よりありそうだし。

「はあ?」

息子はにへにへしながら応える。私としては「おもひでぽろぽろ」の1シーン、分数の割り算ができない主人公を、母と姉が馬鹿にしまくりのあの場面を浮かべながらの熱演なのだけど。

「腐児子、おまえ、ばかぁ?」

息子は言う。

しかし食卓は笑いの渦である。どこまでが本気でどこからがネタなのか、よくわからないけど私も笑った。結局、4等分されたお好み焼きに、30度のお好み焼きがついて

残り物を調理しただけの昼食で、結構得した気分である。

娘の学力は、やはり不安であるが。

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