閉店日の店でランチしてみた~店員さん本音爆発!~
その店の「閉店」を聞いたのは、その近くにあるレストランのご主人からだった。
えーーー!あの人気店が?
遠くて不便な場所にあるのにも関わらず、私もよく足を運んだものだ。こんなに安くてこんなに新鮮なネタがたっぷりと! それにアラ汁がランチタイムに無料、おかわりし放題なのである。店でちゃんと魚を捌いているからこその、アラ汁サービス。私はこの系列店を長年食べ歩いていたが、とくにこの店では味噌汁でなく澄まし汁で無料アラ汁を提供することもあって、よほどネタの鮮度と処理に自信があるのだなと感心していた。
昔は行列のできる回転すし店として地元で知られ、第一号店の成功から、この一帯に次々店ができた。どこの店も大繁盛で、あちこち食べ歩いていたのだけれど、かげりが出たのは昨年あたりからだ。一挙に、数店舗を閉鎖。一番便利な場所にある店も潰れてしまい、がっかりした。そしてこの店が3月いっぱいで閉店するという。遠いし今日は寒いし体調も良くないが、なんとなく行かなくちゃいけないと思ってしまった。
ランチタイムなのに店は薄暗く、客もまばら。レーンも回っていないのは、ここ最近普通のことだが、所狭しと貼られていたはずのお品書きもほとんどない。オワタ\(^o^)/
ランチにぎりを注文。でかネタ握り10貫と茶碗蒸し、食べ放題のアラ汁で780円。ネタも舎利もたっぷりなので、満足度が高いランチである。…しかも閉店やけっぱちなのか、今日は甘エビが1貫になんと4匹も乗っている。
そこへ老夫婦が来店。「あら、今日はすいてるのね」ご夫婦、今日で閉店とは知らずにご来店したらしく「実は…今日までなんです」という板さんの言葉に驚いた。
「えええっ?じゃあ、次ここ何が入るの?」「それはわかりませんw」さっきのお客さんも、お店の心配よりも、次の店は何かを聞いていたが、それは酷というものであるw。
「じゃーお兄さんたち、次どこの店に行くの」店長らしき人と、少し若い板さんは、とりあえず別の店舗に行くという。ただし、そこも実は8月までで閉店しそうだし、自分たちは来月いっぱいで辞めてやる!という気持ちらしい。
「ここ、前の店長が無理して原価率50パーセント以上にしちゃってたんですよ…俺、がんばって46パーセントまで下げたんです」
ちょ。お客に原価率まで言うか。私はあがりをすすりながら耳を傾けた。たしかにこれは儲かってないだろうなと言う大サービスぶりが人気だったけど、こんなに客の回転率が悪くなっては、やっていけまい。それはわかるが原価率を下げたといわれてもお客の立場としてはどうコメントしていいか分からない。
「なのに、社長はまるで俺が店をつぶしたみたいに言って、5万も給料下げられて、もうやってられない。ここ、社保もないんですよ。都内で月40(万)出してくれるところがあるから、そっちに行こうかと。一ヶ月前には辞めるって言わないといけないから、今日にでも社長が来たら言ってやるつもりで。今日だって、最後だから新鮮なのを入れて欲しかったのに」うん、たしかに今日のサーモンはちょっとね。でもアラ汁はいつもより具沢山で、心意気を感じるわ。アラ汁もういっぱいいただこうっと。
「あ、○○(パート)さん、今日はアラ汁タッパーで持って帰っていいからねw」「要らないですよー汁物はwそれ欲しがるってどんだけ貧乏ww」じゃあ私が鍋ごといただいてくわ、とのどまででかかった。
さらに耳を傾け続けると、若い板さんは、ここをつぶすきっかけになった某大手チェーンに行くらしかった。この某大手、あちこちで名店をつぶして回ってる。店長は「俺は給料が下がるから断ったんだけど、こいつなら、給料変わらないし、社保あるし、あんな手当てやこんな手当てもあるし」いろいろ、業界裏事情をとはずがたりに語る店長。いかん、いいかげん仕事に戻らなくてはいけないのに、ガリをかじり、あがりをすすりながら聞きたい。
「じゃあ、これから私たち、どこのお店に行けばいいのかしら?オススメは?」奥さんが突っ込む。板さんたち、顔を見合わせた。若い板さんのいく某大手は「戦法がうまいけどお味はwww」で、意見が一致していた。白身は普通に食べられますよ、とのことだが名物と売り出している鯖棒寿司だって「あれは食べられたもんじゃないです。魚は冷凍だし、脂がきつすぎる。甘い酢を使ってごまかしてるんですよ。俺は一度食べて、吐きましたね」ランチタイムでそんな言葉を聞くとは思わなかったw。「この近くではR寿司とか」「あ、あれはwwww」「じゃあQ寿司とか」「wwwwwwwwP寿司なんか、水が出てくるのよねwwww」「都内のE寿司は人気ですけどね」「あそこもネタによりけり…」「そこの店長は…」うわああ、もう店長さん、リミッター外れて大暴露大会になっている。「まあいいわよね、今日はお客さんもいないし」と、なぜかこちらをちらり。私、お客じゃないことになっているw。いいですよ、空気で。なんかおもしろいから。それにしても、「オススメの回転寿司は…」ってうんうんうなってる店長さんたち、どう考えてもこの店が一番!てことなんじゃないの?
お寿司も会話もおいしくいただいてお会計。そこらあたりで「今日はここが閉店と聞いて、電車に乗って40分かけて来たんですよ」と声をかけ、労った。
「実は私、ここの社長の知り合いなんです」とは言わなかった。
☆ ☆ ☆
ニコニコ動画、ver.社長引退まであと数分!
こちらの社長もお疲れ様でした~。
最近のコメント