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2008年6月13日 (金)

ストレスやコンプレックスの無い人間なんていないよね~FFTA~

FFTAがとても楽しい。こんなにおもしろかったっけかと思う。きっと前にプレイしたときは、「FFT」っぽさを期待していたせいもあったのだろう。おもちゃ箱の中のようなイヴァリースに、少し拍子抜けしていたのだ。

イヴァリースって、何だろうと思う。

FFTやFF12で描かれるイヴァリースは生々しい歴史物語の世界だ。歴史の大きな渦の中で、主人公はとても小さな存在。

しかしFFTAシリーズでは、主人公の少年たちの理想の世界、子どもだけが迷い込める夢の世界だ。

FFTAでは、主人公マーシュをはじめ、ミュート、リッツ、ドネッドの4人の子どもたちが無意識に創り出した(正確には現実世界を変えてしまった)イヴァリースが描かれる。家庭や身体に問題を抱え、コンプレックスを抱える子どもたちの理想を微妙に反映した世界が、この「イヴァリース」なのだ。

主軸は、ミュートである。気が弱くぬいぐるみを手放せないような甘えん坊で、ママを亡くし、パパは酒びたり。学校ではいじめっ子たちの標的になっている。そんな彼の理想の世界はパパが正義の「ジャッジマスター」として活躍し、美しいママは女王として健在で、自分は何でも思い通りになる王子様、という世界だ。辛い現実を、自分だけの王国に変えてしまったのだ。ついでに、自分をいじめるいじめっ子たちは、この世界では惨めなゾンビになっている。快哉w。

リッツは気の強い美少女だが、生まれつき髪が真っ白というコンプレックスを抱えている。しかしそれ以上に辛いのが、母親との関係のようだ。彼女の母親はリッツを哀れに思いながら毎月髪を染めてやっている。それがむしろ、辛いのだという。そんな彼女がイヴァリースで得たものは、白い髪が美しいヴィエラ族の仲間たちと、腕ひとつで冒険する世界だ。「女のくせに」「ババア」なんてバカにするやつなどここにはいない!

マーシュの弟・ドネッドは、体が弱く学校にもほとんど行けない子どもだ。いつも車椅子で、病院で過ごすことのほうが多い。それが原因かどうかは知らないが両親が別れ、母、兄とともに雪深い街「イヴァリース」に来た。兄をはじめ、元気に走り回れる子どもをうらやみ、本やゲームでしか満たされない毎日を過ごしている。変化したイヴァリース国では、自分は自由に歩き回ることができる。そのため、世界を元に戻そうとしている兄を恨み、妨害する。

主人公・マーシュはただ一人、この世界を元に戻そうとしている少年だ。運動音痴で気弱な転校生が、ここでは金も力も思いのまま。仲間もできて冒険も楽しい。

けれど、これは「いつか醒めなくてはいけない夢だ」とわかっている。

彼にだっていろいろなコンプレックスはあるけれど、「お兄ちゃん」であり、我慢を強いられることで少し成長しているのだろう。

時々FFシリーズって、なんて商売下手なんだろうと思う。

なんとなく「現実から目をそむけないで。傷つくことを恐れないで。いつまでもゲームばっかりしてちゃダメだよ!」とメッセージが送られているようでちょっと驚く。FFシリーズで一番売れたFF8も、思いっきりそんな感じだった。あのエンディングは、本当に考えさせられた。

私にとってもゲームの世界は居心地よく、できることなら一生でも引きこもってゲーム世界で生きていきたいくらいではあるが、こういう作品で我に返る。ゲーム業界も利潤を追求しなくちゃいけないのでいろいろ大変であろうが、こういう熱いクリエイター魂に触れることが多いのも魅力である。

FFTAは、童心に返って子供の頃の恨みつらみを解消できる場であり、マーシュと同じ寂しさを埋める場であり、我が家で王様状態になろうとしている子どもたちを戒めるヒントをもらう場だ。今、あの子どもたちと同じようにいろいろな悩みを持つ子どもたちにも、いい物語だと思う。

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