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2008年3月31日 (月)

閉店日の店でランチしてみた~店員さん本音爆発!~

その店の「閉店」を聞いたのは、その近くにあるレストランのご主人からだった。

えーーー!あの人気店が?

遠くて不便な場所にあるのにも関わらず、私もよく足を運んだものだ。こんなに安くてこんなに新鮮なネタがたっぷりと! それにアラ汁がランチタイムに無料、おかわりし放題なのである。店でちゃんと魚を捌いているからこその、アラ汁サービス。私はこの系列店を長年食べ歩いていたが、とくにこの店では味噌汁でなく澄まし汁で無料アラ汁を提供することもあって、よほどネタの鮮度と処理に自信があるのだなと感心していた。

昔は行列のできる回転すし店として地元で知られ、第一号店の成功から、この一帯に次々店ができた。どこの店も大繁盛で、あちこち食べ歩いていたのだけれど、かげりが出たのは昨年あたりからだ。一挙に、数店舗を閉鎖。一番便利な場所にある店も潰れてしまい、がっかりした。そしてこの店が3月いっぱいで閉店するという。遠いし今日は寒いし体調も良くないが、なんとなく行かなくちゃいけないと思ってしまった。

ランチタイムなのに店は薄暗く、客もまばら。レーンも回っていないのは、ここ最近普通のことだが、所狭しと貼られていたはずのお品書きもほとんどない。オワタ\(^o^)/

ランチにぎりを注文。でかネタ握り10貫と茶碗蒸し、食べ放題のアラ汁で780円。ネタも舎利もたっぷりなので、満足度が高いランチである。…しかも閉店やけっぱちなのか、今日は甘エビが1貫になんと4匹も乗っている。

そこへ老夫婦が来店。「あら、今日はすいてるのね」ご夫婦、今日で閉店とは知らずにご来店したらしく「実は…今日までなんです」という板さんの言葉に驚いた。

「えええっ?じゃあ、次ここ何が入るの?」「それはわかりませんw」さっきのお客さんも、お店の心配よりも、次の店は何かを聞いていたが、それは酷というものであるw。

「じゃーお兄さんたち、次どこの店に行くの」店長らしき人と、少し若い板さんは、とりあえず別の店舗に行くという。ただし、そこも実は8月までで閉店しそうだし、自分たちは来月いっぱいで辞めてやる!という気持ちらしい。

「ここ、前の店長が無理して原価率50パーセント以上にしちゃってたんですよ…俺、がんばって46パーセントまで下げたんです」
ちょ。お客に原価率まで言うか。私はあがりをすすりながら耳を傾けた。たしかにこれは儲かってないだろうなと言う大サービスぶりが人気だったけど、こんなに客の回転率が悪くなっては、やっていけまい。それはわかるが原価率を下げたといわれてもお客の立場としてはどうコメントしていいか分からない。
「なのに、社長はまるで俺が店をつぶしたみたいに言って、5万も給料下げられて、もうやってられない。ここ、社保もないんですよ。都内で月40(万)出してくれるところがあるから、そっちに行こうかと。一ヶ月前には辞めるって言わないといけないから、今日にでも社長が来たら言ってやるつもりで。今日だって、最後だから新鮮なのを入れて欲しかったのに」うん、たしかに今日のサーモンはちょっとね。でもアラ汁はいつもより具沢山で、心意気を感じるわ。アラ汁もういっぱいいただこうっと。

「あ、○○(パート)さん、今日はアラ汁タッパーで持って帰っていいからねw」「要らないですよー汁物はwそれ欲しがるってどんだけ貧乏ww」じゃあ私が鍋ごといただいてくわ、とのどまででかかった。

さらに耳を傾け続けると、若い板さんは、ここをつぶすきっかけになった某大手チェーンに行くらしかった。この某大手、あちこちで名店をつぶして回ってる。店長は「俺は給料が下がるから断ったんだけど、こいつなら、給料変わらないし、社保あるし、あんな手当てやこんな手当てもあるし」いろいろ、業界裏事情をとはずがたりに語る店長。いかん、いいかげん仕事に戻らなくてはいけないのに、ガリをかじり、あがりをすすりながら聞きたい。

「じゃあ、これから私たち、どこのお店に行けばいいのかしら?オススメは?」奥さんが突っ込む。板さんたち、顔を見合わせた。若い板さんのいく某大手は「戦法がうまいけどお味はwww」で、意見が一致していた。白身は普通に食べられますよ、とのことだが名物と売り出している鯖棒寿司だって「あれは食べられたもんじゃないです。魚は冷凍だし、脂がきつすぎる。甘い酢を使ってごまかしてるんですよ。俺は一度食べて、吐きましたね」ランチタイムでそんな言葉を聞くとは思わなかったw。「この近くではR寿司とか」「あ、あれはwwww」「じゃあQ寿司とか」「wwwwwwwwP寿司なんか、水が出てくるのよねwwww」「都内のE寿司は人気ですけどね」「あそこもネタによりけり…」「そこの店長は…」うわああ、もう店長さん、リミッター外れて大暴露大会になっている。「まあいいわよね、今日はお客さんもいないし」と、なぜかこちらをちらり。私、お客じゃないことになっているw。いいですよ、空気で。なんかおもしろいから。それにしても、「オススメの回転寿司は…」ってうんうんうなってる店長さんたち、どう考えてもこの店が一番!てことなんじゃないの?

お寿司も会話もおいしくいただいてお会計。そこらあたりで「今日はここが閉店と聞いて、電車に乗って40分かけて来たんですよ」と声をかけ、労った。

「実は私、ここの社長の知り合いなんです」とは言わなかった。

☆ ☆ ☆

ニコニコ動画、ver.社長引退まであと数分!

こちらの社長もお疲れ様でした~。

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パソコンが元気に!~赤いきしめん~

ずーーーっとウインドウズが立ち上がりにくい状態だったわが家。サポートセンターは24時間365日受け付けてくれるし、春休みでヒマな子どもたちにウインドウズ再インストールなどを頼んだのに、まったくやらない。

で、やむなく土曜に再インストールをやってみた。3時間近くかかった。しかしそれでも立ち上がらない。再びサポートセンターへ。マウスコンピューターって、サポートが比較的捕まりやすくていいなあ。

サポセンのお兄さんが鑑みるところによると、1.ハードディスクの破損 2.マザーボードの破損 3.物理的な問題 が考えられるという。

「物理的な問題って?」
「ハードディスクとマザーボードをつなぐ線が、接触不良を起こしている可能性があります。内部のホコリは掃除していますか?」

そういえば買ってからこの方、このマシンは開けたことが無い。

「コンセントを抜き中を開けて、掃除機ではなくエアダスターで吹き飛ばすようにしてみてください。『赤いきしめん』のような線があるので、それを抜き差ししてみてください。コンセントを抜いてから、1時間くらい放置して静電気を逃がすといいですよ」

立ち上がったり立ち上がらなかったりの状態から、接触不良が一番考えやすい。私は中を開け、「赤いきしめん」をぐっと押してつなげてみた。すると

おお、久々にスムースに立ち上がる。気のせいか、ネットもさくさく見やすい。私GJ。てか、そんなことで何週間も大騒ぎしてたのね……orz

で、パソコンが復活するとすぐに私からパソコンを奪って行った子どもたち。なんだか納得いかん!

☆  ☆  ☆

丑三つ時に、息子がまた大声を出し始めた。「うそだろーー!  消えてる……ありえねー! ぶつぶつ…」あまりにうるさいのでどうしたか聞いてみた。

「ゲームのデータが、消えてるんだよ!売れば30万くらいになるデータだよ!」は?データが消える恐れがものすごくあるから、動いているうちに外付けHD等に避難させたはずでしょ?「容量大きいから、ハードディスクのDに入れておいたんだよ。そこにウインドウズが入ってて、貴重なデータが消えてるんだよ!」

なんかようわからんわ。ただ、そのデータが消えて、ついでにたくさん入っていたネットゲームのファイルも消えているようで、おかげでこんなにさくさく快適に動くのか、と納得。

息子はあてつけがましく夜明けまで音をたてて嫌がらせをしていたが、がんばって寝た。

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2008年3月29日 (土)

息子の制服をクリーニングに~恐るべき罠~

春休み、ゴミだしもなく、直行のおかげで少し朝に余裕があった昨日、息子の制服と娘のコートをクリーニングに出すことにした。

変わり者の息子は、いくら言っても制服でバイトに出かけてしまうし、家でもそれで過ごしてしまうし、おかげで冬休みはクリーニングしそこねたので、ジャケットなどはかなり汚れている。今日洗わずにいつ洗う!と、ボタンをはずし、ポケットの中を探る。…ああ、何でお菓子の食べかすなんかが入ってるんだろう…

大荷物を背負い、店へ。お店の人は念入りに服をチェック。すると。

私も念入りに調べたつもりだったが、さすがはプロ。どこのポケットからか、裸の美少女フィギュアが出てきた。

「………」

私もお店の人もなんとなく絶句。「あ、あらまーいやだわw」と慌ててしまいこんだ。

息子は、親のブログのネタになるために生まれてきたのだろうか?

☆  ☆  ☆

先月のワンフェスから気のせいか、わが家にフィギュアの山ができはじめた。しょっちゅうアマゾンの荷物が届くし、払い込み表を見るとコンビニ決済でも買物をしているようだ。値段を見ると、目が飛び出る。それらを無造作に積み上げ、敷き詰めるので足の踏み場が無い。

一方、毎日鍵をかけてお風呂もいっしょ、寝るのもいっしょにしている私の財布からは万単位でお金が消えていく。フィギュアの数と反比例するように。

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2008年3月27日 (木)

営業職は、趣味の広さが強みです~コミュニケーション障害が輝くとき!

仕事上、いろいろな人に会い、いろいろな話をする。

子供の頃はほとんど会話をすることなく、本やテレビ、想像の世界だけを友にして育ち、現実にいる近所の人や、クラスメイトは顔を覚えることさえ困難だった私、営業だなんて、考えたことさえなかった。しかし、最近意外と楽しくなってきた。

今日はフレンチのシェフと商談。この方は本当に偉大な方で、厳しく、やさしく私を育ててくださる。最初は怖くて落ち込んだものだが、このところ雑談を楽しんでくださるようで、私もお話しやすい。

シェフの意外な趣味がヘラブナ釣りだとは前に伺っていたが「今、釣り仲間から電話が来たんですよ。桜が咲く頃にシーズンが始まるんです」と語らってくれた。私は釣りはほとんどしたことがない……釣り糸を垂れたことは何度かあるけれど、まったく釣果は得られないでこの年になったが、子供の頃読んだ「釣りキチ三平」や、アクア系の本で、そのおもしろさはわかる。「ヘラブナは、酔っ払って釣り糸を垂れるだけじゃ絶対にひっかかってくれないんです」「賢いそうですねヘラブナは。そこが、日本の伝統的なスポーツフィッシングと言われるゆえんですね」「もう何度もひっかかったやつと勝負するのがねぇ…」シェフの釣り談義は止まらない。それを私も、本気で楽しんでしまう。そのへんが、意外といいらしい。楽しく商談終了。

その店の近所の薬局の若旦那は、私のアクア仲間だ。店に熱帯魚の水草水槽があり、たちあげの頃に飛び込んで「水槽立ち上げですか」と声をかけ、魚が入ってからもあれこれ談義をしている。高校時代からのアクアリストである若旦那とは、話が本当に合う。その頃って私が「アクアライフ」を読みながらお魚を飼う夢を膨らませていた頃。お魚の知能指数についてもよく語った。

私たちが「お馬鹿」と決めて盛り上がったのは、やはりめだか関係だ。とにかく殖える!うざいくらい殖える! 彼もかつてプラティやグッピーを飼ってみたが、あまりに殖えるのでほいほい大型肉食魚水槽に投げ込んだと語った。あーかわいそう、とは言いつつも、つい笑ってしまった。日本のめだかもそうだが、熱帯めだかも本当にお馬鹿で、目の前の動くものなら、自分が生んだばかりの子でもばくばく食べる。生んでは食い、負けずに生む。生むために食う。そして、他の生き物に食われる。こいつは、食われるために生まれてきたのか、さすが、食物連鎖の下のほう!と絶賛するしかない。こういう生き物がいてこその生態系だ。私は結構、こんなめだか類のお馬鹿なところを愛している。

賢い魚、というとうちの水槽ではフグ類だろう。あれは、魚類でもちょっとどこか違う気がする。動きや反応が本当に他の魚と違うのだ。うちはナマズやドジョウ、カラシンなどいろいろ入れていてそれぞれに個性的だが、フグの個性にはかなわない。あれは、人との関わりをものすごく意識しているようなのだ。

植物の「蘭」が、動物的だといわれるように、フグは魚類と言うよりはどこか哺乳類的だ。なつくし、すねるし、飼い主とのコミュニケーションやかけひきを楽しんでいるようだ。猫に似ている。媚びてメロメロにさせるようでいて、決して飼い主に忠誠なんか誓っておらず、むしろ飼い主に奉仕させるような。寝姿なんか、猫そのもの。きゅっと丸まっている姿を幸運にも見かけると「あ~ここに小さな土鍋でも入れて、そこで寝たら『ふぐ鍋』で大人気ブログ間違いなしだわ!」などと馬鹿なことを考える。

と、超愛犬・愛猫家の女性クライアントに語ってみた。この方とも結構長いお付き合い。最初飛び込んだときはけんもほろろに追い払われた。見た目も少し怖いのだが、私はどこかで「この人とはうまくいくんじゃないか」と感じた。負けずに顔を出し、雑談をしていたらお仕事をもらえた。なぜか、ライバル会社にも「こんなすごい人材がいるのよ」と紹介してもらえたw。無駄に知識(だけ)があるのが、興味を引かれたようだ。すでに犬、猫をたくさん飼い、これ以上ほかの生き物になんか手を出せないわ、ダンナが怒るし、という彼女だが「あなたが言うと、フグ飼いたくなってくるわ~~!」と目を輝かせてくれる。その前に、新しい契約くださいよぉ…という気もあるけれど、あの当時のけんもほろろを思い出すとどうでもよくなってしまう。人間、どんなことでも評価されるとうれしいものだ。

学歴も資格も無いが、無駄な知識はけっこうあるオタクな私。塾の先生、文学青年、歴史趣味の人、生き物好き…などには妙に愛されることに気づいた。昔ツアーの企画などをやっていた人にはひょんなことから「タダモノじゃないねw」とお褒めいただいた。それで契約ゲット!

