不景気で一番しわよせが来るのは…
仕事柄あちこちの街を歩き、いろいろな職業の方とお話する。
このところは本当に厳しいらしい。昔ながらの店がとうとう閉店した、というのはよくあることだ。それどころか最近オープンしたばかりの店が、3ヶ月も持たずに潰れている。オープンしたばかりのはずなのに、ろくにシャッターが開かないなんていう店もざらだ。ショッピングセンターだって空き店舗や閉店セールばかりで、セール中なのに人が歩いていない!
物価高は深刻で、こんなに人が来ないのに、値上げしないといけないと悩む自営業の方も多かった。某フレンチシェフは「問屋がね、バター8個にマーガリン2個、マーガリンはバターと同じ値段で、それじゃないと売れないって言うんですよ…」と肩を落とした。抱合せ販売!????大切な顧客様に????と驚いた。とある洋菓子屋さんは、たまたま兄弟が問屋さんなので、春には優先的にバターをまわしてもらえたが、そのあとはもう、全然ダメだという。
「人件費、光熱費とかの経費を引いたら、利益が十円単位ですよ」と嘆く小売業の方。
「もう何してもダメ。値上げもできないし、もう首を吊る話をしてるヨ!」という飲食店の方。
「今までにない状態。広告が入らないから、記事で穴埋めしたりサービスしたり…広告代を回収できないケースもある」というミニコミの方。
もう、いろんな方の愚痴を聞くのが仕事だというような気がしてきた……。
ただ、おもしろいことに気が付いた。
飲食店の方々は言う。
「こういうとき、最初に切り詰めるのは外食でしょ」
アパレル系の方々は言う。
「こういうとき、真っ先に切り詰めるのは洋服でしょ」
薬屋さんは言う。
「こういうとき、とっとと切り詰めるのは薬でしょ」
レジャー関係の方は…以下略。
皆様、「うちが一番大変」とおっしゃるのだ。大丈夫、皆さん同じです!等しく皆大変という時代なんです!
そんな時代でも、生きていくために模索しなくちゃいけないんです……
かのシェフは、「フランス料理にバターは欠かせない……けれど、マーガリンや、バター風味マーガリンで何か新しい味でも作れないかなあと思っているよ」と微笑んだ。……バター風味のマーガリンって、私も昔結構好きで、料理も試したことがあるけど、とても代用には…だったけど、このシェフはすごく前向きで、苦境も楽しみながら切り開いていくんだなあと、そのパワーに感動した。
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