肋間神経痛にのたうった週末
部活だのバイトだので忙しいからと、子どもが一緒にお出かけしたがらない。
そんなことはうちだけのことではない。むしろ子どもたちが正常な発達をしているということだろう。子が、ちゃんと親離れをしているということだ。息子のバイトについては、ちょっと夕べいろいろやりあったけど。
しかし今年は桜がことに美しくて気候も良く、いい感じに週末に見ごろがあたっている。これで花見に行かないなんて、バカですバカ!と言うくらいだ。
子どもたちが小さな頃は、よくおでかけをした。ことに私は息子にゲームとは違う、お外の世界に触れさせたくて連れ出した。……それも本当に苦労したのだけど。でも、花の名所、動物園や水族館、ちょっと変わった公園、水辺などに連れ出すと、子どもたちは目を輝かせたものである。「家族サービス」なんていうものじゃない、子どもたちが新しいものを見て驚いたり喜んだりするのを見るのが、私にとって唯一の幸福だったのだ。
なのになあ。…もう、子どもたちは私を必要とはしていない。まだまだ独立するまでに至らないけど、しっかりスネをかじる気満々だけど、いっしょにお出かけなんかしたがらないのだ。
今日の午後は珍しく私と娘のスケジュールが合い、新学期に向けて必要なものの買物もしなくてはいけないとあって、それじゃついでにどこかに行って、おいしいものでも食べさせてやって…と、楽しみにしていた。「ダ・ヴィンチ」も出ることだし。
ところが部活から帰った娘はうどんを2人前ぺろりと食べ、「お出かけ?はあ?めんどくさい」とさっさと昼寝してしまった。……私は取り残された。
ネットサーフィンしながら、それでも私は最低限の買物を、娘としなくてはと思っていた。
そこに、また左胸の激痛が来た。息を大きく吸い込むこともできない。動くと痛いので、もはやネットサーフィンをし続けるしかない。ああ、貴重な休みが、春爛漫の午後が消えていく。
肋間神経痛は、ストレスが原因のことも多いという。近場でいける、これがわかる病院を検索し、ほぼ絶望的な状況なのを確認しながら、じゃーストレスを軽減するしかないかと思った。サーフィンしながら、最近とんと行かなかったサイトや、昔大好きだったミュージシャンのことを調べたりした。……Kさんは、昔追っかけまでしたのだけど、20年位前にある事件があって、その後消息不明だったのだ。パソコンを手に入れ、ネットで検索することを覚えた21世紀初頭、すぐその名前を検索したが、まったくつかめなかった。それが今日、元気に活動しているのを確認した。少し、痛みが和らぐ。
のそのそと娘が起きた。私がとんでもない状態にあるのに気づいて少し驚き、介抱してくれた。でも、気遣って「今から出かけようか」と言われてもどうしようもない。こんな夕方、こんな体でどこに行くと??などと思うと、さらに激痛が走った。ははは、ストレス原因って、わかりやすいな私の体は!
「とりあえず、ノートは私が買いに行くから」と、娘が出かけた。そしてまた私は孤独を感じた。
大丈夫、今日は人ごみで包丁を振り回そうなどとは思わなかった。事前に買い込んでいた肉で、今夜はポークソテー。包丁の背で、がんがん叩いて発散。
子どもを生んだばかりの頃には、「育児に追われて、自分の人生が犠牲になる」という焦りがあったが、いざ子どもたちが大きくなると、いかに自分が子どもに依存していたかと感じる。
あの笑顔を満喫することはもはやできないのだ。
そして自分自身の人生をしっかり歩かなくてはいけないのだ。ひとりで。
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