ああ、今まで生きてきて良かったなあ。恥の多い人生だけど、どこかで私を面白がってくれる人はいるんだなあ。

……今のお仕事が、長く続けられますように……(子どもにさえ『ママの会社潰れそうだね』と言われるけど)

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愛娘の最近のお言葉

春休みで帰ってきた娘が、何を見たのか帰宅直後の私に言う。

「ねー、そばアイスって食べてみたいなあ」

「そばアイス?」

前に長野旅行をしたときに、そんなのなかったっけ。なんとなく、そばの名産地のみやげものやで売っていそうだ。

「そうねー長野とか行くとあるかもねー」

「長野?」

「うん、おそばが名物でしょ」

「そっか、『信州そば』かー」

おお、社会が大の苦手と言っていた娘だが、信州そばを知っていたのね。こういうさえいげない親子の会話から、地理や風土を教えてやらないと。娘はうんうんうなずきながら何か考えていた。

「で、『信州』ってどこ?」

「……長野……」

「あ……」

ああ、どこかぬけている愛娘。顔を真っ赤にして「いっ、今のはギャグよ!ギャグで言ったんだからね!」……いや、その天然キャラを、ママは何年見てると思ってるんだ……

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2008年3月25日 (火)

人の攻撃性はどこに向かうか~私の「無差別殺人」未遂~

私にも、「ここのやつら、みんなぶっ殺してやりたい」と思った瞬間がある。

それは私に何の危害を与えたわけではない、何の接点も無い人々。とあるお祭りで、楽しそうに家族やカップルで夜店を楽しんでいた人々だ。私はその人ごみにもまれながら、自分の心から沸き出でてくる刃物で、無差別にめった刺しにしたいという衝動にかられたのだ。

それは、自分の孤独を感じ、世界中の誰もが自分を嘲笑し、敵に回っている……という妄想にとらわれたときだった。夫に捨てられ、仕事はうまくいかず「何をやらせてもダメな人」の烙印を押され、唯一心のよりどころである子どもともうまくいかなくなった。自分の親、最近会っていない親友、みんな、自分の妄想の中では私をあざ笑っているのだった。

…幸い、その時は刃物を持っていなかった。私は刃物を買わず、ウイスキーを一本購入し、家に帰ってすごい勢いであけてしまった。そして絶叫、号泣、ご近所中に聞こえるような怒号をあげ、親や警察が飛んでくる騒ぎになった。

ああ、本当にみんなにあざ笑われることになった。いっそ小気味がよい。人間、落ちるところまで落ちたら、あとは這い上がるだけね。

私の場合、「落ちるところ」が微妙に新聞沙汰や裁判沙汰にならない落下点で、本当によかった。傷ついたのは、自分や家族(夫以外)だ。誰の人生も奪っていない。誰かに奪われた、と悲観していた自分の人生だって、なんだ、ちゃんと残っているではないか。ずたぼろにしてしまったのは、自分自身だ。

さて。私がこの騒ぎを起こしたときは、自分の生きがいともいえるテレビゲームの類を、一切断っていた。仕事ができるようになるのに必死で、やっているヒマもなかったのだ。私の異常な攻撃性は、テレビゲームで培われたものではない。私は、大人になってからゲームをいじりだしたし。ゲームのやりすぎで狂ったわけでもない。思いっきりはまった多くのゲームでも、私を本当に不幸や孤独にしたことはない。自分の不幸は、自分自身の問題で、攻撃性は自分自身から生まれたものだ。

少し仕事に自信がもてたころ、FF12が発売されて、久しぶりにコントローラーを握った。楽しかった。鬱々とした自分が生き返ったようだった。以来、「時間もお金も無いから、基本的にFF中心、本当に欲しいソフトだけ」と決めて、仕事の合間などに楽しんでいる。何百匹も、モンスターを狩った。けれど私の実生活が低空飛行ながらも満ち足りているので、他への攻撃性に発展することなんかないのである。ゲームの中で魚や爬虫類などを狩る一方、ペットのミドリフグちゃんや熱帯ナマズ、熱帯ドジョウ、熱帯メダカなどに目じりを下げ、だらだらと平穏な日々を送っている。

あー、なんてくだらない人生。

でも、こんなくだらない人生でも人に無理やり奪われるのはゴメン被るわ。もちろん、自分が誰かの人生を奪うなんてとんでもない。

昔執着していた「幸福な人生」の呪縛から放たれ、誰も恨まず適当に生きている自分。心身ともにたるみきっているけれど、とがったナイフみたいな若い頃よりずっと素敵だ。

すべての孤独な若者が、何らかの輝きを取り戻せますように。

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2008年3月24日 (月)

ミドリフグに川海老を与えてみた

地獄の水槽からわが家に来たフグはとってもご機嫌。水質も安定していて、いい感じである。赤虫を元気についばむ姿は本当に可愛い。しかし一方で、「赤虫だけでは栄養が偏るというし」と、そろそろ違うえさを与えたくなる。

わが家の近くには安い鮮魚店があり、運がよければ激安で活き貝などが手に入る。それを捌いて刺身などでいただくのだが、貝殻に残った肉の切れ端、ひもの切れ端などでもきっとフグにはいいご馳走になるだろう。

そして店に赴くと、貝類はそこそこだが、新鮮そうな川海老100グラム398円が半額になっていた。

半額で、グラム199円か。肉・魚類は基本グラム100円以内のわが家にとっては目玉が飛び出る高級食材である。が、熱帯魚たちのえさはもっと高額なのが普通だ。今使っている「テトラミンスーパー」は、安売り店で買っても100グラム当たり1100円を越す。赤虫は安価であるが、肉食魚の生餌は値段よりも命というプライスレスなものを扱う。

たとえフグが気に入らなくても、我々人間がかき揚などでおいしくいただける川海老が、このお値段ならよいではないか。

小さな海老をつまんで、水槽に突っ込んでみた。飼いはじめて4日、ミドリフグは私の顔と、海老を交互に見ながら、そろそろと寄って来た。

「私のこと、エサをくれる人くらいにしか思ってないんだろうなあ」なんていうレベルではない、と私は思っている。

「私なんて、エサの一部だと思ってるんだろうなあ」で、正解。

私は今日、海老を指でつまんで水面に突っ込んだ。…フグには、いつものようにピンセットがないのが不思議なようだった。私の顔と、指を見て、ゆっくり観察。たぶん、ピンセットは私の体の一部だと思ってるのだと思う。エサよりも、ピンセットを齧ってることもあるし、あのきらきら輝くものの先に、おいしいものがくっついてくる、という認識だろう。

じっくり、じっくり川海老と私を観察しながら、慎重に、海老の頭の付け根にかぶりついた。ふーん、足とか触覚とかからじゃないんだ……いきなり肉。殻や頭も食べさせたいんで、しばらくそのままじっとする。

危険がないとわかると、すごい勢いでついばみ始めた。ウマーーーーー!という声が聞こえてきそうである。

ある程度、肉がなくなったところで海老を放し、しばらく観察。おっとついでにカメラを……ブログ用にも、もう待ちうけとか、会社のパソコンの壁紙にも、この子を使いたくてたまらないのだ。親ばか全開と笑わば笑え。育児を終了した人は、ペットで親ばかするものなのだ。

しかし。カメラを出すとよよよよ~っと隠れてしまう。引っ込めると、出てきて海老をついばむ。再びカメラを出すと……ああ、カメラ嫌いなのね……orz

小さな海老だと思ったけど、完食するには厳しそう。ちょっとお肉を食べただけでもおなかがふくれてきたし、しばらく尻尾を齧ったりしているのを見ていたが、ころあいを見て引き上げた。ついでに、ころがっていた大きな糞をスポイトで吸出し、念のため亜硝酸チェック。もう、朝泣くのはいやだから。

☆  ☆  ☆

「このフグ、こういう理由でつい買っちゃったんだ」と、休日に話した。瀕死のフグたちの中で、ひとり勝ち誇ったように笑っていた男……いや、性別わからないけど、そういう少年漫画的ストーリーを子どもたちに語ったのである。

「だから、蟲毒の『こど』って名前にしようかと」と、私。

「やだー! だったら『ドク』がいいなあ」と娘。て、なんかそれ毒々しいし。

「おいおいフグの名前は『グフ』と相場が決まってるんだぜ?」と無駄にいい声で息子。

……これまでまったく無関心で、世話のひとつもしなさそうなのに、なんで命名権だけ主張しやがりますか、お子様方。

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トイレのドア破壊!~わが家のゲーム好きで切れやすい息子~

昨日、久しぶりに息子が大暴れした。

きっかけはまたパソコンだ。私が早起きしてあれこれとパソコンを触っているのに、子どもたちは昼までごろごろ寝ていて何もしない。昼食後も私がパソコンを触っていたら、二人が「ママはずるい」と言い出したのだ。で、私も怒る、息子切れる…息子は私をぼこぼこに殴った。……と言っても、らんま1/2の「徒手孝行連打」(うろ覚え)みたいなもので、数は多いがあまり本気だとも思わない程度の破壊力。ただし、腹はものすごくたつ。

口論中、私がトイレに入ったら息子が追いかけてきてこういうことになった。

Door …この間、ようやっと壊されたクローゼットのドアをゴミに出したばかりなのに。

……この、息子の切れやすい性格は、本当に治らない。

☆  ☆

荒川沖駅で、無差別殺人・障害事件が起きた。犯人は24歳の青年。異常事件が起きれば、その犯人の人物像に興味が行くのは当然だが、ネットなどをみていると、いきなりこうだ。

「ゲーム好きで切れやすい」「自宅に漫画100冊、ゲーム10本」

…すぐに、そっちに結び付けたいんだなあw

今時の10代20代なら、ゲーム10本、漫画100冊は決して異常な数じゃない。むしろひとつも無いほうが少数派だろう。そのほかにもその青年像には情報があるが、不思議とスポーツで有名な高校のスポーツ部にいたことなどは華麗にスルーされている。

「また、そういう報道されてるよ」

私は、大暴れの後遊びに出て、夜帰ってきた息子に話した。本人も飄々としてるし、暴力をふるうことも破壊することも日常みたいになっている。

「格闘ゲームとかで負けると不機嫌になったらしいね」「ああ、そりゃきめえわ」
息子に言わせると、ゲーセンでも、そういうやつはきもいやつで、ほとんどのゲーム好きは礼儀をわきまえ、ちゃんとしているもの、ゲーセンは悪いところじゃない!と、いつものように主張し始めた。たとえそうでも中高生がうろうろするところじゃないと思うけど、一種の社交場であり、社会勉強の場でもあるのはわかる。

「ゲームの問題じゃなくて、切れやすいとか、自己中心的な性格が問題なんだと思うけどね。どうも、若いのが騒ぎを起こすとゲームに結びつけたいんだね、マスコミって」
「マスコミきめえよ!w」

……いや、あんたも相当切れやすくて自己中心的なんだけどね。

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2008年3月23日 (日)

バグ?FFADSでリディアがモノクロに

子どもとお魚だけでなく、FF4DS3周目のキャラクターたちも育成中。

3周と言っても実質5周か6周。アダマンアーマー装備でほぼ全滅の恐れもなく、育成が本格化するレベル70までは着々と進める。声付きイベントも、見ようと思えばシアターで見られるのでばんばんスキップ! 声や演技が微妙なアンナのシーンは、とくにスキップ! 「ぐぺぺぺぺーーーー!」のあともすごい勢いでスキップした。

