恐怖の「魚食いナナ」ちゃん
我が家には、「魚食いナナ」と呼ばれる水草がある。
アヌビアス・ナナという、とても丈夫でポピュラーな水草であるが、これが魚を食うのである。
ミッキーマウス・プラティを飼っていると、老若男女に関わらず、死を待つ魚を見ることがある。奇形もいるし、何らかの理由で子供の頃から弱い個体もいるし、十分生きただろう、という個体もいるが、私はこれらの魚については自然に任せることにしている。
で、「もう、今日明日だろうな…」というくらい弱った魚が、なぜか姿を消すのだ。
それはたいてい、ナナちゃんが食っている。
正確には、アヌビアス・ナナの根元に死体が入り込み、取り除くことも出来ないまま骨も残らないほどきれいに消えてしまうのだ。一応、そうならないように気をつけているのだけど、はい、そこじゃなくてこっちで死んでね、というわけにもいかないし、死期を悟った魚がむしろそういうところに入り込むこともある。
先日から、うちのプラティ最古参の通称「グランマ」が、危篤になった。年をとってからいつもナナの影にいたのが、むしろ盛んに泳ぐようになり、「あ、そろそろお迎えかな…」と思った。仕事などが忙しくてじっくり観察している時間もなかったのだが…
ああ。ナナの隙間に、ご遺体があるのが見えた。
グランマは8センチはあり、ふっくらとフグのように豊満なボディをしていたので、さすがに見えたのだ。
しかし、これがどうしてもとれない。
こんな大きなグランマが腐敗すれば、水質悪化は免れないのに……
そうこうするうちに、これ以上取り除こうとすると酸鼻を極めることになりそうなので、水換えで乗り切ることにした。
このところこの水槽へのエサやりは控えている。魚たちも食べないし、これ以上水質悪化を招いても仕方ないし。
そしてナナちゃんは、ぐんぐんと成長していくのだった。
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