娘の自由研究?~カブトムシゲットだぜ~
夏祭りから帰った娘がカブトムシを抱えていた。国道沿いで見つけたという。
近所には森もいくつかあり、たまに家にクワガタなどが迷い込むこともあるが、人通りの多いあたりで、立派なツノを持ったカブトムシを捕まえるのは珍しい。以前スネールを養殖していた小さな水槽(ただしくは虫かごで、フタが今はない)を用意してやった。娘はウキウキしながら「名前、何にしようかなあ」と言う。昔から娘は、「飼う」ということを全然理解していないが、生き物を捕まえてはとりあえず名前をつけようとするクセがある。
「ユキナなんてどうかしら」
え( ゚д゚ )?
怪訝な顔の私に娘は「ダメ? じゃあマリノとか」
えええ( ゚д゚ )?
「だって…それ男の子じゃないの?」
「そうなの?」と娘は不思議そうにカブトムシを見つめた。「どうしてわかるの?ツノの形が違うとか?」
工工エエエエエ(´Д`)エエエエエ工工
私は教育を誤ったのか? 中学生にもなって、カブトムシのオスメスの区別もつかない子だなんて、今まで思ったこともなかった。……まあ、私が幼稚園の頃から図鑑ばかり眺めているヘンな子どもでもあったが。
「ツノのあるのがオス、ないのがメスでしょ……メスは一見、でかいコガネムシみたいな感じだよ。うちで昔、カブトムシ飼ってたじゃない?3年も」
「え?」
……そんな予感は、していた。
子どもたちが幼い頃ではあるが、近所のフリマで、カブトムシをペアで300円という値段で買ったのだ。子どもたちは大喜びで、触って遊んでいたと思う。
しかし、子どもたちが関心を持っていたのは本当に最初だけで、少なくともこのカブトムシが死んでからはすっかり忘れていたと思う。
……マットの中には、卵があったのだが。
幼虫がどんどん大きくなり、「くぬぎマットが足りない!」と冬に慌てて探し回った。おかげでなんとか夏にメス2匹が出てきた。どこで採取されたものかわからないので、放すこともできない。仕方ないのでオスを婿取り。また卵を産んだ。……で、絶えるまで世話したのだ。私だけ。しかし、その存在さえ娘が知らなかったなんてと、情けない。
カブトムシはあまり元気がなく、道端でももはやアリが寄って来る状態だったというので、元気になるかもわからない。名前を考えるよりやることがたくさんあるだろう。冷蔵庫に眠っていたりんごを切って与えると、狂ったようにむしゃぶりついた。国道沿いに迷い込んで水分と糖分が不足して死に掛かっていたのなら、少し希望はある。ほとんど秋には死んでしまうカブトムシだが、うちでは晩秋まで生きていた個体もあるし、夏休みが始まったばかりで寿命ということはないだろう。
「とにかく『目の前の箱』で、カブトムシのことを調べておきなさいよ」と言って、私は入浴した。
風呂から出ると、娘はPCに向かっていたが、カブトムシはふたもせずにそのままだった。
「こら~! カブトムシは夜行性だよ!今は大人しくても、夜に飛ぶことも考えられるよ。なんでもいいから早くふたをしなさいよ」
「ええええ? 夜元気になるの?……ラップに穴あけたのはどうかなあ」
「う~ん、それより布のほうがいいかな。洗濯ネットでも、輪ゴムでつけときなよ」
しばらくしてみたら、ネットをかぶせたまま放置してパソコンで遊んでいる。
「カブトムシのパワーをなめるな~! 輪ゴムつけとけっていったでしょ!」
動物好きなのに、世話が全然できない娘。将来が心配なので、しっかり世話をさせようかと思う。
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