そして朝。「よーし出発だ!」のシーンに来た。

Bug ……あれ。

緑の髪をなびかせているはずのリディアが、全体的にグレー……

ちょっと、肝が冷えた。何かまた、恐ろしいバグでもあるのかと。

キャラクターを入れ替えると、他はちゃんと色がついてる。リディアだけ、モノクロなのだ。

この宿を出ると、めでたく元に戻った。……大丈夫だろうか、このまま進めて…

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2008年3月22日 (土)

人はなぜ愚行に及ぶのか~ミドリフグに再挑戦~

ミドリフグ3匹を☆にしてしまった私。十分に水が出来上がっていなかったと思われ、これまでの野生のカンでのほほんとお魚を飼っていた自分を猛省。試薬を買い、じっくりと水質を調べ、水流を悪くする人口水草もとっぱらってみた。

もうほとんど、問題ないくらいの水質になった。それでもさらに水質管理用のグッズが欲しくなり、セールを行っている熱帯魚屋さんへ。…このときは「焦っちゃダメ…でも、ミドリフグの状態が良かったら、お迎えしてもいいかも…」と考えていた。

セール日のお店はすごい人出。右往左往しながら目当てのグッズをかごに入れ、ようやく落ち着いたところで生体売り場に。はあ、自分では到底飼えない魚もたくさんいて、うっとり。

ミドリフグ水槽に来た。何匹か寄って来る。本当~~~に可愛いなあ。

……がしかし、よく見ると、状態があまりにもひどい。どのフグも、尾びれが欠けている。白く変色したヒレが当たり前で、中には傷跡が白く膨れ上がっているのもいる。明らかに色がどす黒く、透明感もないまま横たわっている個体もいる。

「こんなお店では買ってはいけません」を絵に描いたようだ。

「これはひどい……」どんな素人でも、このミドリフグたちをお迎えしようなんて思わないだろう。てことは……死神と取引しなくても、この子たちの「カウントダウン」が見えてしまう。

しかし、ついつい観察すると、一匹だけ比較的ヒレが健康で、体色も良く、ひときわ大きいコが目に付いた。

……このコは意外といけるんじゃないかな。……しかし、ここにいる限り、一緒に処分されそうだ。ここにいるよりは……いや、前の教訓で、状態のいいのを買おうって決めてたじゃない……こう見えても弱ってるかもしれないし、病原菌だらけかもしれないし。

……一方、まだまだ、うちの水槽が完璧とはいえないかもしれない。このコを、パイロットフィッシュ扱いしちゃうかもしれない。そ、それでも

うちに来てくれますか???お互い、ダメモトで。

「すいません…ミドリフグの、あの、一番大きいのください」

買ってしまった。

Kodo1

本当に、あの地獄の中で奇跡的に健康な子だ。ふっくらとスタイルもよく、食欲旺盛。というか、もしかして他の個体をあんなにした超本体か。

無数の妖怪をひとつところに閉じ込め殺し合いをさせ、最後に生き残った妖怪を……なんて「犬夜叉」でやってた「蟲毒」を思い出した。

もしもここで生き延びることができたら、「蟲毒」のコドちゃん、なんていう名前にしようか…

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ウインドウズがいかれたらしい

20日から、パソコンがほとんど使えなくなってしまった。

何回やってもウインドウズが立ち上がらない。たったと思ってもすぐにおかしくなってしまう。今、サポートに電話してなんとか立ち上がったところだが、「念のため今のうちにバックアップを取ってください」とのこと。本気でまずそう。ブログ内検索で、この「ねんがんのパソコンをてにいれたニアころしてでもうばいとる」ちゃんを買ったのは2006年10月と確認。たった1年ちょっと……

で、その1年ちょっとでなんなんだ、これは。

私はパソコンやネットで重要なものをパソコンディスクの本棚にまとめておいたはずだ。

それが、なんでカップ麺やスナック菓子、ティッシュごみでうもれて、肝心のものが何も無いのだ????

このパソコンを買ったときにたしかディスクが何枚かあったはずなのに

「何それ。俺知らない」

……orz

とりあえず、自分のデータを外付けHDDに移すことにした。「で、どうやるの」…情けないが、私もこれを買って息子に取り付けさせたものの、全然使っていなかった。「マイコンピュータ開けよ~」言われたとおりに開けて見ると、息子のデータがいくつか入っていた。「なにこの『幼女』なんとかって」「気にするな」……なんで自分のフォルダの中に隠しておかないんだ、この子は…。

こういうときのために、ウイルスバスタークラッシュ事件のときに活躍したノートパソコンがあったはずなのだが、「俺知らない」…無くしたんか! 息子の部屋に前のパソコンもあるのだが、なぜかマウスが無い。どうなってるんだこの家は。

必要最低限の作業を済ませたら、とりあえずディスクとノートパソコンでも探す休日の予定。

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2008年3月19日 (水)

おめでとう少年サンデー&マガジン50周年号!

いよいよ出ましたよ、一歩とコナン奇跡の握手号が。

少年サンデーと少年マガジン、日本の漫画シーンを支えた偉大な週刊少年漫画雑誌が、ついに50周年。年も同じなら発売日も同じ、勢い熾烈なライバル同士だった両誌だが、このたび仲よくタッグを組み、ともに50周年を盛り上げることで、すっかり漫画から離れていたような大人にも最アピールを狙ったようだ。

「今日のマガジン、サンデーは見ものだよ」

終了式のため、必死で起きたむすこに声をかけた。

「なんと、左にマガジン、右にサンデーを並べると、一歩とコナンが握手するというコラボ表紙になってるんだよ」

「それはすごい」

寝ぼけ眼の息子も興奮だ。

私が両誌を読んでいた頃には、「創刊20周年」があったと思う。その頃にも創刊誌の長島、朝潮の表紙はレトロ感たっぷりで歴史を感じさせるものだったが、50年ともなると重みが違う。半世紀だ。もはや、歴史だ。老舗だ。懐かしいヒット漫画も、自分の世代では大して思いいれは無いけれど、名前くらいは知ってる漫画などに目を細めた。

「これは買ったほうがいいんじゃないか」
「うん、さっき辛坊さんも口走ってたよ」

今日もいろいろ忙しいお仕事だが、ずっと外出できて、時間の制約は意外と無い。大事なアポイントメントを押さえれば、基本的に自由。得意先を回りながら、銀行などの用事をこなす。

で、合間に入ったコンビニ。当然この、素晴らしいコラボ雑誌を、美しく並べていると思ったが…

なんで、一歩とコナンを背中合わせに置いてるの……

ああ、こんなわかってない店にはかまってられないわ、と別の店へ。するとこちらも見事に背中合わせ。コンビニ店員は、この世紀のコラボを知らないのか、それともマガジンとサンデーには永遠に背反しあってほしいのか???

こっちの店は、ちゃんと握手をさせながらも、表紙を上下さかさまに置いていた。見えるのは、雑誌名だけだ。コンビニの下段だと、誌名が見えるように上下逆さにディスプレイすることが多いのだ。わかってるけど…わかってるけど、今日のこの日くらいは小粋な特別ディスプレイをするお店はないのか???……無理だよね、今の世の中、店員、いや店長の判断でさえ、ディスプレイを変えることなんてなさそうだし。いい販売促進なのになあ…

とある店では、誰かが関係ない雑誌の上に、目立つように2誌を並べていた。テロリストがいたかw 気持ちは分かる。売り場を荒らしては、いけないけど。

とりあえず、マガジン、サンデーをちょっと読んだ。絶望先生を読むのは、習慣だし。最近のマガジンは、麻薬売人を扱ったのと、花形と、徴兵制漫画がちょっと気になる。

そして、ずっと手にも取らなかったサンデーも読んでみた。あだち充、高橋留美子も連載してるのかてか、犬夜叉、まだやってるのか……四半世紀以上も少年誌第一線で活躍するのはすごいことだ。ふと、小山ゆう氏と池上遼一氏のエッセイコミックが目に付いた。私世代には本当に懐かしい面々だ。ことに、池上氏の漫画は必見だ。あ、あの流全次郎が、美麗なタッチそのままにどつき漫才をしている!そして当時の制作現場が登場。あ、あの白井さんが!

サルまんでおなじみの白井編集長、当時の池上担当だったのか。絵が池上パロのサルまんを思うと感慨深い。きょ、強烈なキャラクターなのは間違いないんだな……と知った。

とにかく、サンデー、マガジン50周年おめでとう。

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胸の激痛に耐えてみた~ココログメンテナンスの朝~

昨日朝、猛烈な左胸の痛みに苦しんだ。

動くと痛むので身動きとれず、ひたすらうなる。最近不整脈がひどかったが……とちょっと焦るが、痛んでいるのは心臓ではなく、胸の前のところと背中のところだ。

少し落ち着いたので起き上がり、パソコンを立ち上げてみる。息子を起こすとか、救急車に電話するよりそっちが先、というのは私らしいw。

どうも「肋間神経痛」というのがあてはまりそうだ。

原因、治療法、どこの病院に行けばいいのか……など調べたが、問題はとても会社を休んでいるヒマがないことだ。その日などは朝からあちこち走り回るのが決定していて、医者に行けるとしたら、午後遅く……。

珍しく、息子が起き上がり、私の異常に気づいた。「病院行けば?」「行けないんだよ…ああ~夕食の下ごしらえしようと思ったのに、とても無理~」「いいよ、無理すんな。今日は外食してきなよ」
……さては今夜も遅くまで出歩くつもりだな。

とりあえず痛みを抑えるのに、冷温湿布がよさそうなので、ひじ用に買っていたのをそっと左の肩甲骨あたりに貼った。
「おおおお」
一気に、ラクになった。さらに即効ではないと思うが、五十肩や関節痛、神経痛を抑える薬を引っ張り出してきて飲んだ。
これで一気に元気になり、分刻みのスケジュールを徒歩でこなした。

帰りの電車では爆睡、駅で降りることができなかった。

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2008年3月18日 (火)

息子の筋肉を有効活用してみた~粗大ごみ運び~

長年の課題であった、粗大ゴミを出すことに成功した。

わが家は夫が家出をしてからというもの、何かと手のかかる息子と幼い娘、心身壊れ果てた母である私、という崩壊した家庭である。ことに私が転倒から右ひじを痛めて以来、ものを運ぶなどの作業ができなくなった。病気して手術入院してから、まともに家事もできていない。毎日仕事をして、子どもを養うのが精一杯である。

息子によって破壊されつくした家は、どこから手をつけていいかわからず、リフォームする金銭的余裕も無い。このままゴミ屋敷と成り果てるかと恐れながら、一応、ゴミ箱を使うという概念の無い息子の出したゴミと格闘、ちょっと掃除でもがんばれば殴られるという日々を、数年過ごしてきた。

しかしどうにもならないのが粗大ゴミだ。とりあえず、息子が破壊したドアと、息子が寝床にしてきたが、パイプが折れ、中身がむき出しになり、いろいろ危険な状態のソファだけは、なんとかして処分したかった。

しかし、運び出す手段が無かったのだ。私では玄関に引きずるのが精一杯で、当然玄関がゴミだらけ、私はひじの炎症で寝込む日々、の状態。そのまますごすのも辛かった。

しかしようやく、息子と話し合い、そのふたつを出すことに成功したのである。

……あれだけ念を押したのにも関わらず、息子は約束の時間に、なかなか起きなかった。粗大ゴミは、決まった時間に決まった場所に出さなくてはいけない。それが今まで不可能だった。今日は、不可能に挑戦したのだ。

うにゅうにゅ言いながらも息子は起き、着替えを始めた。「あんたが頼りよ」となだめすかし、ゆっくり時間をかけて誘導した。

ソファは、大して重くは無いが持ちづらい。しかし、息子はすぐにコツをつかみ、片腕で抱えて玄関を出た。「じゃあ、私はこのドアを」とがんばってみたが、いかん。痛んだひじと、そのせいで甘やかされまくった腕。木のドアは、全然動かない。「ちょっと待てよ」息子はいったん玄関に戻り、それをひょいと持ち、ソファとドアを抱えて歩き始めたのである。

「……やっぱり男の子は育てるもんだわー」

私は手ぶらで一緒に歩きながら、息子の筋力と頼もしさを褒めた。

「俺は無駄に筋肉あるからな」

まあね。その筋肉、ウマウマダンスだけで使ってるのはもったいないね。

息子は朝っぱらからの労働にも関わらず、気持ちよくそれをこなし、少し片付いた玄関を通って、一日機嫌が良かった。なぜか私のそばにぴったりくっついて、いっしょにロマンアルバム「電脳コイル」を楽しんで。

……この勢いで、家中の壁の穴をなんとかしたいものである……。いつの日か。

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2008年3月17日 (月)

リディアが火を恐れる理由~ゲームで描かれる「死」~

モンハン関連の記事を書き始めたので、あの問題に関心のある人が結構来てくださっている気がする。私が実際にモンハンをやっていないし、いろいろ勘違いしている部分もあるかもしれないのは、ご容赦いただきたい。

息子に、ちょっとプレイ画面を見せてもらったが、やっぱり目に付くのは攻撃したときに飛び散る血の表現だ。うわ、これは「15歳以上推奨」になるわ。しかし、私はこれも評価したい。

モンスターハンターは大人気ソフトであるが、この表現のため年齢に制限がある。もしも血を出させず、皮や肉を利用するようなちょっと生々しいことをしなければ、全年齢対象でも問題なくいけ、もっと売れたかもしれない。しかし、製作者はきっと、あえて「15歳以上対象」という足枷を食らってでも、この表現を選んだのだと思う。「狩る」「殺す」「生命を利用する」という感触を、プレイヤーに与えるために。

血なまぐさいのはイヤだけど、じゃあ私の大好きなFFみたいに、切っても突いても血が出ない、死んでも生き返る、というのが本当に教育にいいの?という疑問は絶対に残る。別にFFに限らない。今、子どもたちが触れられる表現には血なんかなく、死体も無い。死の影がとことん排除された状態なのだ。

それが本当に健全なのか?

ファイナルファンタジーシリーズは、テレビゲームが「子どものもの」だった昔から、むしろ「死」を扱うゲームだった。とにかく人が死ぬ。ともに冒険した仲間が、何かと助けてくれた人が。それは製作者の坂口氏が、当時最愛の母親を火事でなくした経験から、と聞く。

今日はFF4DSをやる時間がほとんどなかったが、ホブス山を越えるシーンに来た。

幼い召喚士・リディアは、めきめきと育ち、強い魔力で黒魔法と召喚魔法を使いこなす。しかし、なぜか黒魔法の初歩中の初歩、炎属性の「ファイヤ」が使えない。プレイ中に「あれ?」と思うが、それがホブス山に入るときにはっきりする。

山道をふさぐ巨大な氷塊。白魔道士ローザは「ファイヤを使ってみて。あなたしかできないの」と説得する。しかし、リディアは恐れるのだ。かつて愛する母を、生まれ育った村を焼いた炎を。

彼女の心の傷を作ってしまった主人公は自分の罪を再確認する。そんな彼の愛する女性は、それと知っても、世界を救うために傷を乗り越えて、と厳しいことを言う。憎しみ、恐怖…幼い少女はすべてを乗り越え、氷塊に炎を放つ。

べったべたな展開だけど、当時の製作者のエピソードを知ると別の感慨が湧いてくる。死を受け止める、傷を乗り越える、そんな力強さが、このシーンにこめられているのだ。ゲームクリエイターだって、数字を追うだけではヒット作は作れない。何かしら、メッセージのあるものが受け入れられるものだ。

FFシリーズは、今は生みの親の坂口氏も離れ、「全年齢対象」のメガヒット作、王道を行くべく進化している。ターニングポイントは、FF7だろうか。PSの最大話題作FF7は、普段ゲームをしない人もこぞって「最新の映像表現」に飛びついた。たった一日で、CD-ROM3枚組みのソフトが180万本売れる異常事態。10年たった今でも、大人気のソフトである。

しかし、途中で死を迎えるヒロインの存在が、大変なことになった。若い世代は、当時流行っていた漫画や他のゲームのように、当然いつか彼女は還ってくると思ったようだ。ネット上で真剣に彼女の生還ルートなどが語られたらしい。株主会議というオトナの世界でさえ、「エアリス生き返らないんですか?」なんていう質問が飛び出たという。さらに、彼女を死なせるシナリオを提案したと報道された某ゲームクリエイターには、未だに誹謗中傷が絶えない。

な、なんなんだ、と思った。今の若いコって、人が死ぬのが理解できないの???

以来、「人が死ぬFF」は、ほぼなくなった。映像表現は豊かになったが、当然血なんかでない。別の理由もあって坂口氏は離れ、FFは全年齢対象、最先端の映像でかっこいいFFの方向に向かうようだ。

ジャッキー・チェンの映画のように、ひたすらかっこいい痛快アクションっていうのもいいけれど、そこに「死」という影があり、ドラマがあるのがFFのよいところだったのに。でも、こんなに映像がリアルになっては、血も流せない。数字を追うためには、「全年齢対象」ははずせない。

ああ、「ブシドーブレード」やりたいなあ。

これは、FF7とあまり変わらない時代に、当のスクエアから出たゲームである。当時は本当に実験的な意欲作をどんどん出させた、ゲーム黄金期だった。これは格闘ゲーム形式であるが、とことんブシドーにこだわり、斬れば血が出る!腕を切られば腕が使えなくなり、足を切られれば歩けなくなる。卑怯な手段で背中から切れば即負け。また、負けを悟れば潔く切腹もできる、と、非常におバカなくらい、ヘンにリアルにこだわったブシドーであった。

斬っても突いても焼いても何もないゲームのおそばに、こういうのもいかが?

これもまた、ひとつの表現だ。もちろん、当時でも「残酷・グロテスクな表現が含まれています」表示だったと思う。(2からだっけ?)

残酷なものを子どもたちの周りから排除すれば、子どもたちが健全に育つなどとは私は思っていない。人間の性からいけば、子どもたちがそういうものに興味を持つのは当然、ことに男の子には、攻撃性が強いことがあるのだ。ヘンに抑えこんでも仕方が無い。狩りも戦争も無く、小さないじめも許されないのなら、ゲームででも攻撃性を発散させとけ。

で、大事なことはゲームに限らず、本やテレビなどに育児を任せないこと。それをどう捉え、考えさせ、判断させるかは、やっぱり親や、周囲の大人の仕事なのである。

そういう意味で、投書した母親は偉い。

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2008年3月16日 (日)

「若い世代」を語ってみた~モンハンどんどん怖いイメージに~

今日の朝日新聞声欄「若い世代」に、先日書いた猫いじめゲームの話題が盛り込まれていた。(以下緑字は引用)息子と同世代のその人は「小学生が猫を切り刻み、それを大人が作っていることや」などと、昨今の世相を憂い、愛猫とのふれあいを語り「両親は一貫した教育方針で私たち姉弟にゲーム機を買い与えなかった。このことに改めて感謝している。猫などの弱い命を粗末に扱う人たちから、わが家のミッチーをしっかりと守っていこうと思う」としめている。

おーーーい息子~~!この間の投書、やっぱり真に受けられてるぞ~~!

ゲームをさせないのは素晴らしい教育方針で、私も実は昔そうだった。世の中すべてがゲームをやっていたとしても、わが道を行くことは大切だ。「小さくて可愛くて、心地よいぬくもりがあって、なんともいとおしい存在」を守ろうと思い、命を粗末に扱うすべての人に憤りを覚えるのも当然。

しかし、やっぱり私でさえこの投書を読んで「一体どんな恐ろしいゲームが子どもたちに流行っているのかしら」と震えてしまう。ゲームなんか知らない世の純朴な朝日新聞読者は、「やはりゲームを子どもにやらせてはいけない」「利潤追求のために動物虐待ゲームを売る企業を糾弾せよ」くらい言い出しそうである。

ゲーム名は書いていないけれど、私も、ゲームに詳しい息子も「モンスターハンター」のことだと推察している。発売元は、ゲーム大手のカプコンだ。「またカプコンか」と、つい私は漏らす。カプコンは、数々のヒット作を世に送り出しているメーカーだが、ストリートファイターシリーズ、バイオハザードシリーズなど、ヒット作の影に「暴力的」「残酷」などの批判も生んでいる。

だけど、多くの人を魅了するソフトを出しているのは間違いない。このモンスターハンターなんか、これまでの「問題作」に比べてもそんなに問題なさそうに見えるんだけど。私は最近の、新作バイオハザードは黒人殺しゲーム、という話題について、ムービーを見た限りでは非常に不快感を覚え、息子と激しい討論になったばかりだ。しかしモンハン自体はとってもコミカルで、動物虐待なんていう恐ろしげなイメージとは程遠い。

そこでモンハンプレイヤーである息子に聞いてみた。「あんた、黙ってていいの?こういうところから、あれこれ禁止されたりすることが多いんだよ?」と。

息子は改めて、前の投書と、今日の若い世代の投書を読み「……これって、原稿用紙とかに書かなきゃダメなの…?」と言い出した。やはり、思うところはあるらしい。あるのだが

「猫を殺すゲームか?と言われれば、そうとも言えるし、そうでないとも言える」

「猫嫌いの人が、このゲームで好んで猫を虐待しないかといわれれば、オレは否定も肯定もできない」

「そういう素因を持つ人が、幸いこのゲームで満足して、実際に虐待しなくなるかもしれないし、逆にこれで刺激されて実際に猫を虐待するようになるかもしれない。俺は、それをどうということもできない」

なんか歯切れが悪い。要は非常に自由度の高いゲームであって、行動はプレイヤーに任される、ということだろう。まあ、とりあえず、本来猫いじめ、動物虐待が目的のゲームではない、というだけでもメーカーやソフトは救われるよ。

「俺は、もともと猫好きだったけど、このゲームで、ますます猫が好きになった」

恐らく、そういうプレイヤーが多いと思う。シーンによってはこんにゃろー!と攻撃することもあるかもしれないが、「切り刻む」というような生々しいことはないだろう。

「俺は、子どもの虚構と現実の区別をつける力を持たせるのは親のやることだと思う。そういう区別がつかない人間が、こういうゲームをやってどうなるかなんて、俺には責任持てない」

うん、それも20年くらい前から言われていることだ。テレビゲームができるはるかにずっと前から、子どもっていうのはかなり残酷な御伽話なんかで育ってきたわけで、フィクションを楽しみながら、ちゃんと得るものは得て、大人になっていたもの。その後、テレビや漫画、アニメ、ゲームと、刺激の強い表現がたくさん出てきたが、育児教育をよほどテレビなどに任せっぱなしでない限り、子どもはちゃんとするものだと信じたい。

息子は言う。

「俺は、どうしても客観的に見てしまうんだ…。世の中にはいろんなヤツがいるから、これで何かするやつが出ないとは、どうしても言えない」

そうか。それもそうだな。

まあ、私も未プレイだし、カプコンやモンハンに何っの義理も無い。声を上げるかどうかは当のプレイヤーしかいないんだから、あとは当人たちに任せるしかほかはない。ネットの、仲間うちであれこれ言ってても、そんなの見ない人たちに声が届かないと、なんにもならないからね。

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2008年3月15日 (土)

熱帯魚の病気と水質について母子で語った

ミドリフグ全滅以来、大水槽といずれフグをお迎えしたい水槽の水質をチェックするようになった。

試験紙を使い、神妙な顔で色を見ている私を見て、久々に娘が水槽に興味を持ってきた。この娘ときたら、ペットを欲しがることは欲しがるが、手に入れれば世話は母任せ、見向きもしなくなるのだから……。

そして、どうやら白点病らしいプラティに気づくのである。

1匹、明らかに様子がおかしく、ぽつぽつと白いものが見える。

「どうするの?隔離したほうがいいんじゃない?」

珍しく娘がまともなことをいう。

この魚は体が弱いのかずっとぐったりしていて、恐らく長くなさそうだな……と見ていた子だ。そのまま数週間たち、一昨日から白点が見られた。

メダカの仲間であるプラティは非常によく殖える魚で、これまで私は「あるがまま」にしてきた。はじめ爆殖したが、個体が増えれば捕食者も増えるので、最近はすっかり落ち着いた。一匹たりとも落とさないようになどとがんばっても仕方がなく、もしもそれをやっているとプラティに家をのっとられてしまうだろう。ブログに書いたこともあるが、奇形が早く死んでいくのも自然の摂理、大きくなった老魚が逝くのも自然の摂理、弱い個体が淘汰されるのも、仕方がないと割り切るしかない。

しかし、白点である。これには私も悩んでいた。ふと見ると、水底で休んでいる病魚に、世話焼きのコリドラスが寄り添っている。ああああ、かわいいけ光景だけど、うつるからダメー。いくらちょっと飽きている水槽でも、病気で全滅させるなんて、自分が許せない。

かと言って…。子供の頃飼っていた金魚などなら、小さな水槽にでも移してやれば隔離はすぐできたし、塩を入れてやるなどして治す、ということが普通にできた(子どもの頃のことなので、成功率は高くなかったが)。しかし、高い水温が必要な熱帯魚だし、どうしようか……私は、ネットなどをちょこちょこ調べまわった。

「前なんか、うろこがぶわあっと逆立っちゃったプラティがいてさあ」

「ええええ」

娘は驚いた。いや、私も当時驚いた。なんで?うつるの?死ぬの?仕事も忙しいし、家族もゴタゴタだし、それでも少しずつ調べて…

「でも時間がかかってね……そうやって手をこまねいている間に……」

「……死んじゃったの……('A`)?」

「全快した」

「はあ( ゚д゚ )?」

娘は笑うような、怒るような不思議な表情を一瞬のうちに浮かべ、あとは

「(`Д)ひどい!それひどい('∀`)!!」

と何かを激しく非難し始めた。な、何がひどいのか。死んだほうが良かったとでも言うのか???私は安っぽい小説を書いているのではない、本物の命を語っているのだぞ。

娘は、そっちの小さい水槽に移したらどう?と言う。おあつらえ向きに、塩分入りの温泉状態の水槽だ。

「おいおい、これはフグを入れるのに調整中の水槽だ。そこにわざわざ病気を持ち込むのはいかがなものか」

「そうか…」

とりあえず、息子が部屋に転がしていたペットボトルを切って簡易水槽を作り、水槽に浮かべて隔離することにした。エサは奮発して赤虫。弱っていても食欲はある子なので、これで少し精をつけてほしい。極力、自分の力で快復することを願う。また、他の魚たちも栄養摂らせて抵抗力をつけるのだ~。私の赤虫信仰は、前にかなり死にかかっていた金魚に、活き赤虫やパックで赤虫なる半生赤虫のサンプルを与えたら、一気に元気になった体験からである。

「そういえばさあ」

私は話を続けた。

「あの巨大化した赤プラティだけど」

尾にミッキーマウスの模様をつけた、愛らしいミッキーマウスプラティだが、異常に殖えるうえ、いつしか模様もぼやけ、なんだか微妙に可愛くもなんともなくなった、と私も娘も言っている。白はなぜか育ちにくく、今は巨大なのが1匹しかいない。赤はもういいよ、みたいな空気が私たちにある。ごめんよ、そうなっていくのは君たちのせいではないのにね。

「2週間くらい前、なぜかわき腹に傷があって、なんかにょろっとしたものが出ているような、そんな感じだったのよ」

「(( ;゚Д゚)) ギャ…そ、それで?」

「あー、もうさすがに寿命だし、これは仕方が無いかもなあ……と手をこまねいているうちに、全快したわ

「ひでーーーー(゚∀゚)」

だから、何がひどいんだって。

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2008年3月14日 (金)

ホワイトデーの我が家

昨夜12時を過ぎた途端に、息子が「キットカット雪見桜」をくれた。

「一応、チロルチョコ貰ったし」

ああ、バレンタインデーに、210円のチロルチョコ詰め合わせバレンタインモードをあげたっけ。チロルチョコは安いのにおいしいよねー。雪見桜味とは初めてだが、キットカットを食べてみた。ほんのりさくらんぼのような甘酸っぱい香り。今年の母子の心のふれあい終了。

娘が帰ってきて語り掛けてきた。

「ねー。ムスカのものまねをしたらさあー」

ムスカとは、「天空の城ラピュタ」の悪役だ。冷徹なしゃべり方が独特で、何かと人気がある。

「似てるって言われたんだけど、これって喜んでいいのかなあ」

娘よ。そんなことで小さな胸を痛めるな。

「『腐児子ちゃんて、ムスカに似てるね』って言われるよりいいじゃないの」

「ちょwwww」

こうして私は、多感な少女の悩みを解決した。

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2008年3月13日 (木)

敬語はどこへ…最近とても気になること

最近…というか、育児を経て社会復帰してから、いろいろ世の中が変わったと思った。

たとえば、とても不寛容になったこと。バイトにさえ、ひとつのミスも許さない!という空気が流れてる。昔私がバイトしてた頃、正社員だった頃なんて、「残機99」って感じだった。若かったから、あるいは女の子だからと多目に見られてたのかもしれないけど、一度や二度のミスでクビが飛ぶような雰囲気は無かったと思う。

今は「残機3」だ。人によっては、「ワンミスゲームオーバー」。時給なんぼのバイトやパートにも責任が大きくかかり、ちょっとのミスも許さない!という感じだ。

それと、敬語が変わったと思う。昨日の日記つながり。

「近頃の若い者は」と嘲笑する言葉は、古代エジプトにも記録されているくらい、きっと普遍的なものなのだろう。私は「新人類」と揶揄された世代で、やはりあれこれと非常識っぷりを笑われたものだ。

ええ、社会に出て間もない頃には、誰だって失敗しますよ。電話番ひとつでも「○○部長は、いらっしゃいません」なんてやらかしちゃったり、それはもう、いろいろ。

けど、今結構多くの企業で平気で自社の者のことを「店長様は今日はいらっしゃってません」「マネージャーは、ただいま外出していらっしゃいます」などと言うのだ。もちろん、私の主観ではあるが、え、ここって超有名企業のはず……?この人、バイトじゃなくて、社員さんで1年以上いる人だよね……?などと悩む。

今は、これが当たり前、なのだろうか。

自分に自信が持てない。育児で10年のブランクは大きい。今の会社だって、封筒をセロテープでとめている。私は昔、それは失礼なことで、必ず糊付けするものと教わったので、絶対にそうしているのだが、私の方が非常識なのかもしれない。

たとえ自分にとって超目上の人であっても、相手が御用聞きレベルであっても、「申し訳ありません、○○は只今席をはずしております」じゃないのだろうか。

これが今の日本語なのか。それとも、そこの社員教育がなってないだけなのか。しかし「あそこは教育がなってないねw」と笑うには相手企業が大きく、また多すぎる。

もしかして、今私は電話を受けて「○○は本日お休みをいただいております」などと応対しているのも、「あそこの社員は社長を呼び捨てにするよw」と笑われているのかもしれない。怖い話だ。

日本人は言葉遊びが巧みな民族で、言葉の変遷も激しい。常にアンテナを張っていないと、瑣末なことで大きな誤解を生むことになる。

というわけで、多くの世のおじさんおばさんとして、「ズームイン!」の羽鳥さんのバードウォッチング!コーナーを結構まめにチェックしている私。「KY」に代表されるような隠語的略語は、私はキライだ。ほとんど、誰かを排他、攻撃するための隠語のようだし。「超~」なんかのようにその世代だけで感動を分かち合おうという温かみが、無い。しかしここで取り上げられる「若者言葉」には、「今」を感じさせるものが多い。

で、今日このコーナーにメイドさんが出た。現役アキバのメイドさんだ。いきなりこのメイドさんオンステージになってしまった。

アサカラ( ゚д゚)ポカーン

なかなか可愛いお嬢さんで、有能そうだ。声もよろしい。

しかし、本当に「メイドさん」って、こういうイメージになってしまったなあ。本来メイドさんって、こんなにブリブリしながら、「ご主人様のドリンクに魔法をかけさせてもらいますぅ~☆」じゃないだろう。ついでに息子よ、本来執事と言うものは戦うものではないのだぞ。一応。

とことんかしづき、仕えてくれるメイドさんや執事に、通常では得られぬ快感を覚える人たち。それは別にいいけれど、同時に彼らに支えられながら、彼らの生活を支える「ご主人様」の立場を目指していってほしい。  と、世を憂いてみる。

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2008年3月12日 (水)

息子の殺意をそらしてみた~楽しい日本語~

先日日記に書いた、教師への恨みつらみを実名入りでネットに晒している人のことを息子と話した。

誰だってイヤな先生の一人や二人に会うし、子どものことを思って厳しかった先生や、本当に腐ってる先生や、いろいろいるだろうけど、でもそんな風になるんもんじゃないよなあ、という話題で終わるかと思ったが、ふいに息子の表情がこわばった。

まずい。スイッチが入ってしまった。

「オレ、今でもPのことは殺したいと思う。いや、マジ殺す」

一応、息子の主張も書いておこう。息子が不登校になった中学の担任だ。3年生数人に、暴行を受けたと、息子は先生に報告した。すると先生は

「3年生は受験で忙しくて、そんな余裕はないでしょ」

と突っぱねた。

息子は、同級生などからも嫌がらせを受けていた。1年生の頃上履きが消えて、以後息子は一切上履きを履かずに中学生活を過ごした。制服の胸ポケットに、……もちろんこれは、息子も悪いし本人も認めているのだが、PSのメモリーカードと生徒手帳が消えた。生徒手帳は困る、と思い息子は先生に報告に行った。「先生、胸ポケットに入れていた生徒手帳と……私物が盗られました」

「(ため息)どうせ、学校に持ってきちゃいけないものでも盗られたんでしょ(ぷい)」

おいおいメモカは確かに悪かったけど、生徒手帳は学校に持ってきちゃいけないものじゃないだろおぉぉぉ!と息子は、今や完全孤立したことを悟り、学校に行かなくなったのだ。

そりゃないよね、ホント。生徒に人気があるのがわかんねーって? そりゃ、きっと「いい子」には「いい先生」なんだと思うよ。規格外の子なんかかまってる暇は無い、というタイプの人なんだと思う。それも仕方が無い。熱血学園ドラマが受けるのは、実際にはそんなすごい先生なんかいやしないからだ。

しかし、息子、目をギラギラさせて殺す、ぶっ殺す、とつぶやいている。

「まあ、落ち着け」

「はあ? オレは思いっきり、落ち着いてるよ。きわめて冷~静に、Pぶっ殺すって言ってんだよ!」

「だから落ち着け」

「だから、落ち着いてるって!」

「先生には敬語を使わなくてはいけない。アンタの持論だろ?日本人の敬語っていうのは凄まじくてなあ、たとえばその最上位にある天皇を殺そう、なんていうことになったら、そこにも敬語を使うんだよ」

( ゚д゚)ポカーン

「あ~~ママ、高校の古文で習った気がするけど、それは忘れちゃったわ。けど、日出処天子で使われたのは『しいしたてまつる』だわ。すごいでしょー!ぶっ殺してやる!ていうのにも敬語があるのよー」

( ゚д゚)ポカーン

「日本の身分制度っていうのはねーとにかく天皇を頂点にするんだわ。王族>>>平民なんで、皇族、王族にはどんな小さな国の方にも敬語で、絶対的に権力ありそうだけど平民のアメリカ大統領にはたいして敬語必要ないのよ」「もしも自分の娘でも、皇室に入れば敬語よ。○○妃にあらせられましては…」などと語るのが公式」「皇太子妃入内の折、夫となる皇太子様のことを敬語で形容するのは正しいのだけど、それを見て勘違いした芸能人が、自分の夫となる人を同じように語ったのは笑い種だわね」「で、天皇は絶対的に頂点なんだけど、上皇、院なんていう存在が強くなってくると矛盾が生じてくるわけで」「天皇vs上皇なんて戦争が起こったときなんかもう」「要するに、天皇っていうのはね」

要するに、で要しないのがアスペにありがちだ。一度スイッチ入ったら、語るぞ?とことん語るぞ?スイッチ入れた己を恨むがいい。

( ゚д゚)「えと……たしか天皇vs天皇っていうのもあったと思う……」

おおお、息子よ、すごいな、全然日本史勉強して無くてもそれがわかるかー。そんなややこしいことになって、貴族皇族武士、本当にみんな大変でなあ、現代でもいろいろと引きずってるんだわー

……完全に、論点はずれた。計画通り(ニヤリ)。楽しい日本史と国語を語りながら、いつしかこの壊れた親子はニコニコ動画で盛り上がることになったのだ。

こうやって、子どもを犯罪者にするのを防いだり、人命を守ってます……

☆  ☆  ☆

R25先週号を、ようやく手に入れられた。とうにあきらめていたのだが…と、手に取ると、これは「FF4」号!

よかったああああああ!

激しくネタバレしているのが気になるけど、FF4をR25的に扱ってるのがおもしろい。そうだよ、FFは人生だよw

で、私はまだ携帯でパケホーダイとかする勇気も無く、何度がんばってもプロトバブイルを倒せず、本日適当に3周目に突入。いやしかしFF4DSすごい。あたしはFF4、そんなに好きでもなかったのに3週目、実質5~6周目?12月に買って、まだ遊ぶつもり?

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2008年3月11日 (火)

ニコニコ動画、著作権侵害動画削除の方向へ~あさってか、おとといか~

ニコニコ動画が、著作権侵害動画を削除すると発表

やはり来てしまったか……どんどん巨大化するにつれて、どうしてもこの問題が出てきてしまうだろうと思った。

しかし一方、どこでその線引きをするのかと気になってしまう。テレビ番組や映画などをそのまんまアップするのはもちろん、なしだろう。

しかし厳密に著作権を突き詰めていくと、ニコニコで見られる動画は、一体何本残るんだ???と思う。アニメ、CM、ゲームの画像や、音楽を使っている。演奏してみたり、歌ってみたりでも著作権は発生するだろう。

昔、パロディ事件というものがあった。コラージュと言う手法に著作権が問われた事件だ。ニコニコで人気の動画の多くが、既存の画像や音楽を編集して作ったもの。まったく新しいおもしろさを追求した二次創作だが、権利者がダメだといえば、それまでだ。

また、「コメント」がひとつの新しい表現になっているのも特徴だ。「テニスの王子様」ミュージカルをそのまんまアップしてる動画は、ニコニコの夜明けを象徴するものだった。画像そのものよりも、そこにつくコメント、空耳が秀逸で、まったくテニスの王子様に興味の無い私も、家族も夢中になったものだ。コメントなしでは見いだされなかったその画像のおもしろさを無数の人々が引き出し、どんどん進化させていった。こういうのが無くなるのは、惜しい。

ニコニコでは二次創作、三次創作と、どんどん派生していくのも特徴だ。たとえば動画についたインストゥルメンタルの曲に、誰かがコメントで歌詞をつけはじめる。それを見た人が、動画に自分の歌を乗せてみる、さらにそれをリミックスして……キャラクターを変えて……などとどんどん広がっていくものだ。うんと厳密にいえば、二次創作物にだって著作権が発生するらしく、それを勝手に拝借して作りかえるのも難しいことにはなるのだが、「盗作」はもちろんNG、必要に応じてUP主が「元ネタはこちら」と明記するほかは「おもしろければいい」的な暗黙のルールがあるようだ。

で、ここで生まれた厳密には著作権をいろいろ侵害している動画が、海外でも高い評価を受けることも珍しくない。発想のおもしろさ、リミックスの妙味は国境などはるかに越えて楽しませる。

そういう場が、無くなるかもしれないのか?

絵はかけないけどギャグセンスはあふれてるとか、オレのこの無駄なリズム感を見よ!とか、声優になれるわけでもないだろうけど一人で何役も演じ分けられるよ!とか、そんな玉石混交な才能が一瞬でも輝ける場が、失われるかもしれないのか?

もちろんあのニコニコのことなので、即座に「オリジナルオンリー」な清廉潔白サイトになるとは思えないけれど。

とりあえずしばらくいろいろ楽しみにしよう。

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2008年3月10日 (月)

息子とモンハンについて熱く語る~朝日新聞「声」欄から~

8日朝日新聞「声」欄に、こんな投書が載っていた。(以下引用)

子どもの間違い 大人が注意を
(パート38歳)
 小学4年の息子は携帯ゲーム機を持って友だちの家へ遊びに行くようになった。その目的は「15歳以上が対象とされるゲーム、と一ヶ月ほど前に知った。
 息子に聞いた。「今、夢中になっているゲーム、15禁なんだってね。人を殺すゲームなの」。息子は平気な顔で答えた。「ぜーんぜん!ただ、猫とか切り刻むだけ」。私は「……」。そして、「できれば、やってほしくないな」。
 子どもたちが夢中なのは、狩猟生活を体験するアクションゲーム。恐竜などを狩り、皮などはぎ取って防具や武器にするという。
 背伸びをしてゲームで遊ぶ子どもが仮想と現実の世界を混同することもあるだろう。犬やネコなどの動物をゲームのように扱ってみたい、と考える子どもがいても不思議ではない。それに気づいた大人がその都度注意し、教えていかなければならない、と思う。
 ソフト開発者の方々に、子育てをする親の一人としてお願いです。「売れるから」ともうけ重視の考え方はやめていただきたい。

これってモンハンかなあ?と、おぼろげに思い、息子に話題をふってみた。

モンハン。人気ゲームソフトシリーズ「モンスターハンター」の略である。私は未プレイだがおもしろいと大評判、PSPでは唯一ミリオン達成、街中でPSPを使っている人を見たらたいていモンハンだということだ。ひたすらモンスターを狩るシンプルさ。RPGにありがちなレベルあげなんていうものはなく、生きる為に身一つで巨大なモンスターに挑む。そういうゲームらしい。

「モンハンって、猫殺すの?」

息子はきょとん、としながらも説明し始めた。

ものすご~~~~~~く長い説明は割愛するが、要は貴重なアイテムを盗んで逃げる猫なら、追いかけて、倒すことがあるらしい。「けどあいつら死なないし。モンハンはコメディだ」

まあよかったわ。

この文章を読むと、私でさえ一体どんな恐ろしげなゲームが子供たちの間で流行っているのかしらと震撼してしまう。何度か息子に画像を見せられるなどしたが、猫はその世界のキャラクターでもあり、ものによっては共に仲間になることもあるらしい。巨大な蟹に、何匹もの猫がニャーニャーいいながらぶら下がってるムービーを見たときには、その可愛らしさと必死さに顔がほころんだものである。また、まるで残酷に小動物を虐待するゲームかのように感じられるが、基本は、プレイヤーが虐待されるらしい(息子談)。前述のように普通のRPGのように弱いモンスターを狩ってレベル上げして……なんていうことはできない。装備も大切だが、プレイヤーの腕一本で、豊かな生態系の世界を歩き、狩り、飽きるまで生きていくというものなのだそうだ。

実は私もこのゲームをやりたくて仕方が無かったりする。「狩り」は人間が何百万年も続けてきた行為だ。仏教のおかげで肉食が遠ざけられた歴史のあるわが国でさえ、細々と動物の狩りは行われてきたし、海での漁は盛んだった。時には、巨大な勇魚に命がけで挑み、犠牲を払ってでも貴重な蛋白源を得たのだ。そして、屠った命は肉、皮、骨、ひげなど余すことなく利用した。今自分が、鶏を飼って〆る毎日を過ごしたいなどとは思わないが、仮想世界で黙々狩りをするっていうのはなんだか楽しそうだ。人間関係や数字に追われる日々に、いいストレス解消に、また原動力になるだろう。実際、FF12なんかはやたら楽しいし。このゲームではハデに血が出るが(それで15禁か)、実際に誰の血が流れるわけでなし。しかし

「アンタには無理」

息子にダメ太鼓判を押されてしまった。そう、これはアクションゲーム。そのてが苦手な人間にはろくに楽しめない仕様なのだ。うまい人は、ろくに装備も無い全裸にブーメラン状態で渡り歩くが、キングダムハーツレベルがクリアできない私にはまず無理。

つまり、この投稿者にも、恐らくそのおもしろさはわからない、というわけだ。

私はこのお母さんの言うこともわかる。小学4年生の子が「15禁」に夢中というだけでも不安だろう。人間でも殺しまくるゲームなのかと問えば「猫を切り刻むよw」と言われれば、背筋が凍るだろう。モンハン仲間同士ならば、それは気の利いてる的軽い冗談で済むかもしれないが、猟奇殺人へつながるといわれる猫殺しを、子どもたちが楽しんでいるのかッそんなソフトがあるのかッとあれこれ悩むのも当然だ。そうなると、狩った獲物の皮をはぎ取って…なんていうのもいやに生々しく思える。自分が牛皮財布や靴を持っているのも忘れるほどに。

息子はこの投書の話に怒りだした。「は?バカじゃね???」

そして久々にモンハンソフトを持ち出し、私に「このゲームは、こういうものだ」と主張するのだ。いや、私に主張されても。

できることなら、このお母さんにわかる言葉と、紳士的な態度で、そのソフトの有用性を、投稿し返しなさいよ。プレイヤーとして。

昔、美少女エロ漫画を見て怒り出した主婦がいた。その主婦が「子どもたちが見る漫画から性的表現を排除せよ」と運動をし、本気で表現の自由が危ぶまれた時代があったのである。しかし漫画家、漫画の読み手など有志が団結し、その主婦らと対話をしつづけた。最終的にはその主婦も「今日本の漫画はとても多様化し、大人向けの表現があることを理解した」という話を聞いた。

今の「お母さん」世代だって、子ども時代に何度「PTA」に面白いものをいろいろ取り上げられたかしれない。危険なもの、有害なものから子どもを守ろうとする母親、仕事に夢中で、自分の子どもと共通の話題を失ってしまってる父親。子どもはいつもそんな親をうざがるけれど、それじゃいつまでたっても対話や理解は生まれない。親世代が、中途半端な知識で自分たちに擦り寄ってくるのが許せない、と息子は言うけれど、それじゃあんたたち子どもは、どれだけ親を理解させようとしているの。

☆  ☆  ☆

この親子の対話で息子が語った。それは、息子が引きこもり、暴れ、放火するぞと騒いでおまわりさんが来たときのことだと思う。

「警官うぜ。本気でうぜ」

その時は何も言わなかったのだが、私の目には親身になって息子に語らい、半狂乱の私にも「実はうちの息子もこうなんですよー」と語らってくれたおまわりさんの、こんなエピソードだ。

その時息子はたまたま名作シュミレーションゲームシリーズ「スーパーロボット大戦」をやっていた。おまわりさんは荒れた我が家に恐れることなく踏み入り、テレビ画面を見てこういった。

「スパロボかあ。なつかしいなあ」

その言葉に、ふと息子は振り返った。

「ラスボスの ま お う が強いんだよね」

すんごい中途半端な知識だ。なんだよそれ、引きこもりのゲーム好きのお子様にはその台詞でいけってでもマニュアルがあるのか。ドラクエもプレイしてない私でも、ちょっと暴れたくなるぞ。このロボットだらけの世界に、まおうwww。

これで息子は完全に心を閉ざし、世の中を恨んだという。

「wwwwwそれ、ものすごく笑えるwwwwあんた、すごいネタ仕入れたんじゃんww」

と笑う母も母である。あ、私か。私はこのゲームも自分で買って我が家に布教したのに、自分じゃ一切クリアできてないんだっけ。一番の目的であるハイネル様にも拝謁してないし、これは見ていいものかどうだかしらないけれど、「人間爆弾」も見てない。夫をこれで欝にしちゃったのに。で、思い切って息子に聞いてみた。

「で、スパロボのラスボスって、なんなの?」

息子がひるんだ。確かにクリアはしたらしく、デンドロビュームがどうのこうのと最終戦を語っていたが、どうにもラスボスの名前が出てこない。

「じゃ、まおうがラスボスでいいんじゃね?」

「いや、絶対、まおうじゃねええええええ」

引きこもり対応のお仕事は、表面だけでなく、本気でオタクな方にお願い。

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ニコニコはどこに行くのか~才能とコミュニケーションの集うところ~

このところ、ニコニコ関連のニュースが多い。

「あさっての方向に行く」とか、「ここからまた大ヒット曲の予感」とか。

たしかに、「ニコニコ動画」は本当に熱い。大小さまざまな才能、玉石混交の新しい表現、コメントという形での表現……著作権問題などいろいろな問題を孕んでいるので、切り捨てるのか、利用するのか、とプロ側も考えどころだろう。

映画や番組そのまま流すのはいかがなものか。完全な著作権侵害だ。DVDなどの売り上げ、放送時のCM効果に響けば制作側はやっていられないだろう。

しかし、その場でわいわいとどこのだれとも知らない者たちがコメントするのは、ユーザーとして楽しい。私はDVDまで持っていてとっくに見飽きた!細部まで覚えてるぜ!というアニメ映画でさえ、ここで見た。皆で一緒にわいわいと騒ぎ、笑い、驚き、怖がり、「すげえええ」と言う初心者に「こんな低画質でそれかよwここはDVDで見てよ」と思わずコメント宣伝するひととき。

プロ並みとまでは言わないけど、いやこの作者、鬼太郎のアニメ1~5期から漫画、墓場、ウエンツ版まで盛り込んで、本当に好きなんだよな、などとマニア心をくすぐらせる作品もある。

これまで全然興味が無い、…ていうか、イラネとさえ思っていた某テニス漫画のミュージカル版も、ここでおもしろさに目覚めた。

体を張って表現する人たちも数多い。息子が、裸でウマウマダンスしたいというのを、今必死で止めているところだ。

一方、こんな可能性もある。

さかなのうた

先月末から話題の動画だ。大学の卒業制作作品で、音楽、歌、作画すべてを1人でやったといわれる。新海誠の再来か、というような才能に、「プロになれ」「事務はもったいない」などとコメントが書かれる。

ここからプロに、というのはどうなのかわからない。が、ここを登竜門にして、いくらも歌手や声優、漫画家などがいくらも出てきそうだ。しかしここでぱっと花を咲かせて、ぱっと散る才能もあるかもしれない。「これで全部出し尽くしました」なんていうこともあるかもしれない。とにかく、ここでは有名無名関係なく、気になる画像や表現が並び、おもしろさが試される。プロの誰もが見逃した才能も、素人の目に触れて再評価されることもある。ひとつの可能性ではあるが、「ひとつ」は、ゼロよりもはるかに大きい。

この動画をどう評価するかなんて私にはわからないけれど、最後のほうで、無数の「さかな」が泳ぎ始める。これは、動画を見た人たちが、そのクオリティに敬意を表し、文字で「さかな」を泳がせているのだ。最高のリアクションではないか。ここで本気で涙が出た。

こういうことのできる場を、守らなくてはいけないんじゃないか。

追記:このニコニコ動画は現在削除されており、こちらで見ることができます。

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2008年3月 9日 (日)

三歳児クンに会った~あの子とこの子~

今日はちょっと休日出勤。無償だけどがんばる。とあるイベントの売り子だが、結構そういうの得意だし。

すると、目の前をあの、3歳児クンが通った。

3歳児クンとは、うちのブログを調べていただくとやたら私の愚痴が出てくるのだが、某大学を首席卒業しながら………とにかく入社半年足らずで解雇になった子だ。

ところで、私は最近別の「3歳児クン」を見つけてしまった。ネット上だ。

そこはほのぼの、ローカルなコミュニティで、ipも表示される掲示板。通常は、そんなご近所さん掲示板では滅多なことはしないものだと思うのだが、その新3歳児クンはかつての先生を「虐待教師」として告発すべく、執拗に個人名と自宅を晒し始めたのだ。

周囲の反応はさまざまではあるが、全体的にはその3歳児クンがこれ以上問題を起こさないように諭していた。しかし、この3歳児クンは自分の主張が受け入れられないと解釈して猛り狂い、自分は正義だ、優等生だ、人生にも成功している、自分を貶める書き込みは許さない(あの虐待教師のように)!と暴れまわる。

なんでもその教師は、かつて優等生だったその人を「赤ちゃん」と言ったのだそうだ。

同じ学年の子達よりもずっとずっと優れていて、プライドの高い自分にそんなことを言うなんて許せない、とその人は言い、とことん糾弾する姿勢を見せた。

「あなたはきっと今不幸なんでしょうけど」などという書き込みにも必死で反論。「私は、人生にも仕事にも成功している」と。

しかしそのこの人、恐らく95パーセント、自作自演のおかげで自分の身分と性別、そして「仕事」というのは実はバイトのことだった、と晒すことになるのである……

うわ、「典型」だ…なんと痛々しい。

自分の姿を見ているようで辛い。なまじ子供の頃一見賢く見えて、自分はほかの子とは違う、選ばれた人間なのだと勘違い、成長するにつれて心身の成長にゆがみが出てきて、厳しく言われることが増えてもまともに受け止めず、逆恨みか。本当に自分が成功していて幸せならば、そんなふうに恨むこともないはずなのに、そんな小さなことにひたすらこだわっている。

で、今自分が危険な状態なのを、ネット上でたくさんの人が必死で諭してくれているのに、素直に受け止められない。その教師への殺意めいたことも口にし始めた。最悪のシナリオに走ろうとしているのだ。

「だめだこいつ」「き○がい」と煽る人もいる。それも悪いといえば悪いが、これはいずれこの人が誰かに言われることだと思う。あるいは今、面と向かっては言われなくても、みんなが思っているかもしれない。

うちの会社にきた3歳児クンは、首席なのに就職戦線全滅。ようやく滑り込んだ零細企業のわが社でも、1から10まで叱られ通しで、最終的には「おこちゃま扱い」、いや、会社を一歩出ても、飛び込み営業先でさんざんきついことを言われて壊れてしまったのだった。

しかし、いつかは越えなきゃいけない壁だ。現実を受け入れ、自分を振り返らなくてはいけないのだ。

わが社の3歳児クン、私と目が合っておどおどしながらその場を通り過ぎてしまった。ちょっと、急な解雇で挨拶もろくにしてない私に何かいうことないの?ないのねw

ただ、髪型はずいぶんまともになっていた。

「今のとこで、あの髪型禁止されてるんじゃないですか」と同僚。一応、なんとか就職はできたらしいと聞いていたが、今度はもう少し、うまくやれているということか。

うちの息子も「失敗」を極度に恐れ、完璧にこなすか、破壊するかどちらかであった。本人もかなり自己分析できるようになって、今バイトで修行中だ。3歳児クンも、最初の会社でこれだけ失敗していれば、リセットしたところではもう少しうまくやれるだろう。

……1、2歳で「うちの子、天才!?」と思ったら、まずは「失敗」を教えることかも。たとえ、自分の思い通りにならないとヒステリックになる子でも、おだててるだけじゃダメだ。

さすがに暴れるのも節度を覚えた我が家の「5歳」の高校生だが(ここまで16年)、うちの子に限らずすべての同じような子が、「最悪のシナリオ」なんかに進みませんように。叩かれて、くじけて、成長できますように。

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2008年3月 8日 (土)

息子が恥をかき捨ててます~家族に見られたくない本の隠し方~

我が家は漫画、アニメ、ゲームなどについては結構オープンである。

しかし、息子が無造作にリビングなどに置いている本などには少し苦言を呈している。

たとえば、私がふと手にとった大判の本だ。数年前に話題になった、「もえたん」の本らしい。可愛いイラストが満載の、なんかゲームに使える本らしい。

しかし、どう見てもロリペド本である。

モロだしこそないものの、つるぺた美少女の股間に、異常なまでの執着を感じる。

「ちょっと。こういうの、親が見たら泣くよ」

と、一応注意した。そのときは少しとまどい、一応片付けた。と思った。

しかしそれ以降も、「親が見たら泣く」本が無造作に置かれている。そのたびに一応、注意する。まだ中学一年生の、元純真無垢→非常に染まりやすい愛娘もいるのだ、我が家には。

息子は、このもえたん本について言う。「だけどこれ、ちゃんと全年齢向けだぜ」

ああ、それはわかるよ。けど私ら親子は、あさりよしとおの「ただいま寄生中!」をすぐにエロ漫画と看破したではないか。この母が、この本が巧みに、それも幼女趣味の世界で激しく劣情を催すように作られていると気づかぬとでも思うのか。

愛娘もなんとなくそこらに転がる漫画本を手に取り、開いた。私もそれを見たが、そこはかとなくエロの予感。すぐに取り上げ、息子に抗議した。

「だから!こんなの見たら親が泣く!」

娘も調子に乗った。

「そうだよ!妹も泣くよ!」

あんた、全然泣いてないくせに。美しい母と妹に責められた息子は、逆切れした。

「泣いてろよ! あんたら、オレの本、勝手に読むなよ~!」

って、年頃の息子のベッドの下に隠してあるような本を引っ張り出して言ってるわけじゃないのよ!?なんでこんな本を堂々とリビングに積んでるのかっていうの!しかも全部二次元で、ロリか、ショタかって!

「読まれたくないような本は隠しなさいよ!」

「どこにかくしゃあいいんだよーーーー!」

また息子ブチギレ。だから、部屋を片付けて掃除して、息子のプライベートスペースを確保すればいいだけの話だけど、息子としては「オレの部屋は、あんたたちに荒らされている」「絶対片付けとか掃除とかはしねーさせねー」を主張するばかりだ。大体、この家すべて、それどころか近隣のすべてがオレの寝床!という息子にとっては、家全体が「ベッドの下」!

ここで引き下がっては、家が恥ずかしい本やグッズで埋まる。まだ、ご近所が埋まらないだけましだというレベルだ。

と、金曜の夜に怒鳴りあった。

……しかし、私がパソコンのそばにおいてある「神罰」(田中圭一著)については、誰も「アンタもこんなの置いとくな!」と突っ込まなかった。なんでだろ?

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2008年3月 7日 (金)

テラへ…ヒルルクの桜が私を癒す

ミドリフグ全滅、うまくいかない仕事、荒れ狂う子どもたち……とにかくハートブレイクな私が、ふとバスの中から見た光景。

あ。

あのお寺だ。

前に、キングダムハーツ寺として日記に書いた、あのお寺。ありがたいお説教と、なぜかアニメやゲームのフィギュアを組み合わせてディスプレイしている、ちょっとオタクなお寺。バスが通った瞬間に、「おおおおおお!」と思った。

帰りに、立ち寄ってみた。

Hanahiraku

季節は春。桜の枝に、いっぱいに散る花びら。「念ずれば花ひらく」というありがたいお言葉。

そうだよな、あきらめちゃいけない。春はもうすぐだ。あきらめずに願い続け、目標に向かって邁進していれば、きっと花開くこともあるだろう。そして、その満開の桜の下に立っているのは……

Photo

トニートニーチョッパーである。

折りしも、ONEPIECE劇場版で、あの「ヒルルクの桜」のリメイク「冬に咲く、奇跡の桜」が公開されたばかりである。

なんと心憎いお寺であろうか。ただちょちょいとフィギュアを飾る店などはよく見るが、こちらにあるのはいつもしみじみと深く心に響く作品である。

常冬の島にさえも、桜が咲くのだ。

咲かそうとすれば。

あと数週間で桜いっぱいの街になるわが島国だが、心の花を咲かせるのは自分自身だ。

力強く勇気付けてくれるチョッパーに思わず手を合わせ、偶像崇拝。

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2008年3月 6日 (木)

水槽がついに空に……だけど

とうとう、フグ水槽が空っぽになってしまった。

今朝は本当に元気だったのに。おいしそうに赤虫をつつき、愛嬌たっぷりに泳いでいたのに。帰宅すると黒ずんで水槽の隅に沈んでいるのだもの……

全然、幸せにしてあげられなくてごめん……

激しく自己嫌悪に陥った。だが、し猫さまにアドバイスもいただいたことだし、水質をしっかり管理できるようにスキルアップをめざすしかないと思う。

そう、私は落ち込んでいる余裕はないのだ。

会社は傾いているし、トラブルは絶えない。育児教育だってまだまだここで恥を晒すレベルだ。休日出勤や内職で休みもないが、実のところ休日しかぐっすり眠れない。平日は、仕事をしている夢や、お客様に怒鳴られる夢で苦しんでいる。夢の中で寝ていて、お客様のありがたいお坊様に「何を寝てるんだ」と怒鳴られる夢を2日続けて見た日には、頭を丸めようかと思ったくらいだ。

それでも、微笑を絶やしてはいけない。もともとそういう仕事だし、若手や後輩をくじけさせるわけにはいかない。リボンの騎士のリメイクニュースなんかにも、腹をたてている暇はないのだ。こ、こんなことで手塚漫画の根本が崩れるわけが無いでしょ!サファイヤ姫の内にある男性性と女性性のせめぎあいとか、王位継承権を男性にしか認めないという王国の暗喩なんか、きっと今の世の中には必要のないことだからこそ、こんなのが出てくるの。きっと、今の世の中が女性にとっていいことなのに相違ないわ!とフェミ的に無理やり解釈し、 「原哲夫版サザエさんとか、そういうものだと思えば楽しいわ!」と風浦可符香並みにポジティブに考えなくては。

思わず田中圭一の「神罰」なんかを読み返す。ええ、これよりはきっとまともよね。きっと……。

神罰(一)
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ

でも、なぜかこっちの方が、しっかり手塚治虫を愛し、理解しているようにしか思えない。

とにかく、前向きに生きていこう。笑顔で歩こう。

「神罰」で前向きになれるワタシ。

☆  ☆  ☆

そういえば、昔どこかで、ヨーロッパに行った人が、現地のテレビで「リボンの騎士」をやっているのを見ていたら、そこの人が「わが国のアニメーションは素晴らしいだろう」と自慢し始めた、「いや、これは日本のアニメで手塚治虫が作ったのだ」と答えると「そんなばかな。どうみても日本人の話じゃないじゃないか」と言われた、という話を読んだことがあるけれど、そのヨーロッパの人って、「王位に就くのは男子のみ」を、どういうふうに受け取ったんだろう。今頃不思議に思った。

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2008年3月 5日 (水)

息子が妙に売れっ子に~バイトと学校、両立できる?

ちょっとひどいレジの例を話していたときのことだ。ひどい対応の研修レジの子もあきれたが、後ろについていた先輩が、注意もせず、お客に謝るなどのフォローもしないのに呆れたわ!というと、息子も激しく同調した。

「…オレも、初めてレジ入ったときは、なんも声、出なかったわ。失敗したときに何もできなくて、『後ろ、下がって』と先輩がフォローしてくれて。叱られて。あの頃は『闇鍋くん、声出てないよね』『ちゃんと挨拶しないと』っていちいち叱られて辛かったけど、そうしてくれたからこそ、今のオレがある」

中学時代不登校で、発達に著しい偏りがある子と診断され、とにかくいろいろある息子だが、今、バイト先ではずいぶん信頼されているようだ。

「今、オレは言葉遣いが一番丁寧だって言われることもある」

これもアスペの特徴なのかもしれないが、ほんの幼児の頃から難しい言葉遣いをする子だった。そしてとくに指導した記憶も無いのだが、「敬語」に対してもこだわりが強い。しかし息子は、高学年、中学校に進むにつれて、先生にタメ口をきく級友に、殺意さえ覚え始めたのである。

ボキャブラリが豊富で、敬語を使いこなし、難しい話もできて、一見大人びていると思われがちだが、そうでない級友に殺意、では「異常」になってしまう。そこが発達のゆがみだ。言語能力があるのと、心の発達とは必ずしも比例しない。……実は、私もまったく同じような子だったのだが。

私も、高校時代のバイトでさんざん叩かれた経験が、自分の心の発達を少し促したと思っているので、息子にはバイトを勧めた。不登校仲間といっしょに受けた面接。しかし、願書の不備を指摘され、二人とも「書き直してくるように」と指導された。「いい職場だな」と思った。

最初は「つらい」を連発していた。今も「バイトかったりい~~」とぼやいていはいるが、息子はたしかに輝いてきた。トイレや灰皿掃除など、人の嫌がることを率先してやるし、自分のせいじゃない苦情にも素直に頭を下げ、上手にお客をあしらっているようだ。店員さんが皆「あの人はすぐキレて怖い」という常連客にも、息子は一度も叱られていないという。レジを正確に処理し、1円でも過不足を出すまいとがんばり、大混雑などで休憩なしの激務になっても冷静に対応。商品管理業務もきっちり。新人社員さんへのレジ研修も任された。徐々に、キツイ日ほど、息子が呼ばれることになった。

「他のところは、土日祝増給とかあるのになあ」とぼやく息子。うん、それはわかる。「でも、ダメなやつならそういう日に呼ばれないじゃない?信頼されてる証拠だよ」私としては、不登校という過去、底辺校という現在、コミュニケーション能力に不安があるし、しつけも行き届いているとはいえない息子が、仕事を通じていろいろ指導してもらえるだけでも本当にありがたいことだと、つい励ましてしまう。

しかし、今月、息子のバイト予定は21日もある。80時間を越えた。

「勤務日数は、社員さん並みだよ……」

今はどこのお店、会社もぎりぎりの人数でやっているし、1人辞めると結構大変だったりする。息子に限らずコミュニケーションをいやがる人が増えて、接客業の求人が集まらない、なんて聞いた。また、息子が入った前後から、女子高生でトンデモバイトが相次いで入ったり、営業時間がさらに延長になったことから、高校生は採用しないことになってしまったのだそうだ。

レジが「誰にでもできるお仕事」だった昔。あの頃はPOSなんか無くて、全部手打ちで金額を入れ、下手をするとお釣り計算も自分でやらなきゃいけなかった。でも、「誰にでもできる、高校生やオバサンにもできる」だった。今はPOSでピッピッだし、お釣りも自動的に出るのが増えてきた。まさに誰にでもできそうなのに、難しいといわれる。

私は一時期、「レジのプロ」という仕事をやっていた。育児を終えた主婦ばかりと思っていたが、新卒や、男性の応募もかなりあった。筆記試験、パソコン試験を経て採用、3日間の研修をして、そこで脱落する人もいた。破格の時給で、接客やサッカーは一切なしという条件だったが、私はさらに接客やサッカーもこなさなくてはいけない過酷な売り場を任されたりもした。その売り場は、普段平気で過不足を出すようだ。万単位の過不足も、普通だったりする。それを、忙しいセール日に、ほぼ完璧にこなすのが私の仕事だった。高校時代、スーパーのレジで当たり前にやっていたから、陶器などをささっと新聞紙でくるむなどしたが、店員さんに「どうしてできるの?」と言われた。……え……?と思った。

長い育児期間を経て社会復帰したら、とてもハードルが高くなった!と思うことの方が実に多いのだが、レジとか接客とか、そういうところはハードルが下がっているのか?と思ってしまった。しかし徐々に、「接客」の恐ろしさも知った。お客様が、モンスター化しておいでなのである。

…話がずいぶんそれてしまった。

最初は使えなかったが、叱られてもあきらめずに人の話をよく聞いて、こつこつイヤな仕事を引き受けてきた息子は、今それなりに使える人間に育ってきた。とりあえず、まじめであり、きっちり仕事をこなす、トラブルにも対応できるって、今すごいスキルだ。惜しまず頭を下げるだけでも、すごいことだと思う。完全に、息子のせいではないトラブルにも、息子はひたすら頭を下げ続けたため、お客も「いや、キミのせいじゃないから」と何十分もお待たせした割には納得してくださったし、他のお客様にもご理解をいただき、スムースに捌けた。すごい、すごいと褒めてやった。

…しかし一方、来月から夜10時まで勤務? 今、学校に遅刻がちなのに?

高評価をいただくのはうれしいが、このままがんばって正社員になれるとかならいいけれど……

「それもヤダ」

マクドナルド店長訴訟の話題もあったが、今私が仕事をしていても、こういうチェーン店で「社員」「店長」をやってても、本当にキツイとわかる。重い責任、これっぽっちもない裁量、これで残業代などきちんとした報酬もなければやっていけない、というのが息子にもわかるそうだ。

がんばればいい暮らしができる。

これが、昭和の高度成長期の原動力だったはずだ。私も「これで年収300万いかないんですよ」なんていう店長さんにいくらも会ったが、それでは勤労意欲もなくなるものだ。

この社会、なんとかしないと……と、子どもたちを見ながら考える。

……考えるだけで、全然結論がまとまらない。

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2008年3月 4日 (火)

ミドリフグがとうとう1匹に…orz

夕べの予感は当たっていた。

朝、黒ずんで硬くなっている「ふっくらボディ」が、完全に動かなくなっていることを確認することになった。

何度か休みながらも、時々起き上がって泳いでいたけれど、なんだか隣の水槽のほうを見つめて行きたそうにしていて……とにかく、今の水槽から出て違うところに行きたいのだ、ということだけはわかったのだけど。

「いっそ淡水水槽に移そうか?」などとも考えたのだけど……そうしてやればよかったか。同じ結果なら。

購入したお店ではほとんどの生体がかなり飢えた状態なので、これまで「幸せにしてあげる」ためにうちに来てもらった、とうぬぼれていられたのに、全然、お魚の気持ちがわかってやれず、こんな短期間にむざむざ☆にしてしまった。うちで食べた赤虫は、おいしかっただろうか。鯛の身は、おいしかっただろうか。

残ったミドリフグは、対照的に元気になっていく。先ほどまでおなかがしぼんで黒ずんでいたのに、赤虫を食べてつやつや白くふっくらした。故郷と比べてどれだけ幸せにできるかなんて自分でもわからないけれど、ゆっくりでいいから大きくなって、天寿を全うしてほしい。

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2008年3月 3日 (月)

ミドリフグにかかりきり~どうせプロトバブイルはめちゃ強いし~

今朝ミドリフグが突然死してしまったせいか、仕事中もミドリフグが気になって仕方がなかった。昨日まであんなに元気だったのに…フグ同士、仲もよさそうなのに…今までにないくらい慎重に水を作ったつもりだったのに…エサをやったせい?夜も明るかったせい?

なんだか悶々とする。帰宅してすぐフグ水槽へ。大きくてやせてて目ばかりぎょろぎょろしていた個体は、とても元気で色も良い。最初黒ずんで眠っていたが、すぐに起きて寄って来て、すごい勢いで赤虫を食べた。

しかし一方、小柄だがふっくらボディの子は、起きてきても黒ずんでいて、エサを食べようとしてものどを通らないようだった。今朝まで、とても元気だったのに。

……

明日朝も、最悪のことを覚悟しなくちゃいけないんだろうか……。いっそ塩分濃度をあげる?…いや、それもかえって危険だ。どうすればいいんだろう……

夕食を作りながらも、気になって仕方がない。…幸い、今日は昨日のハマグリのお吸い物の残りと、鯛のアラを酒蒸しにしたのと、芥子菜とえのきの炒め物、といたって簡単だ。

ふと、昔を思い出す。子どもを生んだばかりの頃だ。元不登校息子を産んだときは、育児書を穴が開くほど読み、「室温は○度~○度」「湿度はこのくらい」「最初は○時間ごとに○○して…」と、必死だった。よく考えれば、昔から世界中の人々が、赤ちゃんをそんな理想的な環境下でしか育てられなかったわけでもあるまいに。

そう思ってどんと構えながらも、二人目だって、夜中にあまり静か過ぎると心配で鼻息を確認してしまったものだ。

儚げな命を手にすると、いとおしいけれど恐ろしい。自分の些細なことが、死につながりはしないかと。

それにしてもFF4DSのプロトバブイルはなんでこんなに強いんだw

少しずつ、デカントをいじりながら戦っている。同じレベルでも、デカントと戦略しだいでずいぶん違うものだ。何度か全滅しながら、ちょっとずつ「まし」になっていく自分を楽しんでいる。

何事も、精進。

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ミドリフグが一匹☆に……。・゚・(ノД`)・゚・。

朝のエサタイムに見てみたら、起きてこない子が一匹。体色は黒いし、全然動かない…もしやと思い、調べたけれど、やはりダメだった。

昨日はあんなに元気だったのに。

3匹買ったミドリフグは、一匹大きいの、2匹小さいので、その小さい2匹がとても食欲旺盛で、気も強く、むしろ大きいのが心配だったというのに、本当に元気で、おなかいっぱいエサ食べていたはずの1匹が…

原因は水質? エサ? 鯛がまずかったかなあ…養殖ものだろうから脂がおおかったとか。朝見ると、水の上に油膜のような、アクのようなものが浮いていて、キッチンペーパーでぬぐったが、それも何かあるのかもしれない。傷はまったく無し。

残った2匹は飄々として、元気に冷凍赤虫をついばんだ。体色もよし。元気でいてくれますように……

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2008年3月 2日 (日)

ひなまつりをミドリフグと楽しむ

土日しか一緒に過ごせない娘のひなまつりを、今日楽しんだ。

昨日から漬けて置いたコハダ、タイの皮霜造り、五目寿司、ハマグリのお吸い物、菜の花のおひたし。適当に摘んだスイセンやパンジーを飾り、春らしくしてみた。

鯛は安く丸ごと買い、うろこを取って三枚におろして骨を抜き、ざっと熱湯をかけて冷水に取り、御造りにしたのだが、中骨を抜くときに少々肉が取れることがある。

これをミドリフグに持っていってみた。

うわああああああ。

手から食べる食べる。おなかがパンパンになるくらいまで食べる~~。捨てるようなところでも、この小さなミドリフグにとってはすんごいご馳走なのだ。何より、手からついばむように食べるのが本当に可愛い。テレビには、マナティと戯れるタレントさんが映っていたが、負けないくらいなんだか幸せ~~。

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ミドリフグをお迎えした

昨日、ミドリフグを3匹購入した。念願の、汽水魚、そしてアベニーよりも大き目の可愛いフグである。

先週たくさんいたミドリが、数匹ほどになっていた。売り切れ?それとも…ぜ、前者でありますように。すぐそばにアベニーの水槽もあった。……こんなに小さい頃から飼いはじめたんだなあ……購入予定のミドリフグは、先日☆になったアベニーとほぼ同じくらい。

1匹買うか、3匹買うかでなじみの店長と相談。「娘は2匹がいいっていうんですけど」「いや、2匹はちょっと…」見た目に寄らずフグは凶暴なので、パワーバランスが崩れると食い殺されてしまう。現に前のアベニーのときはその日のうちに1匹になってしまった。1匹か、いっそ3匹以上の方が、安定するのだそうだ。

で、3匹購入。どれも元気そうで愛嬌がいい。

ゆっくり水慣らしし、水槽には海水の元を少し溶かした。売り場の水槽とほぼ同じようになってるといいが。店長は「この水槽で大匙2杯くらい。適当で大丈夫ですよ。体色が黒ずんだら、濃くする感じで」と言ってくれたが、どきどきだ。ボーメ計は「ほんまに塩、はいっとるんか?」と言っている。……まあ、ここはほとんど「川」のあたりということで。1匹が1匹を追うしぐさも少し見られたが、人口水草などを入れてあるし、徐々に落ち着いたようだ。

水槽に入れたばかりの頃は、あまりエサをやらないようにと言われるけれど、ぺったんこのおなかと、早くも始めたエサくれダンスに心がくじけた。アベニーが残していた冷凍赤虫をちょっと入れてみる。

おおおおお~~~。すぐ3匹とも食いついた。全然ピンセットを恐れずつついてくる。ついつい浮かれて、今日一緒に買ってきた乾燥クリルも与えてみる。よく食べる。ついでに大水槽のプラティたちにもおすそ分け。ちょっとお祝い気分。

毎週土曜は子どもたちとバトルになる。娘がなかなかお風呂に入らない。息子はご飯を食べないし,屁理屈ばかり並べている。深夜になっても、風呂入れ!などと怒鳴るハメになってしまった。その次は、寝ない子どもたち。結局娘は布団の中でぐずぐずゲームをしながら2時くらいまで、息子はテレビとパソコンを、煌々と電気をつけたままで朝まで騒いでいた。私も眠れないが、ミドリフグも眠れてない様子。朝6時半、3匹ともくったり、底のほうで眠っていた。かわいそうで、しばらく水槽の電気をつけるのをやめた。それでも日が昇りきると、ちゃんと起きてきておねだりするミドリフグたち。……こっちの方が良い子だわ………orz

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2008年3月 1日 (土)

五人囃子のことがわかった

老舗のひな人形屋さんに、先日気になった「五人囃子」の烏帽子のことを聞いてみた。

最初「五人囃子は烏帽子を被らないのが本当だと聞いたのですが…」と伺ったとき「え?」という顔をされた。よく意味がわからなかったようで、「実は調べたら普通の楽師のものと、禿(かむろ)頭のものがありまして…」と続けたら、膝を打って「ああ!」とおっしゃる。毎年ひな人形を扱うお店にとっても、これは少し古いお話だったらしい。

たしかに、五人囃子は本来烏帽子を被らず童形の髪型をしていたそうだ。五人囃子は「子どもをすくすく無事に育つようにはやす」意味で並べられた。そして大人になるまでに変遷する髪型を、この5人にさせることで成長を願う、という意味があったのだそう。

しかし時代の流れによりその意味が薄れてきた、ということだった。

そんな意味があったのか……と、ついでに聞いてしまった。

「なぜ右大臣、左大臣はあんなに下のほうにいらっしゃるのでしょう?」

「う~~~~~~ん……??」

すみません、悩ませてしまいました……

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